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金融機関向けのIFRSトピックス 。海外の最新情報を含む、銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等への影響が大きいIFRS(金融商品、保険契約、リース等)の基準動向や解説記事をご紹介しています。

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「金融機関向けIFRSニュース 2024年2月」

Deloitteが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約し、金融機関等の皆様に向けて週次でニュース配信しております。以下は、配信した週次ニュースを月次単位(記事日付の属する月基準)で集約した記事一覧・概要(一部抜粋)となります。実際の詳細な週次ニュース配信のご要望等ございましたら、右上のお問合せからお問合せください。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、リンク先の<凡例(PDF))>をご参照ください。

 

<今月のハイライト>

◆サステナビリティ

■ 3つの会計士団体(IFAC・AICPA・CIMA)によるサステナビリティ情報開示と保証実務の現状に関する調査結果の公表
IFAC、AICPA、及びCIMAは、共同して、2022年のデータに基づくサステナビリティ報告と保証プラクティスに関する年次ベンチマーク研究の更新版を発表しました。調査結果によると、各法域の時価総額上位50あるいは100位までの企業を調査し、98%の企業がサステナビリティ情報を報告し、69%がその一部について保証を受けています。また、企業がさまざまな報告基準やフレームワークの使用しているため情報の一貫性と比較可能性に課題があり、世界中の企業がグローバルなサステナビリティ開示の要件をもつ制度に移行する必要性を指摘しています。

◆コンバージェンス

■ ASBJによる金融商品の減損に関する会計基準の開発についてステップ4の審議が進行
ASBJは、第519回の企業会計基準委員会で、金融資産の減損に関する会計基準の開発について、ステップ4※における複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重及び実効金利法に関連する論点についての審議を実施しました。なお、複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重に関連する論点のうち、「最も可能性が高い中心となる将来予測シナリオのみを考慮することを認めること」や「オーバーレイ調整について」等について審議の中で聞かれた意見が、第520回の審議資料で紹介されています。
※ステップ4:IFRS第9号を出発点として、適切な引当⽔準を確保した上で実務負担に配慮した会計基準を⽬指すもの

 

詳しくは、「金融機関向けIFRSニュース 2024年2月」をご覧ください。

 

<今月の配信記事一覧>

 

※1 発信元の正式名称はリンク先の<凡例(PDF)>をご参照ください。
※2 <今月のハイライト>で個別に取り上げた記事を■で、1つのテーマで紹介した複数記事を□で示しています

 

【前月までの金融機関向けIFRSニュース】

「金融機関向けIFRSニュース 2024年1月」
(2024年2月掲載)

<ハイライト>

◆コンバージェンス

  • ASBJによる金融商品の減損に関する会計基準の開発についてステップ4の審議が進行
    ASBJは第518回企業会計基準委員会で、金融資産の減損に関する会計基準の開発について、ステップ4※に予想信用損失モデルを採用する必要性及び債権単位での信用リスクの著しい増大(SICR)の判定についての審議を実施しました。予想信用損失モデルを採用する必要性については、我が国の会計基準及び資本市場への信認を確保することの重要性を勘案し、ステップ4についても予想信用損失モデルを採用する必要があり、「IFRS第9号を出発点」として基準開発を行うことが必要であると考えられるものの、予想信用損失モデルの採用に伴う現行実務への影響に関する地域金融機関における懸念については、「適切な引当水準を確保したうえで実務負担に配慮」することにより対応することが検討されています。また、債権単位でのSICRの判定については、ステップ4では債務者単位の絶対的アプローチを最大限活用することが検討されています。※ステップ4:IFRS第9号を出発点として、適切な引当⽔準を確保した上で実務負担に配慮した会計基準を⽬指すものです。

