ナレッジ

宿泊関連業における新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた宿泊需要予測

国内客・インバウンド客の宿泊需要の回復時期を予測

本記事は2020年8月21日付で リリースした記事「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による宿泊関連業への影響と今後の予測」の第2弾として、より定量的な需要回復予測を行ったものです。

デロイト トーマツではグローバルなインダストリー、財務・会計・税務、データサイエンスなどの専門家による豊富な知識・経験に基づき、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた今後の宿泊需要予測を本資料にまとめています。

デロイト トーマツ グループの独自調査や公的情報に基づいた需要予測

デロイト トーマツ グループ独自に実施した宿泊事業者・一般消費者に実施した調査や、国連などの公的機関、国・地域・セクター別の予測などの公的データに基づき、新型コロナウイルス感染症の影響により変動した宿泊需要について多角的な回復シナリオを設定している。

シナリオ設定に際しては、統計的手法を用いて宿泊需要予測モデルを構築し、宿泊需要が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の水準に回復するまでの期間を予測している。

 

需要予測サマリー

宿泊関連業界における見通し

国内旅行者(内需)と外国人旅行者(インバウンド)の需要それぞれについて、過去の実績値から個別に予測を行っている。

国内旅行者については、国や自治体が独自に行う宿泊補助キャンペーンの効果を加味しても、2020年7月から1年経過した時点で、新型コロナウイルス感染症の影響がなかったと仮定した水準と比べて、平均的予測で約50%程度の回復に留まる。ちなみに、同水準並みに回復するのは2022年半ば以降になることが見込まれている。

一方、外国人旅行者は渡航制限解除がいつ行われるかによるが、国内旅行者に比べて回復が鈍く、渡航制限が全面的に解除されない限りは、約5年後の2026年1月においても新型コロナウイルス感染症の影響がなかったと仮定した水準と比べて約50%程度の回復に留まることが見込まれる。

仮に、各国渡航制限が今秋にも全面的に解除されたとしても、渡航制限解除から1年経過した時点で、新型コロナウイルス感染症の影響がなかったと仮定した水準に対して平均的予測で30%程度の回復に留まると予測される。ちなみに、同水準並みに回復するには、渡航制限解除から2年半以上の期間がかかるものと予測される。
 

個別の地域、業態、施設ごとの特性を考慮した需要予測

前述における宿泊業界全体の需要予測をベースに、既存の個別の宿泊施設について各施設の地域・業態・施設の特性を組み込んだ詳細な需要予測を行うことも可能である。

デロイト トーマツでは、個別の宿泊関連事業者の実績データに基づきカスタマイズした宿泊需要予測を実施することはもちろん、ホテル・旅館の専門チームによる今後の施設の改修等投資戦略やコストの見直しなどを含めた計画策定・計画実行の支援、事業売却やM&Aまでも、一気通貫で支援している。

注釈
※ 本資料の需要予測は、2020年7月中旬に実施したものであり、作成時以降の公開された情報を加味したものではない

※ 今回の需要予測は各事業者、債権者のより良い意思決定を促すことを目的に作成しており、これから起こる事象を予言するものではなく、起こるかもしれないことについての仮説であり、機会や隠れたリスクに目を向けさせるように設計されています。

お問い合わせ

本稿に関するお問い合わせは、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

お役に立ちましたか?