お知らせ

Finance Leaders Summit 2020

開催レポート

デロイト トーマツ グループは2020年9月30日に 「Finance Leaders Summit 2020」をオンラインで開催しました。第2回目となる今回は、「不確実性時代を切り拓く」をテーマとし、新型コロナウイルス感染症拡大によるビジネス環境への影響を契機に企業全体の抜本的改革が迫られる中、企業の持続的成長に向けてCFO及び財務経理部門責任者はどのように行動し役割を果たすべきかについて議論いたしました。

Finance Leaders Summit 特別対談実施

Finance Leaders Summitのイベントテーマに関連した内容で、キリンホールディングス株式会社 取締役常務執行役員 CFO CIO 横田 乃里也氏を対談を実施いたしました。

いち早くCSV経営に乗り出した先駆者であるキリンホールディングス株式会社での今後のビジョンをはじめとし、 DX推進、無形(人的)資産への投資など、CFOとして意識していることを語っていただきました。

“「不確実性時代を切り拓く」ためのCFOとしての役割とは何か”、 CFO・経理財務責任者の皆様にとって参考にしていただける内容になっていますので、是非ご一読ください。
冊子は以下よりご参照いただけます。

なお、ダイヤモンド・オンラインにも掲載しております。

開催レポートサマリー

Finance Leaders Summitは、日本を代表する企業の CFO・ 経理財務部門幹部の皆様、および次世代の CFOの皆様とともに、「持続的成長」という普遍的なテーマに対してCFOやFinance部門は何を果たすべきかという観点から、今後の企業経営のあり方について議論するデロイトトーマツグループのカンファレンスです。

日本経済を代表するリーディングカンパニーの60社77名のCFO、経理財務部長の方々にご参加頂き、盛況のうちに終了しました

ー 基調講演 ー

「志本経営の時代~ニューノーマルにおける新SDGs経営~」一橋大学大学院経営管理研究科 名和 高司氏

ニューノーマル時代の入り口に立ち、企業は本質的な経営課題を突き付けられています。本講演では資本主義を超えるモデルとして、世界中に広がりつつある「志本主義(Purposism)」を概観しました。そのうえで、サステイナビリティ、デジタル、グローバルズという3つのメガトレンドを視野に入れた「新SDGs 経営」を展望。無形資産の増大やDX推進の必要性を絡め、社会価値と企業価値の両立を目指した日本企業ならではの経営モデルの確立に向けて、CFO の果たすべき役割を論じました。

<Point>

  • 資本主義、人本主義を超える経営モデル「志本主義(Purposism)」と「新SDGs」の導入により競争優位性を築くことができる
  • Sustainability, Digital, Globalsの3つが重なったところに志(パーパス)があり、志で共感を生み、新SDGsを推進していくのが志本主義の経営であり、志本主義はコロナ禍により一気に加速するだろう。
  • Sustainabilityを高めるために重要になるのが、経済価値の維持向上と社会価値の創出を両立させるCSVの概念。短期的な売り上げアップとともに、長期的な視点では企業価値を毀損するようなリスクの低減・回避が期待できる。中でも、最も重要なのが無形資産の増大。CSVの推進によりブランドやノウハウ、人材などの無形資産の価値が蓄積され、新たなビジネスやイノベーションの創出につながっていく。
  • DXの実践については、Why, Whatを明確にし、「世の中を変革するぐらいの巨大な志」を掲げて取り組むべき。遠近複眼思考を取り入れ、超長期と超短期の視点をもって取り組むことが重要。

ー 対談 ー

一橋大学大学院経営管理研究科 名和 高司氏

エール株式会社取締役 篠田 真貴子氏

モデレーター:DIAMOND・ハーバード・ビジネスレビュー編集長 大坪 亮氏

まず初めに、基調講演の主題である「志本経営」に、篠田氏が提唱する「聴くスキル」がどのように貢献するかを論じていただきました。

中盤では、デロイト トーマツ グループが四半期に一度実施しているCFOを対象としたアンケート調査「CFO Singals Survey」の結果を紹介。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、”経理財務部門のDX推進が加速した”、”CFOが積極的にDXを推進すべきである”と多くのCFOが回答していることから、CFOにとってデジタルの推進がひとつのイニシアティブになっていることが回答結果に反映された形となりました。名和氏より、CFOの役割は従来の資金管理だけではなく、資産全体の管理であることから、DX推進もCFOの役割とすべきではないかとコメントをいただきました。