◆サステナビリティ

  • GRIとIFRS財団による共同文書「GRI基準とISSB基準を適用する際のGHG排出量の相互運用性に関する考慮事項」の公表
    グローバル・レポーティング・イニシアティプ(GRI)とIFRS財団は、「GRI基準とISSB基準を適用する際の温室効果ガス(GHG)排出量の相互運用性に関する考慮事項」と題する分析及びマッピング文書を共同で公表しました。本文書は、企業がスコープ1、スコープ2、及びスコープ3のGHG排出量を両方の基準に従って測定及び開示する際に考慮すべき、「GRI 305:排出量2016」とIFRS S2号「気候関連開示」の相互運用性の領域を示しています。
  • GRIスタンダード「GRI 101:生物多様性2024」の公表
    GRIは、「GRI 304:生物多様性2016」に代わる新基準、「GRI 101:生物多様性2024」を公表しました。本基準は、企業が生物多様性に与える最も重要な影響の開示を支援することを目的としており、本改訂によって、サプライチェーン全体の透明性、地域特有の影響の報告、生物多様性を損なう直接的な要因の新たな開示、及び社会への影響に関する報告の要求事項が提供されます。改訂された本基準は、グローバルにおける最も重要な生物多様性の基準を基に構成されており、2026年1月1日から発効します。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年12月」
(2024年1月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • IFRS財団によるIFRS S2号「気候関連開示」に関する教育的資料の公表
    IFRS財団は、企業がIFRS S2号「気候関連開示」を適用する際、気候関連のリスクと機会の自然及び社会的側面の考慮に役立てることを目的に利用可能な教育的資料を公表しました。基準の要求事項ではないものの、企業のIFRS S2号の適用に役立つ3つの例示が含まれています。
  • ISSBによるSASBスタンダードの的を絞った修正の公表
    ISSBは、SASBスタンダードの国際的な適用可能性を向上させるためのSASBスタンダードの修正を公表しました。本修正は、SASBスタンダードの国際的な適用可能性を向上させ、作成者が用いる一般に認められた会計原則(GAAP)に依存しないものにすることを目的とし、業界、トピック、または指標を大幅に変更することなく、SASBスタンダードの法域固有の参照や定義が削除され、置き換えられています。本修正は、ISSBがSASBスタンダードを引き継いだ際、基準の構造や意図を大幅に変更することなく修正する方法論について協議していたものです。

◆コンバージェンス

  • ASBJによる金融商品の減損に関する会計基準の開発についてステップ4の審議が進行
    ASBJは第517回企業会計基準委員会で、金融資産の減損に関する会計基準の開発について、ステップ2※からステップ4※の審議に移行しました。ステップ4を採用することが見込まれる金融機関の代表者(一般社団法人全国地方銀行協会/一般社団法人第二地方銀行協会)より、信用リスクの管理手法との整合性や実務上の負担等に対する見解等が説明され、審議が進んでいます。なお、主な論点としては以下の3つが取り上げられています。
    (1)債権単位での信用リスクの著しい増大(SICR)の判定
    (2)複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重
    (3)実効金利法に関連する論点(含む、金融商品の測定に関する論点)
    ※ステップ2:国際的な比較可能性を確保することを重視し、国際的な会計基準と遜色がないと認められる会計基準、すなわち、IFRS第9号「金融商品」を適用した場合と同じ実務及び結果となると認められる会計基準を目指す
    ※ステップ4:IFRS第9号を出発点として、適切な引当⽔準を確保したうえで実務負担に配慮した会計基準を⽬指す

