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国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が、2023年5月の会議を受けてワーク・プランの更新を公表

IAS Plus 2023.06.01  

IASB及びISSBの2023年5月に改訂されたワーク・プランでは、「IFRS会計基準の年次改善」の2プロジェクト及び「IFRS会計タクソノミの更新-基本財務諸表」が追加され、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」及び「サプライヤ-・ファイナンス契約」が削除された。

2023年5月の国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の会議を受け、ワーク・プランが前回更新された2023年4月以来、会議及びその他の進展からどのような変更があったかを理解するために、IFRS財団ウェブサイトのワーク・プランを分析した。

以下は、2023年5月2日(デロイト トーマツのWebサイト-※1)の前回の分析からワーク・プランに行われたすべての変更の分析である。

 

基準設定プロジェクト

  • 「企業結合-開示、のれん及び減損」
    公開草案が2024年上半期に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「開示イニシアティブ-公的説明責任のない子会社:開示」
    IFRS会計基準の公表が2024年に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「動的リスク管理」
    公開草案が2025年に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「持分法」
    公開草案が2024年に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「資本の特徴を有する金融商品」
    公開草案が2023年下半期に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「経営者による説明」
    プロジェクトの方向性の決定が2023年下半期に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「基本財務諸表」
    IFRS会計基準の公表が2024年に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「料金規制対象活動」
    IFRS会計基準の公表が2025年に予定されている(以前は予定の記載なし)。

 

サステナビリティ・プロジェクト

  • 「SASBスタンダードの国際的な適用可能性」
    公開草案のフィードバックが2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年5月に公開草案)。

 

メンテナンス・プロジェクト

  • 「中小企業向けIFRSの修正-国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」
    公開草案のフィードバックが2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年6月に公開草案)。
  • 「IFRS会計基準の年次改善」
    以下のプロジェクトが、公開草案の予定を2023年第3四半期として、ワーク・プランに追加された。
    ・公正価値と取引価格との繰延差額の開示(IFRS第7号に付属する適用ガイダンスの修正
    ・借手によるリース負債の認識の中止(IFRS 第 9 号の修正)
  • 「財務諸表における気候関連リスク」
    リサーチのレビューが2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年下半期)。
  • 「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」
    IFRS会計基準(IAS Plus-英語※ 2)の公表によりワーク・プランから削除された。
  • 「交換可能性の欠如(IAS第21号の修正)」
    IFRS会計基準の修正が2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年7月)。
  • 「引当金-的を絞った改善」
    プロジェクトの方向性の決定が2023年下半期に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「サプライヤ-・ファイナンス契約」
    IFRS会計基準(IAS Plus-英語※ 3)の公表によりワーク・プランから削除された。

 

リサーチ・プロジェクト

  • 「共通支配下の企業結合」
    プロジェクトの方向性の決定が2023年第3四半期に予定されている(以前は予定の記載なし)。
  • 「採掘活動」
    プロジェクトの方向性の決定が2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年7月)。
  • IFRS第9号の適用後のレビュー 減損」
    本プロジェクトは情報要請のフィードバックフェーズにあり、2023年下半期を予定している。

     

戦略及びガバナンス・プロジェクト

  • 「アジェンダ優先事項に関するISSB協議」
    情報要請のフィードバックが2023年下半期に予定されている(以前は2023年5月に情報要請)。

     

タクソノミ・プロジェクト

  • 「IFRS会計タクソノミの更新-IAS第12号、IAS第21号、IAS第7号及びIFRS第7号の修正」
    IFRSタクソノミの更新案が2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年下半期)。
  • 「IFRS会計タクソノミの更新-基本財務諸表」
    本プロジェクトは、IFRSタクソノミの更新案の予定を2024年として、ワーク・プランに追加された。
  • 「IFRSサステナビリティ開示タクソノミ」
    IFRSサステナビリティ開示タクソノミ案が2023年第3四半期に予定されている(以前は2023年下半期)。


上記は、2023年5月2日と2023年6月1日の、IASB及びISSBのワーク・プランの忠実な比較である。

 

現在のワーク・プランについては、いつでもこちら(IFRS財団のWebサイト-英語※ 4)からアクセスできる。


》IASB及びISSBのワーク・プラン(IFRS財団のWebサイト-英語)
》Deloitteのプロジェクト・ページ(IAS Plus-英語)

 

 

※1》「国際会計基準審議会(IASB)及び国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2023年4月の会議を受けてワーク・プランの更新を公表」(デロイト トーマツのWebサイト)
※2》 ‘IASB publishes amendments to IAS 12 to provide a temporary exception to the requirements regarding deferred tax assets and liabilities related to pillar two income taxes’(IAS Plus-英語)
※3》 ‘IASB publishes amendments to IAS 7 and IFRS 7 regarding supplier finance arrangements’(IAS Plus-英語)
※4》 ‘Work plan’(IFRS財団のWebサイト-英語)

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