サービス

金融機関の会計システムのIFRS対応支援サービス

IFRSシステムだけではなく、エンタープライズシステムの全体最適を実現するための推進を支援します。

IFRSへのシステム対応の概要

IFRSへのシステム対応は、個々の金融機関の規模、特性、リスク・プロファイル等に応じて、さまざまな構成が考えられます。ここで、方向性を明確にしないと後々対応が混乱し、また二重投資のリスクも生じるため、充分な検討が必要となります。
IFRS対応の目的を「正規の財務会計制度への再構築」と捉えるか、あくまでも「報告レポートの出力機能の実装」と捉えるかにより、IFRS仕訳・データの範囲や、今後のJ-GAAPのコンバージェンスやIFRS改訂の影響も異なることになります。実際にシステムの検討に入ると、開発費用や細かなスペック、論点を重視しがちですが、常にこのシステム対応の目的を念頭に置いて検討することが肝要です。 

システム対応ロードマップ策定支援

IFRS基準はムービングターゲットであり、今後も随時新設・改訂されることが想定されます。また、コンバージェンスとして日本基準自体の改訂も想定されます。一方で、各企業はレガシーシステムのサポート期限や更改の時期等も予定されているでしょう。これらの状況を勘案して全システムの全体最適を図るためには、プロジェクトのロードマップとは別に、すべての開発案件の進捗状況を含めたシステム部門としてのロードマップの策定が必要になります。どのシステム/プロセスが、どのタイミングで改修するのか、それは他のシステムへ影響するのかしないのか、全体を俯瞰的に把握し、管理することが重要です。デロイト トーマツ グループでは、ロードマップ策定の支援とともに、プロジェクト推進のためのルールや、システム開発基準の策定の支援も可能です。

会計システムの要件定義支援

一般的にシステムの要件定義は、ビジネス上の業務要件から、その記帳処理のための会計要件が決まり、それを受けてシステム要件が決まります。IFRS対応に関しては、概ね、J-GAAPとIFRSとのGAAP差異が起点と考えられます。影響分析により特定されたGAAP差異は、会計仕訳、報告項目、CoA(Chart of Accounts:勘定科目)体系図等の確定による要件の具体化を経て、会計要件となります。次に、会計要件は、システム構成、システム機能、システム運用等の定義による要件の実現化を経て、システム要件となります。どのステップも会計、業務、システムの知見を有するメンバーが集結し、検討する必要があり、合わせて高度なコミュニケーション態勢も重要となります。
デロイト トーマツ グループでは、ユーザー部門の業務要件と、経理・主計部門の会計要件との調和を図り、また実装するためのシステム要件への落とし込みの支援が可能です。特に、IFRSは原則主義の基準であり、これを自社の会計方針にあてはめる作業が必要となります。ビジネスモデルやレガシーシステムの状況を勘案し、よりクライアントの現状に適した要件定義の策定のため、主な論点整理をクライアントと協働で実施することが可能です。

主となる会計基準(J-GAAP、IFRS)の違いによるシステム対応の違い

テストシナリオ作成支援 ─ UAT

開発したシステムは、現場部門のUAT(User Acceptance Test:受け入れテスト)により最終的に業務要件を満たすか否かの検証をして、はじめて完成となります。UATでは、実際の業務に基づいたテストシナリオによって、システムの操作性や処理の正確性、パフォーマンス等、実際の運用に耐えるか否かを検証します。デロイト トーマツ グループでは、典型的なケースからイレギュラーケースまで、UATとして確認しておくべきテストシナリオの作成を支援します。 

プロジェクト推進 ─ PMO

プロジェクト全体の進捗をコントロールする役割としてのPMO(Project Management Office)の設置を検討することが必要です。相応の人数のメンバーが集結し、それぞれチームで検討していると、情報の連携が滞ったり、検討レベルや定義ルールがばらばらになってしまう恐れがあります。そこで、PMOによるプロジェクトの全体管理が必要となります。一般にPMOの役割としては、「プロジェクト全体管理」としてプロジェクト標準(ルール)や全体進捗や他のプロジェクトとの調整・管理、「各部会別管理」として各部会の進捗管理や品質管理、そしてプロジェクト横断的なコミュニケーション、等があります。
また、システム開発時には、複数のITベンダーにより複数のシステム開発プロジェクトが並行して進行することも多いので、プロジェクトの全体PMOの配下に、システム開発案件の調整・整合性の確保のために、システムPMOを設置することが必要です。
デロイト トーマツ グループでは、会計領域と業務・システム領域とを繋ぐコミュニケーターとして、またプロジェクトの内外を調整・整理・推進するPMOとして支援します。

PMO役割分担(例)