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年11月」
(2023年12月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • IASBによる公開草案「資本の特徴を有する金融商品」(IAS第32号「金融商品:表示」、IFRS第7号「金融商品:開示」及びIAS第1号「財務諸表の表示」の修正案)の公表
    IASBから公開草案IASB/ED/2023/5「資本の特徴を有する金融商品」(IAS第32号「金融商品:表示」、IFRS第7号「金融商品:開示」及びIAS第1号「財務諸表の表示」の修正案)が公表され、IAS第32号の適用に際し、IAS第32号の基礎となっている資本と負債の分類の原則の明確化、当該商品の複雑性についての追加の情報開示を要求すること、普通株式に帰属する金額(純損益及び包括利益合計を含む)について(資本性金融商品のその他の保有者に帰属する金額と区分して)新たな表示の要求事項を公表すること、等を提案しています。本修正案は、IASBの資本の特徴を有する金融商品(FICE)プロジェクトで検討され、公開草案に対して、2024年3月29日までコメント募集されます。
  • 欧州銀行監督機構(EBA)よりEUの金融機関を対象としたIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動による知見をまとめた2回目のレポートの公表
    EBAから公表された2回目のレポートは、2021年11月に公表されたIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング・レポートで報告された所見を補完するもので、デフォルト率の高いポートフォリオに焦点を当て、EBAによって特定された主要な分野の懸念を明瞭に説明することにより、EUの金融機関の予想信用損失(ECL)モデルの実務慣行のさらなる改善を促進することを目的としています。レポートは3つのセクションとして、Part1(背景及び目的)、Part2(主要な発見事項と考察)およびPart3(バック・テスティングの実務)で構成されています。Part2(主要な発見事項と考察)では、ステージ判定、モデルとオーバーレイ、PD推計や将来予測等に関して、EBAが識別した課題や懸念が示されています。この中では、重要と考えられているものの、ECLモデルに気候変動とサステナビリティに関連するリスクを考慮している金融機関が非常に少ない点にも触れられています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年10月」
(2023年11月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • TNFDによる自然関連リスク管理と開示への最終提言を解説するニュースレターの掲載
    デロイトによるTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)の自然関連リスク管理と開示への最終提言を解説するニュースレターが掲載されました。同最終提言では、企業が自然関連の影響、依存関係、リスクと機会を測定、管理、開示を開始する支援を目的としており、TCFDで用いられた4つの柱(ガバナンス・戦略・リスクと影響の管理・指標と目標)で構成され、それぞれの柱の中で4つの概念的ビルディング・ブロック(自然関連の依存・影響・リスク・機会)に基づく推奨される開示一式を含んでいます。なお、TNFDに関しての意見募集は、バリューチェーンへの提案されたアプローチ(コメント期限:2023年11月30日)及びセクター開示指標(コメント期限:2024年2月29日)を対象に実施されております。

◆会議

  • 基本財務諸表に関する新基準IFRS第18号「「財務諸表における表示及び開示」の整理論点が審議
    2023年10月25日から26日に開催されたIASB会議では、基本財務諸表プロジェクトを踏まえた新たなIFRS会計基準(原題 IFRS 18 Presentation and Disclosure in Financial Statements、ASBJ仮訳IFRS 第 18 号「財務諸表における表示及び開示」)を文案作成する上での論点についての議論がされました。同会議では、財政状態計算書における流動・非流動の順序の明確化や、適用開始期間の直前の事業年度よりも前の期間についてIFRS 第18号の遡及適用を免除する経過措置を設けない等の暫定決定がされました。IFRS第18号に関する議論は、今後の会議でも検討される予定です。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年9月」
(2023年10月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品
  • JICPAによるIASB情報要請『IFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー―減損』に対するコメントの提出
    国際会計基準審議会(IASB)からの情報要請『IFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー―減損』について、日本公認会計士協会(JICPA)は2023年9月22日付けでコメントを提出しました。JICPAは、予想信用損失モデルの適用に伴い、新たな複雑性が一定程度認められるとともに、特定の取引や事象について、予想信用損失の測定や信用リスクの開示につき実務の多様性や適用の困難性が生じており、要求事項の明確化や関連するガイダンスの提供が必要と考える点に言及しています。なお、ASBJ及びデロイトからも別途コメントが提出されております。各コメントの内容につきましては、記事概要欄のリンク先をご参照下さい。
◆サステナビリティ
  • 欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の最終化を解説するニュースレターの掲載
    デロイトによる欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の最終化を解説するニュースレターが掲載されました。欧州委員会(EC)は、2023年7月31日に、委任規則によってESRS 1stセットを正式に採択し、欧州議会及び欧州理事会に提出しました。同委任法には、2つの横断的基準、及び環境・社会・ガバナンスについての10個のトピック別基準が含まれます。ESRSに準拠した必須開示について、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)は企業グループのタイプに応じて異なる適用日を定め、最初のグループについて2024年1月1日以降に開始する会計年度からの適用が要求されます。
  • ISSBによるIFRS S1号及びS2号の移行支援グループ(Transition Implementaiton Group)の設立
    ISSBは、IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」及びS2号「気候関連開示」に関して、各企業での適用を支援するために「移行支援グループ(Transition Implementation Group:TIG)」を設立しました。TIGでは、ステークホルダーからの質問を募集、分析、議論することや、当該質問をISSBに情報共有し、また、ステークホルダーが当該質問に関する議論を理解するための公開フォーラムを提供することが目的とされています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年8月」
(2023年9月掲載)

