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IASBは、IBOR改革に関するプロジェクトのフェーズ2の成果として、修正案を公表する  

IAS Plus 2020.04.09

IASBは、代替的な指標金利への置換えを含む、金利指標の改革後に財務報告に影響を与える可能性のある問題に対処する修正案を含む公開草案「金利指標改革-フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正案)を公表した。コメントは2020年5月25日まで募集されている。

国際会計基準審議会(IASB)は、代替的な指標金利への置換えを含む、金利指標の改革後に財務報告に影響を与える可能性のある問題に対処する修正案を含む公開草案「金利指標改革-フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正案)を公表した。コメントは2020年5月25日まで募集されている。

 

背景

銀行間取引金利(IBOR)は、LIBOR、EURIBOR、TIBORなどの金利参照のレートであり、通貨と満期の特定の組み合わせ、および特定の銀行間貸出市場における無担保資金の取得のコストを表す。最近の市場の動向は、これらのベンチマークの長期的な実行可能性に疑問をもたらした。

IASB は、プロジェクトにおける論点を2つのフェーズに分けて対処している。第1フェーズ は、交換前の論点(既存の金利指標の置換え前の期間における財務報告に影響を与える論点)を取り扱っている。プロジェクトのこの部分は、「金利指標改革」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号の修正)(デロイト トーマツのWebサイト-※1)の公表によって、2019年9月26日に終了した。

プロジェクトの第2フェーズは交換の問題を扱っており、従って、本日公表された修正案は、既存の金利指標が実際に置き換えられたときに財務報告に影響を与える可能性のある問題に対処することを意図している。 

 

変更案

公開草案ED/2020/1「金利指標改革 -フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS 第7号、IFRS第4号、IFRS第16号の修正案)で提案された変更点は、金融資産、金融負債及びリース負債の条件変更、特定のヘッジ会計の要求事項、及び分類及び測定及びヘッジ会計に関するIASBの提案に伴うIFRS第7号を適用する開示の要求事項に関連する。

  • 金融資産、金融負債、リース負債の条件変更
    IASBは、改革により要求される条件変更(IBOR改革の直接の結果として要求され、経済的に同等のベースで行われる条件変更)に対する実務上の便法を提案している。これらの条件変更は、実効金利を更新することによって会計処理される。その他のすべての条件変更は、現行の IFRSの要求事項を使用して会計処理される。同様の実務上の便法が、IFRS第16号を適用する借手の会計処理についても提案されている。適格な条件変更については、IBOR金利の置換えに関連して特定の利得または損失が発生することはない。
  • 特定のヘッジ会計の要求事項
    IASBの提案では、ヘッジ会計はIBOR改革のためのみでは中止されない。ヘッジ対象、ヘッジ商品及びヘッジ・リスクの条件変更を反映するために、ヘッジ関係(及び関連する文書化)を修正しなければならない。当該修正に起因する評価調整は、非有効部分の一部として認識される。修正されたヘッジ関係は、有効性の要求事項を含む、ヘッジ会計を適用するためのすべての適格要件を満たさなければならない。
  • 開示
    利用者が、企業が晒されるIBOR改革から生じるリスクの性質および程度、及び企業がそれらのリスクを管理する方法、及びIBORから代替指標金利に移行における企業の進捗状況、および企業がこの移行をどのように管理しているかを、利用者理解できるようにするために、公開草案は、企業が以下に関する情報を開示することを提案する。

    ・金利指標から代替的な指標金利への移行をどのように管理しているのか及び報告日現在の進捗状況
    ・重要な金利指標ごとに分解された、改革の対象となる金利指標を引き続き参照する金融資産及び金融負債の帳簿価額
    ・企業が晒されている重要な代替的な指標金利のそれぞれについて、企業が適格な条件変更を決定するために行った重要な判断の説明を含む、どの条件変更が実務上の便法に適格かを企業が決定したのかの説明
    ・IBOR改革が企業のリスク管理戦略の変更を生じさせている範囲で、これらの変更及び企業がそれらのリスクをどのように管理しているのかの記述 

IASBはまた、IFRS第9号の一時的な免除を適用する保険者に対し、IBOR改革によって直接要求される条件変更の会計処理において本修正を適用することを要求するために、IFRS第4号を修正することを提案する。


IASBはまた、すべての修正案の適用を強制適用するべきであることを提案している。IASBはまた、修正案の内容は、金融商品の条件変更及び関連性のある要件を満たすヘッジ関係の変更にのみ適用できるものであり、従って、具体的な適用終了の要求事項を定める必要はないという結論に達した。


変更案に対するコメントは、2020年5月25日まで募集されている。 

 

変更案 

本公開草案は、修正案が2021年1月1日以後に開始される事業年度に発効し、遡及的に適用することを提案している。早期適用は認められる。 

 

さらなる情報
 
下記リンクをクリックしてください:

IASBのプレスリリース(IASBのWebサイト-英語)
公開草案(302.35KB,PDF-IASBのWebサイト-英語)
修正案の短いスナップショット(139KB,PDF-IASBウェブサイト-英語)
IAS Plusのプロジェクト・ページIBOR改革と財務報告への影響 -フェーズ2(IAS Plus-英語版)

 

※1》IFRS in Focus 「IASBが、金利指標改革(IBOR改革)に関するIFRS第9号、IAS第39号およびIFRS第7号の修正を公表」(デロイト トーマツのWebサイト)



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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