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気候関連開示のプロトタイプ    

IAS Plus 2021.11.03

IFRS財団は、ISSBの最初のテーマ基準に対するTechnical Readiness Working Group (TRWG)の提案である、気候関連開示のプロトタイプを公表した。

IFRS財団は、ISSBの最初のテーマ基準に対するTechnical Readiness Working Group (TRWG)の提案である、気候関連開示のプロトタイプを公表した。
  

TRWGは、ISSBの開始を容易にするために2021年3月に創設された。これは、ISSBが検討するためのテクニカルな提案事項を提供することを目的として、投資者の情報ニーズを満たすことに焦点を当てた関連性のあるイニシアチブの作業を統合し、構築するように設計された。本日公表された気候関連開示のプロトタイプは、ガバナンス、戦略、リスク管理及び指標と目標の4つのTCFDの基礎項目を中心に構成されている。
 

目的:

プロトタイプの目的案は、気候関連のリスクと機会に対する情報を開示することを企業に要求することである。
 

範囲:

プロトタイプは、企業が晒される気候関連のリスク、企業が利用でき考慮する気候関連の機会に適用されることとなる。

 

ガバナンス:

プロトタイプの下で、企業は、気候関連のリスクと機会をモニター及び管理するために使用するガバナンスのプロセス、統制及び手続を、一般目的財務報告の利用者が理解できるようにする情報を開示することとなる。

 

戦略:

企業は、気候関連のリスクと機会に対処するための戦略、当該戦略に影響を与える気候関連のリスクと機会、及び当該戦略に関する気候関連のリスクと機会の影響を、一般目的財務報告の利用者が理解することを可能にする情報を開示する。

 

リスク管理:

企業は、気候関連のリスクがどのように識別、評価、管理、軽減されているかを、一般目的財務報告の利用者が理解することを可能にする情報を開示する。

 

指標と目標:

企業は、気候関連のリスクと機会を管理する際の企業の実績を、一般目的財務報告の利用者が理解することを可能にする情報を開示する。

 

気候のプロトタイプには2つの付録がある。付録Aには、使用される定義された用語が含まれている。付録Bは、セクター及びインダストリーにより体系化された、インダストリー・ベースの開示要求を示している。開示要求の補足的なテクニカル・プロトコルは、気候関連の指標に対するインダストリーの要求事項を記述する。
 

気候関連プロトタイプ及び開示要求の補足的なテクニカル・プロトコルは、IFRS財団のWebサイト(英語)からアクセス可能である。

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