<ハイライト>

◆コンバージェンス

  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発において、ステップ2を採用する金融機関の開示の審議
    2023年8月24日に開催された第508回企業会計基準委員会において、金融資産の減損に関する会計基準の開発についてステップ2を採用する金融機関における開示が審議され、金融商品の区分別等の信用リスク・エクスポージャーの開示の取扱い、及び財務諸表以外の開示への参照の取扱いが審議されました。なお、信用リスクに関する注記事項の基準体系及び開示目的の取扱い、並びにステップ2を採用する金融機関における金融商品のクラス別の期首残高から期末残高への調整表の開示も含められています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年7月」
(2023年8月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • JICPAによるIASB公開草案「金融商品の分類及び測定の修正(IFRS第9号及びIFRS第7号の修正案)」に対するコメントの提出
    2023年3月21日にIASBから公開草案「金融商品の分類及び測定の修正(IFRS第9号及びIFRS第7号の修正案)」が公表され意見が求められていましたが、JICPAの会計制度委員会は当該公開草案に対するコメントを取りまとめ、2023年7月14日付けで提出しました。JICPAのコメントでは、公開草案の趣旨に同意するものの、複数の論点について実務上の懸念や公開草案の再考について述べられています。

◆サステナビリティ

  • IASBによるIFRS適用時における気候関連事項の教育的資料の公表
    IASBは、気候関連事項について、IFRS適用時の留意事項として教育的資料を更新し、公表しました。IFRS適用時に気候関連事項の影響が財務諸表へ重要な影響を及ぼす場合、企業に対して気候関連事項の検討時における具体的な要求事項をリスト形式(非網羅的)にしたもので、初版は2020年11月に公表されています。
  • IFRS財団がIFRS第2号「気候関連開示」の要求事項とTCFD提言の比較結果を公表
    IFRS財団は、IFRS S2号「気候関連開示」が公表されたことから、基準の要求事項とTCFD提言の比較結果を公表しました。IFRS S2号の要求事項は、TCFDが公表する4つの提言及び11の推奨開示事項と整合しており、ISSB基準に加えてTCFD提言を適用する必要はないことが示されています。一方で、IFRS S2号には、TCFD提言に含まれない追加的な要求事項(業種別の指標の開示等)があることに留意が必要です。

◆その他

  • ASBJがIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューに関する情報要請の日本語訳を公表
    IASBより2023年6月29日に公表されたIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューに関する情報要請(RFI)の日本語訳がASBJウェブサイトに掲載されました。なお、RFIは2023年10月27日までコメントを受け付けています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年6月」
(2023年7月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • ISSBがIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」・S2号「気候関連開示」を公表
    ISSBは、2023年6月26日に、IFRSサステナビリティ開示基準のS1号・S2号を公表しました。IFRS S1号は、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する開示のために、全般的要求事項を定め、IFRS S2号「気候関連開示」は、気候関連のリスク及び機会に関する情報を識別し、測定し、開示するための要求事項を定めています。IFRS S1号・S2号はともに、2024年1月1日以後開始する事業年度に発効します。ISSB議長は、公表基準が「より強靭な経済を構築するための新しい共通言語になる」とIFRS財団カンファレンスで言及しています。

◆その他

  • IASBがIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューに関する情報要請を公表
    IASBは、2023年6月29日に、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューに関する情報要請(RFI)を公表しました。RFIでは、IFRS第15号の要求事項が財務諸表利用者にとって有用な情報を提供しているかどうか、適用が困難で基準の一貫した導入を妨げる可能性のある要求事項が存在するかどうか、基準の適用や施行に関連して予期せぬコストが発生していないかどうか等を確認するため、IFRS第15号に関する全般的事項や個別論点について、コメントを求めています。RFIに対するコメントは、2023年10月27日まで募集しています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年5月」
(2023年6月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • IASBがIFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー―減損の情報要請を公表
    IASBは、2023年5月30日に、IFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー減損の情報要請(全34ページ)を公表し(コメント期限2023年9月27日)、IFRS第9号の減損に関する要求事項が有用な情報を提供しているかどうかについて利害関係者に意見を求めています。情報要請は複数項目が設定され、①IFRS第9号の減損に関する要求事項が、IAS第39号「金融商品:認識及び測定」と比較して、より適時に信用損失を認識する結果をもたらしているか、②信用リスクの著しい増大の評価に著しい欠陥があるか等について意見募集されています。

