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ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2020年11月」(2020年12月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2020年11月」
デロイトが発信するIAS Plus(外部サイト)の情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております(※1)。
<今月のハイライト>
- IASBがIFRS第16号「リース」の修正案を公表:
IASBは、2020年11月27日に売手である借手が、セール・アンド・リースバック取引から生じるリース負債をどのように事後測定するかを明確化する公開草案「セール・アンド・リースバックにおけるリース負債」(IFRS第16号の修正案)を公表しました(コメント期限:2021年3月29日)。
- IASBがディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」を公表:
IASBは、2020年11月30日に共通支配下の企業結合の会計処理に係る実務上のばらつきの低減を目的としたディスカッション・ペーパーDP/2020/2「共通支配下の企業結合」を公表しました(コメント期限:2021年9月1日)。IASBはディスカッション・ペーパーの中で、共通支配下の企業結合がグループ外の株主に影響を与える場合には公正価値情報を提供すべきであると提案しています。
- IASBが気候関連事項へのIFRS適用に関する教育マテリアルを公表:
IFRS財団は、気候関連事項が財務諸表に重要な影響を及ぼす場合に、既存のIFRS基準がどのように企業に当該事項を考慮することを要求しているかを示す刊行物を公表しました。IFRS第7号「金融商品:開示」、IFRS第9号「金融商品」、IFRS第13号「公正価値測定」及びIFRS第17号「保険契約」を含む複数の基準に言及しています。
<今月の記事一覧>
※1 公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。なお、時制は、各記事の掲載時点のものとなります。
※2 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2020年11月」(右上のPDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
<記事本文>
金融商品
【IASB】
- IASBがIFRS第9号「金融商品」の適用後レビューをワーク・プランに正式に追加しました。
IASBは、IFRS第9号「金融商品」における分類及び測定に係る要求事項の適用後レビュー(新基準及び主要な修正を対象として、新たな要求事項が国際的に2年間適用された後に期待通り機能しているか等についてIASBが実施するレビューであり、識別された論点はIASBのアジェンダに追加するか否かの検討対象となる)を開始しました。
サステナビリティ
【DTT】
- 『目的に基づく事業報告 in Focus - 投資家の期待に見合った気候関連報告における進展』が掲載されました。
当ニュースレター(全4ページ)は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による第3回年次報告書を取り上げています。
【IASB】
- 気候関連事項へのIFRS適用に関する教育マテリアルが公表されました。
IFRS財団は、気候関連事項が財務諸表に重要な影響を及ぼす場合に、既存のIFRS要件がどのように企業に当該事項を考慮することを要求しているかを示す刊行物(全6ページ)を公表しました。
【IFRS Foundation】
- IFRS財団評議員会によるサステナビリティのコンサルテーションに関する英語ウェブセミナーの動画が公表されました。
2020年11月17日に開催された、IFRS財団評議員会のサステナビリティのコンサルテーション(世界的なサステナビリティ基準に対する需要及び当該基準の開発において当財団が果たす役割の評価を目的とするもの)に関するウェブセミナー及び質疑応答の動画(午前・午後のセッションそれぞれ約45分)が公表されました。
【IIGCC】
- 世界の投資家がパリ協定を財務報告に織り込むことを要求しています。
欧州の気候変動に関する機関投資家グループ(IIGCC)は、「パリ協定に沿った会計に対する投資家の期待」(全23ページ)を公表しました。
リース
【DTT】
- 『IFRS in Focus – IASBがセール・アンド・リースバックにおけるリース負債の測定を明確化するIFRS第16号「リース」の修正を提案』が掲載されました。
当ニュースレター(全5ページ)は、IASBが11月に公表した公開草案ED/2020/4「セール・アンド・リースバックにおけるリース負債(IFRS第16号の修正案)」について説明しています。
- デロイトがコーポレート・ラッパー(単一資産企業)におけるセール・アンド・リースバック取引に関するIFRS解釈指針委員会の暫定的なアジェンダ決定についてコメントしました。
デロイトは、2020年9月にIFRS解釈指針委員会より公表された、1つの資産を保有している子会社に対する資本持分を企業が売却して当該資産をリースバックする取引に対しての、IFRS第16号「リース」におけるセール・アンド・リースバックの要求事項の適用可能性の明確化に関する要望書についてアジェンダに追加しないとする暫定的なアジェンダ決定に対し、コメント・レター(全2ページ)を公表しました。
