レジリエントファミリーエンタープライズ

成長段階に到達できるファミリーエンタープライズの特性

レジリエントファミリーエンタープライズシリーズでは、COVID-19が後継者育成計画、価値観と目的、レガシーなどのファミリービジネスの問題にどのように影響を及ぼすか検討していきます。

今後の記事には、次のトピックが含まれます。
• 目的と信頼
• パワーとパフォーマンス：ガバナンスの役割
• ビジネスを超えて：チャリティーと戦略的投資
• ポストコロナのワークプレース
• あなたのファミリービジネス：100年規模の計画
• 幸せと健康：ファミリー企業、家族、個人
• ネクストファミリービジネスとは？

目的と信頼の接点で成長を遂げる

近年、経済分野を問わず、企業は利益を上げること以上に何を原動力にしているのかを再考する動きが活発化しています。多くの同族企業は、この問題にいち早く取り組んできました。ファミリービジネスの創業者は誰もが、ある時点または別の時点で、この目的の問題に直面しなければなりませんでした。

世界的な大流行は企業を根底から揺さぶり、従業員、顧客、サプライヤー、地域社会、その他の主要なステークホルダーとの関係に影響を及ぼしました。このような激動の中、ファミリービジネスのリーダーたちは、これらのステークホルダーとの関係を再構築し、さらには事業を拡大する方法を模索しています。そして、その模索の中で、目的と信頼の接点を改めて考えるようになっています。　

ファミリーエンタープライズにおけるガバナンスの役割

最も安定した時代でさえ、ファミリーエンタープライズは同時に2つ優先事項のバランスを図る挑戦をしています。一つは、企業自体の自然な進歩、もう一つは家族の進化です。これらの競合する優先事項は、新型コロナウイルス（COVID-19）の感染拡大のような危機が発生し、拡大し続ける複雑さとファミリーエンタープライズの運営に伴う課題に新たな緊急性が加わったときに強調されます。

COVID-19は、準備、敏捷性、および適応に関する多くの教訓をファミリーエンタープライズに与えています。何が機能し、何が機能していないのか、そしてまだ議論されていない議論すべき点について厳密な調査といった重要な自己評価の必要性を強調します。これが今日の優れたガバナンスのすべてであり、回復力の構築です。

事業を超えた取り組み：慈善活動と戦略的投資

ファミリービジネスは寄付のエコシステムで重要な役割を果たしていますが、一連の発展により、今年は慈善活動と戦略的投資に大きな変化が生じ、寄付についてより慎重かつ戦略的に考える必要性が高まっています。

ファミリービジネスはCOVID-19が解き放った人道的危機と戦いを助ける方法を査定するにつれて、パンデミックの深刻さは慈善活動と投資決定の趣旨を変えました。

利益を超えた目的を決定する際のファミリービジネスの自然な出発点は、支援する理由を定義することです–そして慈善的かつ戦略的な投資努力に組み込まれた責任の過程を確実にします。

ポストコロナにおける「職場」の構築

2020年以前は、「職場」とは一般に、人々が一緒に働くための専用のオフィススペースを意味していました。

そして、リモートワークへの傾向がより高まる一方で、コロナはリモートへの動きをさらに加速させ、企業はインターネット接続の強さにより繋がった従業員との分散ネットワークに依存することを余儀なくされています。そして危機が収まると、職場はどのようになるのか、課題が浮かび上がります。

あなたのファミリービジネス： 視野の果てを見据えたプランニング

2030年について考え始めるのは時期尚早でしょうか？ もしくは2040年？ 関連性の維持を考えているファミリービジネスの場合は違います。企業がCOVID-19のパンデミックからの回復に取り組むにつれて、注目は「暫定的なノーマル」から、その回復力と敏捷性を利用する「より良いノーマル」へと移り始めます。

IPOに関する審議では、家族を第一に考える

これまで自分のやり方で経営し、個人経営の恩恵を享受することになれてきたファミリービジネスの経営者にとって、株式公開は重要な出発点となります。しかし、COVID-19によるパンデミックを背景に多くのファミリービジネスから株式の一般への販売が新たな注目を集めています。彼らはIPOをビジネスに対してある程度の統制を維持し、将来の関与を広げる手段として見るようになってきています。

潜在的な長所と短所を見極めるには慎重な検討が必要ですが、家族が方向性について合意するのが早ければ早いほど、彼らがふさわしい将来の計画を立てることができます。

流動性に関する選択肢がファミリービジネスの繁栄を可能にする

多くのファミリービジネスの経営者にとって、COVID-19は未曽有の経験でした。彼らはこの危機を利用して、革新的な投資を行い、変革を加速させ、自分たちの将来を見直しました。その状態を維持したいと考えている民間のファミリービジネスにとって、現在の流動的な状況は、銀行、公的債券市場、公債基金、プライベートエクイティ企業を含む多くの資金調達オプションを提供しています。ファミリービジネスが最大の目標を実現するために必要な資本を得るのに今ほど良いタイミングはないかもしれません。

対応と回復を超えて繁栄へと突き進む

ファミリービジネスの多くがその経営モデルには代々受け継がれてきたある種の本質的な強みがあると考えている一方、新型コロナウイルスのパンデミックによって、信頼を維持して永続的な価値を提供するためには、これらの差別化要素を強化しなくてはならないということが明白になりました。

ポストコロナの環境において、ファミリービジネスには、コミュニティとの強いつながりを足がかりとして、より良い社会を構築できる非常に大きなチャンスがあります。今こそ、パンデミックを通して私たちが得た教訓を活かし、より豊かでレジリエントな未来に向けて立ち位置の見直しを行うべき時といえます。