◆サステナビリティ

  • ISSBの情報要請(Request for Information)「アジェンダの優先度に関する協議」の和訳が公表
    SSBJは、ISSBから2023年5月4日に公表された情報要請「アジェンダの優先度に関する協議」の和訳を公表しました。情報要請の中では、気候以外のサステナビリティのトピックに対する投資者の情報ニーズを企業が満たすことを確保するとして、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する3つのリサーチ・プロジェクト(①生物多様性、生態系及び生態系サービス、②人的資本、③人権)と、財務報告における情報を統合する方法の探求のための報告における統合プロジェクトを対象とするリサーチ・プロジェクトの案についてのコメントを募集しています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年4月」
(2023年5月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • 『iGAAP in Focus - Finacial Reporting 「不確実な時代に関する報告書:銀行セクターにおける最近の出来事の影響」』が公表提案
    デロイトから、銀行セクターに関連する最近の事象の影響を踏まえた財務報告の検討事項を示すニュースレターが発行されました。金融機関に最も関連性がある予想信用損失や無形資産の減損に関連するトピックのほか、リスク管理、ヘッジ戦略、流動性の開示などを含むIFRS第7号「金融商品:開示」で要求される流動性リスクに関する情報等のポイントを取り上げています。
  • 「金融商品の分類及び測定の修正 - IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第7号「金融商品:開示」の修正案」の和訳の掲載
    ASBJは、国際会計基準審議会(以下「IASB」)が2023年3月21日に公表した公開草案「金融商品の分類及び測定の修正 - IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第7号「金融商品:開示」の修正案」(コメント期限2023年7月19日)の和訳を掲載しました。公開草案の修正案では、IASBが識別した基準の拡充又は明確化を求める具体的な領域を反映し、「環境、社会及びコーポレート・ガバナンス(ESG)事項並びに類似の要素を含んだ金融資産の分類の明確化」が含まれています。

◆保険契約

  • デロイトによる 『A Closer Look - IFRS第17号「保険契約」を適用する非保険会社』の発行
    デロイトから、非保険会社が発行する契約がIFRS第17号「保険契約」の適用範囲内にあるか否かを評価する際に考慮すべき事項についてのガイダンスが提供されました。IFRS第17号では発行された契約がIFRS第17号を適用する保険契約であるか否かを評価するにあたり、当該契約の法的形式よりも経済的実態に焦点が当てられています。当ニュースレターでは、非保険会社においてIFRS第17号を適用する際の留意点についても理解することができます。

◆コンバージェンス

  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発についてステップ2及びステップ3の振り返り
    2023年4月11日に開催された第499回企業会計基準委員会において、金融資産の減損に関する会計基準の開発についてステップ2及びステップ3の振り返りが実施されました。ステップ2及びステップ3における各論点に関するASBJ事務局の提案及び聞かれた意見が整理され、貸倒引当金に関する論点の他、実効金利法による償却原価に関する論点についても整理されています。また、今後の審議の進め方についても提案が実施されています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年3月」
(2023年4月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • 金融商品の分類及び測定に関する修正を提案
    IASBは、IFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビューで識別された問題に対処するため、公開草案「金融商品の分類及び測定の修正(IFRS第9号及びIFRS第7号「金融商品:開示」の修正案)」を公表し、2023年7月19日まで意見募集をしています。変更案では、所定の要件が満たされる場合には、企業が決済日に現金を引き渡す前に、電子送金を通じて決済される金融負債の認識の中止を認めることや、金融資産の分類として契約上のキャッシュ・フローが基本的な融資の取決めと整合的な契約条件であるかについて、どのように企業が評価できるかに関する指針を含みます。

