「金融機関向けIFRSニュース 2020年7月」(2020年8月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2020年7月」(2020年8月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2020年7月」
デロイトが発信するIAS Plus(外部サイト)の情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております(※1)。
<今月のハイライト>
- IASB会議における金利指標改革‐フェーズ2に関する議論:
IAS第39号「金融商品:認識及び測定」に基づくヘッジ会計における遡及的な有効性の評価において、累積的な公正価値の変動金額をゼロにリセットするよう「要求」するのではなく「許容」すること、及び、公開草案の提案について最終的な修正では一部明確化を行うことを検討する旨が暫定決定されました。当会議にて、金利指標改革フェーズ2に関する審議が終了し、2020年8月に修正IFRSの公表を予定しています。 - IFRS第17号「保険契約」の修正に関するウェブキャストの公表:
IASBは、6月25日に公表されたIFRS第17号「保険契約」の修正に関して、「経過措置以外の要求事項に関する修正」及び「経過措置に関する修正」の2つのパートで構成されるウェブキャストを公表しました。 - 『IFRSのコンプライアンス、表示及び開示のチェックリスト(2020年)』の掲載:
デロイトは、2020年4月30日時点で公表済みのIFRS基準書、及び2020年5月公表の「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)に示された認識、測定、表示及び開示に関する要求事項をまとめたIFRSコンプライアンス・チェックリスト(Excel形式)を掲載しました。IAS第34号「期中財務報告」に関する要求事項をまとめたチェックリストも含まれています。 - FRCによる新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生以降の企業報告に関するテーマ別レビューの公表:
英国財務報告評議会(FRC)は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生以降の企業報告について、2020年の期中報告及び年次報告のサンプルを分析した結果を公表しました。優れた開示例や、改善点、今後のレビューにおける着目点等が掲載されています。 - EFRAGによる暗号資産(負債)に関するディスカッション・ペーパーの公表:
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ディスカッション・ペーパー「暗号資産(負債)の会計処理:保有者及び発行者の視点」(全152ページ)を公表しました。コメント期間は、現状のパンデミックも考慮し、2021年7月31日までの約1年間としています。
<今月の記事一覧>
※1 公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。なお、時制は、各記事の掲載時点のものとなります。
※2 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2020年7月」(右上のPDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
<記事本文>
新型コロナウイルス感染症
【DTT】
- 『新型コロナウイルス感染症に関する会計上の検討事項 - リース』(ウェブキャスト)が掲載されました。
新型コロナウイルス感染症に関するウェブキャスト・シリーズのうち今回は、リース(約12分)について論じています。
- 『半期における信用損失予測 - トレンドの反転はW字型の信用サイクル指標の動きを意味するのか』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、英国における信用リスクの今後、及び銀行による全期間予想信用損失(LECL)に係る会計上の見積りへの影響について論じています。
- 『Heads Up - 第1四半期におけるCECLに係る開示の考察』(USGAAP関連、新型コロナウイルス感染症に関する開示を含む)が掲載されました。
当ニュースレター(全9ページ)は、2020年第1四半期の時点で新たなCECL基準を導入しているサンプル企業の開示レビューにおいて、観察された傾向を要約したものです(新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関連する開示の傾向を含む)。
- 『Financial Reporting Alert 20-2 - 新型コロナウイルス感染症及び景気低迷に関連する財務報告上の考慮事項』(USGAAP関連)が更新されました。
当ニュースレター(全109ページ)は、3月25日に掲載された同タイトルのニュースレターの更新版です(付録Eに更新箇所の一覧が記載されています)。
- 『Financial Reporting Alert 20-4 - 新型コロナウイルス感染症及び非GAAP指標』(USGAAP関連)が掲載されました。
当ニュースレター(全8ページ)は、『Financial Reporting Alert 20-2 - 新型コロナウイルス感染症及び景気低迷に関連する財務報告上の考慮事項』で説明されている非GAAP指標に関するガイダンスを拡張したものです。
【FRC】
- FRCが新型コロナウイルス感染症の財務報告への影響に関するテーマ別レビューの結果を公表しました。
英国財務報告評議会(FRC)は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生以降の企業報告について検討した、テーマ別レビューの結果(全55ページ)を公表しました。
【AASB】
- オーストラリア会計基準審議会(AASB)が新型コロナウイルス感染症のパンデミック及び非金融資産の減損に関するFAQを公表しました。
当ニュースレター(全12ページ)は、非金融資産の減損テストをいつ、どのように実施するかに関するフローチャートや、新型コロナウイルス感染症の文脈における減損の具体的な論点に関するFAQが掲載されています。