※CFO Singals Surveyの結果はこちら

後半では、企業が不確実性の時代を切り拓いていくために、CFO及び経理財務部門はどう行動すべきかについて、議論いただきました。

<Point>

  • 志本経営の実践には「聴くスキル」が貢献する。話を聴くときに、相手は肯定的な意図を持って話していると信じて受け止めることが大事。
  • CFOの役割は、お金の管理だけではなく、資産全体の管理。DXの推進についてもCFOが積極的に旗振り役を担うべきではないか。
  • イノベーションは自社の無形資産と社外の無形資産との新結合によって生まれるとすると、自社の既存概念とは背景文脈が異なる相手の意図を理解するには、やはり聴く力が必要。
  • 不確実性の時代を切り拓いていくうえで、CFOと経理財務部門は、どう行動すべきか?
    • お金だけでなく人やブランド、ノウハウなどの無形資産にレバレッジをかけていくことが、次世代の経営にとって重要。ステークホルダーを巻き込み、1の資産を10倍にするような取り組みにチャレンジしてほしい。不確実性の高い時代に、有形、無形を含めた資産をどこに配分するかをジャッジするのがCFOの重要なミッションである。

 

ご参加者の属性

多種多様なインダストリーのCFO及び経理財務部門部長クラスの皆様にご参加いただきました。

ご参加者の属性

Finance Leaders Summit 2020開催概要

ープログラムー

2020年9月30日(水) 16:00-17:30  (ウェビナー開催)

ーアジェンダー

16:00-16:10 開会挨拶

デロイト トーマツ グループ CEO 永田高士

16:10-16:40 基調講演「志本経営の時代~ニューノーマルにおける新SDGs経営~」

一橋大学大学院経営管理研究科客員教授 名和 高司氏 

16:40-17:30 対談

一橋大学大学院経営管理研究科客員教授 名和 高司氏 

エール株式会社取締役 篠田 真貴子氏

モデレーター:
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 編集長
大坪 亮氏

 
 

登壇者のご紹介

名和 高司 氏
詳細はこちら
名和 高司 氏

国立大学法人一橋大学大学院
経営管理研究科客員教授

篠田 真貴子 氏
詳細はこちら
篠田 真貴子 氏

エール株式会社
取締役

名和 高司 氏

国立大学法人一橋大学大学院 経営管理研究科客員教授

東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事の機械(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。 2010年まで、マッキンゼー・アンド・カンパニーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。
2010年6月より、国立大学法人一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授に就任。2020年より現職。
現在、株式会社ファースト・リテイリング、味の素株式会社、SOMPOホールディングス株式会社、NECキャピタルソリューションズ株式会社の社外取締役の他、大手企業をはじめとした複数社のシニア・アドバイザーを務める。

篠田 真貴子 氏

エール株式会社 取締役

慶應義塾大学経済学部卒、米ペンシルバニア大ウォートン校MBA、ジョンズ・ホプキンス大国際関係論修士。日本長期信用銀行、マッキンゼー、ノバルティス、ネスレを経て、2008 年 12 月より 2018 年 11 月まで株式会社ほぼ日(旧・東京糸井重里事務所)取締役CFO。同社の上場を統括した。退任後「ジョブレス」期間を経て、2020年3月より社外人材によるオンライン 1on1 を提供するエール株式会社の取締役に就任。学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン評議員、認定特定非営利活動法人かものはしプロジェクト理事。「ALLIANCE アライアンス―――人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」監訳。

CFOの”The Trusted Adviser”になるために

デロイト トーマツ グループでは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指したサービスを展開しています。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供し、CFOにとっての“the Trusted Advisor"となることを目指します。

関連するサービス
CFOプログラム
CFOプログラムは、様々な課題に直面するCFOを支え、ファイナンス組織の能力向上に寄与することを目指すデロイト トーマツ グループによる包括的な取り組みです。われわれは、グローバルに展開するプロフェッショナルファームとして先進的な知見やネットワークの場を提供します。

CFOサービス
CFOサービスでは、CFO及びCFO組織の変革のみならず、企業にとって必要なCFOの役割に基づき、CFO機能の進化をサポートします。プロジェクトのテーマに応じて、デロイト トーマツ グループのインダストリーグループや、各種サービス(監査、税務、ファイナンシャル アドバイザリーなど)、デロイトのグローバルネットワークとも連携し、多角的、複合的な支援を提供しています。 

 
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