◆サステナビリティ

  • 財務諸表における気候関連リスクを検討するプロジェクトの開始
    IASBは、企業が財務諸表に気候関連リスクに関するより良い情報を提供する方法を模索することを目的とした新しいプロジェクトを開始しました。今月のIASB会議において初めて議論され、審議の結果、本プロジェクトにおける提案がIFRSサステナビリティ開示基準(2023年第2四半期までに公表予定)に対して適切に機能することを確認するために、IASBはISSBの作業を検討することになりました。また、2020年に公表された教育マテリアルが、企業が財務諸表に気候関連リスクの影響を反映するのにどれだけ役立っているかを判断するためのリサーチを実施することも議論されました。なお、今後は暫定的なプロジェクト計画について議論する予定です。

 

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年2月」
(2023年3月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • IFRSサステナビリティ開示基準の公表時期と基準の発効日を決定
    2月16日のISSB会議での最終決定により、基準公表について2023年第2四半期(6月)末が予定され、発効日として2024年1月1日以後開始する年次報告期間からと定めることが公表されました。また、IFRSサステナビリティ開示基準の中では、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)等について、関連性のあるIFRSサステナビリティ開示基準が存在しない場合にのみ、開示書類の作成者による使用が容認されることも示されています。
  • 現在開発中のサステナビリティ開示基準の今後の計画を初めて公表
    SSBJは、2月2日に「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」を作成し、初めて公表しました。SSBJの1月の会議における決定では、ISSBのS1基準及びS2基準に相当する基準の開発を審議テーマとしていますが、ISSBの確定基準が公表されるまでの間に可能な範囲で検討を進めておくことや、国内外の関係者の予見可能性を高めるために基準の開発状況について明示することが示されています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2023年1月」
(2023年2月掲載)

<ハイライト>

◆保険契約

  • デロイトによる『IFRS第17号を適用する保険会社のための開示例』の発行
    IFRS第17号が2023年1月1日に開始する事業年度より適用されている中、保険会社だけでなく投資家もその開示内容に注目しています。当公表物ではIFRS第17号の表示及び開示例を示しており、財務諸表作成者が開示要求を充足することを支援すると共に、投資家、監査人及び規制当局が財務諸表作成者に対して何を期待しているのかについてヒントを与えるものとなっています。

◆のれん及び減損

  • IASBによる『In Brief ― 企業結合-開示、のれん及び減損』の公表
    IASBが公表した「In Brief」では、IASBの①企業結合-開示、②のれん及び減損プロジェクトにおける2つの主要な審議会の決定事項(企業による合併及び買収(企業結合)についてのより良い情報開示のあり方、並びに、のれんの減損テストのみのモデルを維持し、のれんの償却モデルの再導入を見送る)の解説がIASB鈴木理事により日本語で説明されています。IASBの2022年12月会議において、これら2つのトピックに対する決定を行い、本プロジェクトをIASBの基準設定の作業計画に移行することも決定していることから、「In Brief」では、プロジェクトのアップデートについて、決定の内容、理由及びIASBが関連する提案に対する公開草案を公表する前に行う予定の追加作業について説明しています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年12月」
(2023年1月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • IASBが、金融商品に関する分類及び測定の適用後レビューを締めくくる報告書を公表
    IASBは、2022年12月21日に、IFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の要求事項の適用後レビュー(Post-implementation Review:PIR)に関するプロジェクト報告書及びフィードバック・ステートメントを公表しました。IFRS第9号の要求事項は、全般的に、財務諸表の利用者に対して有用な情報を提供するとしながらも、さらにリサーチが必要な2つの論点として、①ESGに連動した要素を伴う金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性についての企業の評価、②金融資産又は負債の決済としての電子送金を識別しました。なお、当該PIRの結果(又は結論)を受けて2023年3月までに公開草案を公表する見込みです。

◆会議

  • IASBが、のれんの会計処理について減損のみのアプローチを維持し、のれんの償却を再導入しないことを暫定決定 
    2022年11月会議において、IASBは、のれんの減損のみのモデルを維持することを暫定的に決定しました。IASBは、減損のみのモデルと償却モデルのいずれが概念的に優れているかは議論せず、企業の提供する情報の改善とコストの削減という点から、のれんの償却を再導入するのに十分な根拠があるかを検討し、のれんの償却を再導入しないことを暫定決定しました。なお、減損テストの簡素化については今後の検討とし、また今後は残っている論点を検討しつつ、「リサーチ・プロジェクト」から「基準設定プロジェクト」に移管し、公開草案を作成するかを審議する予定です。ASBJの関連リンクはこちら