【FSA】
- 金融庁が指定国際会計基準のリストを更新しました(「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号「リース」の修正)等を追加)。
金融庁は、IASBが令和2年5月31日までに公表した以下を含む国際会計基準を、連結財務諸表規則第93条に規定する指定国際会計基準とする旨を公表しました。
・「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号「リース」の修正)(2020年5月公表)
保険契約
DTT】
- 『保険ウェブキャスト 82 - IASBがIFRS第17号「保険契約」の修正を公表』が掲載されました。
当ウェブキャスト(約36分)は、以下を解説しています。
・IASBがIFRS第17号を修正した背景
・IFRS第17号の主な修正点
・IFRS第17号の複数の領域に影響を及ぼすその他の修正点
・追加情報
【IASB】
- IASBがIFRS第17号「保険契約」の修正に関するウェブキャストを公表しました。
IASBは、IFRS第17号「保険契約」の修正に関する以下2つのパートで構成されるウェブキャストを公表しました。
・パート1: 経過措置以外の要求事項に関する修正(約29分)
・パート2: 経過措置に関する修正(約20分)
- IASBが2020年6月の修正を反映した統合版IFRS第17号「保険契約」を公表しました。
2020年6月25日に公表された「IFRS第17号の修正」を反映した統合版IFRS第17号「保険契約」がIASBのウェブサイト上で公表されました(無償で利用可能)。 - IASBがIFRS第17号「保険契約」に関する訂正一覧及び正誤表を公表しました。
2020年における最初の訂正となる今回は、IFRS第17号「保険契約」に影響のあるものとなります。なお、当訂正により基準書の意味やその適用が変更されることはありません。
【EFRAG】
- EFRAGがIFRS第4号「保険契約」/IFRS第9号「金融商品」の修正に関するエンドースメント・アドバイスを公表しました。
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、「IFRS第9号の適用の一時的免除の延期(IFRS第4号の修正)」(全15ページ)を公表しました。
暗号資産
【EFRAG】
- EFRAGが暗号資産(負債)に関するディスカッション・ペーパーを公表しました。
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ディスカッション・ペーパー「暗号資産(負債)の会計処理: 保有者及び発行者の視点」(全152ページ)を公表しました。コメント期間は、現状のパンデミックも考慮し、2021年7月31日までの約1年間としています。
表示及び開示
【DTT】
- 『IFRSのコンプライアンス、表示及び開示のチェックリスト(2020年)』が掲載されました。
当チェックリスト(Excel形式)は、2020年4月30日時点で公表済みのIFRS基準書、及び2020年5月公表の「Covid-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)に示された認識、測定、表示及び開示に関する要求事項をまとめたものです。
【トーマツ】
- 『IFRS in Focus - IASB は、「負債の流動または非流動への分類」(IAS第1号「財務諸表の表示」の修正)の発効日を延期する』の和訳が掲載されました。
当ニュースレター(全3ページ)は、IASBにより2020年7月15日に公表された「負債の流動又は非流動への分類 - 発効日の延期」(IAS第1号の修正)について説明しています。
【IASB】
- IASBがIAS第1号「財務諸表の表示」の修正の発効日を1年延期しました。
IASBは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、IAS第1号「財務諸表の表示」を修正する「負債の流動又は非流動への分類」の発効日を1年延期し、2023年1月1日以後開始する事業年度とする修正を公表しました。 - IASBが公開草案「全般的な表示及び開示」に関する第2回日本語ウェブセミナーの録画を公表しました。(IASBのウェブサイトより)
2020年6月16日にIASBが日本語で開催した、公開草案「全般的な表示及び開示」に含まれる損益計算書の小計及び区分の提案を説明する、第2回目のウェブセミナーの録画(約52分)が公表されました。 - IASBが公開草案「全般的な表示及び開示」に関する第3回日本語ウェブセミナーの録画を公表しました。(IASBのウェブサイトより)
2020年7月16日にIASBが日本語で開催した、公開草案「全般的な表示及び開示」に含まれる分解についての提案を説明する、第3回目のウェブセミナーの録画(約53分)が公表されました。
【EFRAG&IASB】
- EFRAG、欧州経営者連盟、及びIASBが共同で基本財務諸表に関する円卓会議を開催します。
EFRAG、欧州経営者連盟、及びIASBは、2020年9月1日に共同ウェブセミナーを開催し、公開草案「全般的な表示及び開示」におけるIASBの提案の適用、及びフィールド・テストの結果について議論する予定です。
会議
【IASB】
- 2020年7月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2020年7月22日・23日に開催されたビデオ会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。
・金利指標改革及び財務報告への影響-フェーズ2
【EEG】
- 2020年5月の 新興経済グループ(EEG)会議の報告書が公表されました。
2020年5月11日・12日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。
・2020年におけるIFRS適用
・IFRS第17号「保険契約」
・のれん及び減損のディスカッション・ペーパー
ワーク・プラン
【IASB】
- IASBがワーク・プランを更新しました - 変更点の分析(2020年7月の会議)
2020年7月に開催されたIASBの定例会議及び追加会議の結果を受けて、ワーク・プランが変更されました。