コロナ禍のもと、
健康と国際協力に向きあう

―CSRとD&Iが一丸となって推進する新たな社会貢献の形―

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、リアルな接触を伴う活動が難しくなり、個人だけではなく、企業が取り組む社会貢献の形もニューノーマルにあわせて変化を続けている。デロイト トーマツ グループも、社会貢献活動として様々な国際社会課題に積極的に取り組んでおり、従前よりCSRチーム主導でお弁当やビル共有エリアの飲料自動販売機での購入金額の一部を寄付するなど、継続的な活動を行っていた。しかしコロナ禍においてオフィスへ出社する社職員が減り、従来の活動では寄付を募ることが難しくなったため、リモート環境下での活動の在り方を模索していた。

オフィス内で販売されていた、寄付金付きのヘルシー弁当

一方で、社会貢献の主体となる社職員自身のWell-beingに関しても、コロナ禍における外出自粛により、運動不足や心理的ストレスなどで心と体への影響があることがアンケートなどにより顕在化し、新たな問題として浮上していた。そこで在宅勤務中でも気軽に参加でき、健康増進と社会貢献を同時に実現できる活動として、社会貢献活動を推進するCSRチームと、経営課題としてジェンダー平等をはじめ多様性を価値につなげる施策を推進するD&Iチームが、協働して社職員向けに取り組んだのが「春のWalkingキャンペーン」だ。両チームは、この状況を新たな取り組みへの機会ととらえ、コロナ禍においても、社会貢献を通した社会とのつながりや、社職員同士がつながりを感じられる環境の醸成に協力して取り組んだ。

春のWalking キャンペーンに参加するデロイト トーマツの社職員

新たな社会貢献活動の形

春のWalkingキャンペーンは2つの取り組みから成る。一つは、CSRチームにより2021年2月~3月にかけて実施されたウォーキングイベントで、認定NPO法人TABLE FOR TWO Internationalが実施している「コロナ禍の健康づくりを応援!心と体の健康増進キャンペーン」に賛同したものだ。デロイト トーマツが自社開発した歩数計測アプリを使用しながら、1日8000歩を目標に歩き、目標達成人数に応じてTABLE FOR TWOに寄付することで、開発途上国へ学校給食を届けることができるという内容である。また、社内SNSを活用したことで、参加者がお互いに情報交換や成果報告をするなどリモート環境下でのコミュニケーション機会の増加にもつながった。

自社開発のWalking アプリ画面

もう一つの取り組みは、D&Iチーム主導による、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン主催の歩く国際協力「 Walk in Her Shoes」への参加だ。これは途上国の女性の水汲み労働を追体験することでジェンダー課題と向き合う取り組みで、2021年3月~5月にかけて実施された。6km、8000歩を目標に歩き、自己申告した歩数に応じて女性の自立を支援する活動に寄付される。「小さな一歩が、水汲みに従事する女性の未来を切り開く力になる」というメッセージを通して、参加者にキャンペーンの意義を身近に感じてもらうことを心がけた。

Walk in Her Shoesキャンペーンには、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(DTFA) の障がいをもつメンバーも参加した。その際、PCを見られる環境にないメンバーへの配慮や、実際に空バケツに水を入れて戻るバケツリレーを実施することで途上国の女性労働に思いを馳せてもらうなど、様々な工夫が行われた。

DTFA農園で行われたバケツリレーの様子

両キャンペーンでは、CSRチーム、D&Iチーム、そしてDTFAの障がい者雇用担当が連携し、キャンペーンの相互告知や歩数計測アプリの相互利用など、様々な施策が行われた。グループ横断で多くの社職員が参加した結果、両キャンペーンで参加者が歩いた総歩数は約6000万歩にものぼり、TABLE FOR TWOとケア・インターナショナル ジャパンにそれぞれのキャンペーンを通じて寄付が行われた。キャンペーンの参加者からは「運動を習慣化することができた」、「健康になることで働きがいを感じるようになった」といった感想が寄せられた他、障がいをもつメンバーからは「これまでは自身が助けてもらう機会が多かったが、今度は自分が人の役に立ちたい」という声も挙がり、個人のエンパワメントにも繋がった。

障がいをもつメンバーがオリジナルで作成した記録表と家族が贈ったスマートウォッチ

コロナ禍においても人と人が繋がる機会に

参加者は、健康増進だけでなく、自らの行動がインクルーシブで活力ある社会の実現に貢献するという自信を得ることができた。このポジティブな刺激が、対面での交流が減る中でも互いに成果報告をしあうなど多くの交流を生み出し、組織を超えた一体感が醸成されるというインパクトにも繋がった。
春のWalkingキャンペーンは、リモート環境下でも工夫やアイデアで、社会貢献と社職員のWell-beingの両方を実現した新たな試みとなった。デロイト トーマツは、今後も社会状況の変化に適した新しい社会貢献の形を模索していく。

デロイト トーマツ グループのCSR
デロイト トーマツ グループのDiversity, Equity & Inclusion

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