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年11月」
(2022年12月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 - 2022年第3四半期決算のアップデート』の掲載
    デロイト英国事務所は、2022年第3四半期決算における英国の銀行の損失評価引当金の動向及び今後の見通しについての考察記事を掲載しました。当記事では、2022年第3四半期の経済見通しの悪化と、英国政府が2022年9月23日に発表した「小型補正予算」の影響を分析しており、労働市場や自動車価格は引き続き堅調である一方、住宅市場の減速やインフレ、金利上昇、金利変動の激化等があったことを反映し、信用ファンダメンタルズの見通しが悪化していると述べています。さらに、銀行がこれらの状況を予想信用損失(Expected Credit Losses:ECL)に織り込むためにシナリオやモデルについてさまざまなアプローチを採用した結果、ECL残高、ECLカバレッジ(ECL/資産)、ステージ2・3資産残高及びリスクコストが変化していることに言及しています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年10月」
(2022年11月掲載)

<ハイライト>

◆コンバージェンス

  • ASBJによる金融資産の減損に関する会計基準の開発ステップ2の総括
    ASBJはステップ2(国際的な会計基準と遜色がないと認められる会計基準、すなわち、IFRS第9号「金融商品」を適用した場合と同じ実務及び結果となると認められる会計基準を目指す)について、取り上げた10の論点についてそれぞれ1回審議を行ったことから、第488回企業会計基準委員会ではこれまでの審議を振り返り、①特段の異論が聞かれなかった論点、②追加的な検討が必要との意見が聞かれた論点、③規範性の無い教育文書等を提供することに関する意見が聞かれた論点、④実効金利法による償却原価に関連する定めの取扱いと相互に関連しているため、引き続き検討することを提案した論点と整理した上で、対応案について今後検討を行う旨の提案が行われました。

◆金融商品

  • IASBのテクニカル・スタッフが制作した動的リスク管理(DRM)に関するウェブキャストの公開

◆会議

  •  IFRSサステナビリティ開示基準の公開草案に対するISSB会議での暫定決定
    2022年10月のISSB会議で、アジェンダ協議として、公開草案IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」(S1基準案)、IFRS S2号「気候関連開示」(S2基準案)の適用を支援する基盤となる作業、新たな領域の作業についての2023年上半期実施の情報要請の実施が暫定決定されました。また、S1基準案・S2基準案に関する事項や温室効果ガス排出量(Scope 1、2、3)に関する開示の要求事項、EU及び米国の各法域における開示基準の規則案との相互運用可能性(interoperability)を改善するために公開草案の記載変更を実施する等の暫定決定事項がありました。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年9月」
(2022年10月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 — 2022年第2四半期決算のアップデート』の掲載

◆リース

  • IASBがセール・アンド・リースバック取引についての要求事項の修正を公表したことを受け、デロイトは『iGAAP in Focus ─ IASBは、セール・アンド・リースバック取引のリース負債における事後測定要件を追加するIFRS第16号の修正を提案する』を掲載し、修正内容を解説しています。今回の修正では、売手である借手に対し、リースバック取引から生じるリース負債をその保持している使用権に関連する利得又は損失の金額を認識しない方法で事後測定することを要求しています。新しい要求事項は、売手である借手が、リースの部分的又は完全な終了に関連するいかなる利得又は損失も純損益に認識することを妨げないとしています。なお、この修正は、2024年1月1日以後開始する事業年度に適用され、早期適用は認められます。

◆会議

  • IFRSサステナビリティ開示基準の公開草案に対するコメントを踏まえた議論が開始

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年8月」
(2022年9月掲載)

