アジア太平洋地域CFOサーベイ 2023 (Asia-Pacific CFO Survey 2023) ブックマークが追加されました
ナレッジ
アジア太平洋地域CFOサーベイ 2023 (Asia-Pacific CFO Survey 2023)
アジア太平洋地域のCFOにとってのNext Initiative
デロイトの「アジア太平洋地域CFOサーベイ 2023」は、アジア太平洋地域におけるCFO(最高財務責任者)を対象とした年次調査である。1回目となる今回は、2023年6月から7月にかけて、アジア太平洋地域の5ヵ国・地域(オーストラリア、中国、インド、日本、東南アジア(SEA))276人のCFOへ実施し課題認識、対応の優先事項、取り組んでいる施策などをより深く理解することを目的に実施した。調査サンプルの72%は、売上高が1億米ドルを超える企業で構成されている。
エグゼクティブ・サマリー
今後12ヵ月における自国経済に対するCFOの見通し
日本のCFOは自国の経済見通しに対して楽観的または中立的な見解を示している。
- 日本:日本のCFOの実に71%CFOが自国経済に対して、中立的なスタンスをとっている。
- AP(Asia-Pacific)全体:AP全体ではCFOの30%が今後の自国経済の見通しに対して楽観的な見解を示しているのに加え、6%は非常に楽観的な見解を示している。
重大な外部リスク
日本のCFOはAP全体と比較すると「地政学リスク」・「為替変動」を大きなリスクと捉えている一方、「自国の景気減速/後退」・「政策変更等」に関しては大きなリスクと考えていない。
- 日本:懸念事項として、上位から「世界的な景気減速/後退」(62%) 、「地政学リスク」(62%)、「為替変動」(43%)となっている。「世界的な景気減速/後退」「地政学リスク」についてはAP全体で比較しても同じ水準だが、「為替変動」については日本が飛び抜けて高い数値(43%)となった。また興味深いことに、AP全体では高い数値を出していた「自国の景気減速/後退」に関しては20%以上低い数値となっている。
- AP全体:CFOの57%が「世界的な景気減速/後退」を最大の外部リスクであると考えている。その後に「地政学リスク」(48%)と「自国の景気減速/後退」(45%)が僅差で続いている。
重大な内部リスク
日本のCFOはAP全体と比較すると、「チーム・組織のパフォーマンス及び稼働率」を重大なリスクと捉えているが、「製品または市場の混乱」についてのリスク意識は低い。
- 日本:懸念事項として上位より「重要な人材の獲得と定着」(62%)、「サービス/製品に対する需要の変動」(52%)、「チーム・組織のパフォーマンス及び稼働率」(43%)となっている。中でも「チーム・組織のパフォーマンス及び稼働率」への懸念はAP全体よりかなり上振れている。その一方で「製品または市場の混乱」に対しての日本のCFOの懸念は弱いようである。
- AP全体:59%が「重要な人材の獲得と定着」を最大の内部リスクと考えており、46%が「サービス/製品に対する需要の変動」を懸念している。また38%が「戦略遂行能力の欠如」を懸念材料と考えている。
ESG規制による自社財務報告への影響
日本のCFOはESG規制による自社財務報告への影響をより強く感じている。
- 日本:62%のCFOが、ESG規制による自社財務報告への影響について「中程度影響する」と回答している。また19%のCFOは「影響は非常に大きい」と回答しており、「影響は限定的である」と回答したCFOも一定数いたものの、AP全体と比較するとESG規制による影響をより強く捉えている様子を反映する結果となった。
- AP全体:ESG規制による自社財務報告への影響については「中程度影響する」と回答しているCFOが最も多く46%となり、次点で28%が「影響は限定的である」と回答する結果となった。
※本ページにて公開の和訳版はDeloitte Global CFO Program が2023年11月に発行した原著をデロイト トーマツ グループが翻訳を行ったものです。和訳版と原文である”The next set of imperatives for CFOs in the Asia-Pacific region(英語)”に差異がある場合は原文を優先します。
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