【IASB】
- IASBがIFRS第16号「リース」の修正案を公表しました。
IASBは、公開草案「セール・アンド・リースバックにおけるリース負債」(IFRS第16号の修正案)(全31ページ)を公表しました(コメント期限:2021年3月29日)。
のれん及び減損
【IASB】
- IASBがディスカッション・ペーパー「企業結合 - 開示、のれん及び減損」に関する第2回日本語ウェブセミナーの動画を公表しました。
2020年11月4日にIASBが日本語で開催した、ディスカッション・ペーパー「企業結合 - 開示、のれん及び減損」に関する第2回ウェブセミナーの動画(約40分)が公表されました。 - IASB及び欧州会計学会(EAA)によるのれんに関するバーチャル・アカデミック・リサーチ・セミナーの動画が公表されました。
IASB及びEAAは、2020年10月30日にIASBのディスカッション・ペーパー「企業結合 - 開示、のれん及び減損」及び関連する学術文献に関するバーチャル・リサーチ・セミナーを開催し、今回その動画(約2時間)が公表されました。
【EFRAG】
- EFRAG及びIASBによる企業結合及び事後的なのれんの会計処理に関する合同英語ウェブセミナーの要約報告書が公表されました。
2020年10月16日、EFRAGはIASBと合同で、企業結合及び事後的なのれんの会計処理について検討するアウトリーチ・イベントを開催し、今回その要約報告書(全16ページ)が公表されました。
共通支配下の企業結合
【IASB】
- IASBがディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」を公表しました。
IASBは、2020年11月30日にディスカッション・ペーパーDP/2020/2「共通支配下の企業結合」(全86ページ)を公表しました(コメント期限:2021年9月1日)。
訂正一覧
【IASB】
- IASBが訂正一覧を公表しました。
IASBは、IFRS第9号「金融商品」及びIAS第39号「金融商品:認識及び測定」の訂正一覧表(スペルミス、連番や文法上の誤りといった軽微な誤りの訂正表)を公表しました。なお、当訂正により基準書の意味やその適用が変更されることはありません。
全般
【DTT】
- 『IFRSとUSGAAPの比較に関するRoadmap:相違点の橋渡し(2020)』が掲載されました。
当ニュースレター(全78ページ)は、2021年1月1日現在のIFRSとUSGAAPとの主要な相違点のうち、実務においてよく見られるものに焦点を当てて説明しています。
会議
【IASB】
- 2020年11月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2020年11月18日・19日に開催されたビデオ会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。
<IASB単独会議>
・ ワーク・プランのアップデート
<FASBとの合同教育セッション(暫定決定なし)>
・新型コロナウイルス感染症による危機への対応
・リース(新型コロナウイルス感染症関連以外)
・のれん及び減損
・サプライチェーン・ファイナンス契約
- 2020年10月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2020年10月27日 - 29日に開催されたビデオ会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。
・動的リスク管理
・ワーク・プランのアップデート
【IFRIC】
- 2020年12月のIFRS解釈指針委員会会議の事前会議要約(DTT作成)が掲載されました。
2020年12月1日・2日に開催される当会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。
・新規論点
・最終化を予定しているアジェンダ
コンバージェンス
【ASBJ】
- 第446回企業会計基準委員会の概要(投資信託の時価の算定に関する取扱いの検討、及びリースに関する会計基準の開発を含む)が公表されました。
ASBJは、2020年11月19日に開催された第446回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。 - 第445回企業会計基準委員会の概要(IASBに対しのれん償却の再導入を提案するコメントの検討、及び投資信託の時価の算定に関する取扱いの検討を含む)が公表されました。
ASBJは、2020年11月5日に開催された第445回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
- 「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂が公表されました。
ASBJは、日本基準及び修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。 - 第444回企業会計基準委員会の概要(IASBに対しのれん償却の再導入を提案するコメントの検討、及び投資信託の時価の算定に関する取扱いの検討を含む)が公表されました。
ASBJは、2020年10月22日に開催された第444回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
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