<ハイライト>

◆全般

  • IASBの第3次アジェンダ協議が完了し、財務諸表における気候関連リスクが作業計画に追加

◆コンバージェンス

  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発について、ASBJ事務局から教育文書を示すことが提案

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年7月」
(2022年8月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • 今月は複数の動きがありました。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が公表した公開草案IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」及び、公開草案IFRS S2号「気候関連開示」(いずれもコメント期限2022年7月29日)について、デロイトがコメント・レターを公表しました。また、金融安定理事会(Financial Stability Board)は、「気候変動に伴う金融リスクに対処するためのFSBロードマップ:2022年進捗報告書」を公表し、気候関連リスクについて、注目すべき分野や最新のスケジュールなどに言及しています。

◆会議

  • 国際サステナビリティ基準審議会による初の審議会(ISSB会議)が開催

 

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年6月」
(2022年7月掲載)

<ハイライト>

◆会議

  • 保険契約についてのIFRS解釈指針委員会(IFRS IC)の審議会の検討を求めるアジェンダ決定・委員会の暫定的なアジェンダ決定

◆コンバージェンス

  • 金融資産の減損に関する会計基準の開発について、ステップ2の複数論点でIFRSの要求事項をそのまま取り入れる方針をASBJ事務局が提案

 

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年5月」
(2022年6月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 — 2022年第1四半期決算のアップデート』の掲載

◆サステナビリティ

  • デロイトによる欧州サステナビリティ報告基準の公開草案の概説や主要な開示要件の比較を掲載
  • ASBJによるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の日本語仮訳、日本語の解説動画及び資料の公表

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年4月」
(2022年5月掲載)

<ハイライト>

◆コンバージェンス

  • ASBJがIFRS基準のECLモデルを基礎に会計基準の開発を進める方針決定

◆サステナビリティ

  • デロイトがISSBの公開草案IFRSサステナビリティ開示基準の解説を掲載

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年3月」
(2022年4月掲載)

<ハイライト>

◆全般

  • ロシア・ウクライナ戦争に関する財務報告上の考慮すべき重要な影響についての解説

◆サステナビリティ

  • 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)によるサステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項及び気候関連開示に関する公開草案の公表

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年2月」
(2022年3月掲載)

<ハイライト>

◆コンバージェンス

  • ASBJによるコロナ禍におけるECLとCECLの適用の影響に関する分析資料の公表

 

「金融機関向けIFRSニュース 2022年1月」
(2022年2月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • IASBの情報要請「適用後レビューIFRS第9号『金融商品』分類及び測定」に対するデロイト及びASBJのコメント

◆表示及び開示

  • IASBの公開草案「IFRS基準における開示要求 – 試験的アプローチ(IFRS第13号「公正価値測定」及びIAS第19号「従業員給付」の修正案)」に対するデロイト及びASBJのコメント

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年12月」
(2022年1月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • ESMAが欧州域内銀行の予想信用損失に関連するレポートを公表

◆保険契約

  • IASBが「IFRS第17号とIFRS第9号の適用開始-比較情報」(IFRS第17号の修正)を公表

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年11月」
(2021年12月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • 欧州銀行監督機構(EBA)がIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動から得られた知見をまとめたレポートを公表

◆サステナビリティ

  • IFRS財団が新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表
    IFRS財団は、国際会計基準審議会(IASB)とは別に、投資者の情報ニーズを満たす高品質なサステナビリティ開示基準の包括的な国際基準を策定する新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を創設し、ISSBが開発する基準が「IFRSサステナビリティ開示基準」とされることが発表されました。併せて、技術的準備ワーキンググループ(Technical Readiness Working Group:TRWG)によって提案された「サステナビリティ関連の財務情報開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ」及び「気候関連開示に関するプロトタイプ」が公表されました。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年10月」
(2021年11月掲載)

<ハイライト>

◆サステナビリティ

  • 今月は複数の動きがありました。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)からステータスレポートが公表され、TCFD提言に対する実務上の開示状況を理解することができます。また、デロイトがまとめた最近のサステナビリティに関連した国際的な動向の中で、日本の財務会計基準機構(FASF)が定款変更を行い、IFRS財団のカウンターパートとして準備を進めている点も紹介されています。

◆コンバージェンス

  • ASBJによる「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」の審議開始
    ASBJは、2021年10月の第468回企業会計基準委員会において、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」を審議しました。昨年の実務対応報告第40号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」公表から1年後に再度確認することとしていた金利指標置換後の取扱いについて、実務対応報告第40号公表後に生じた事象等も踏まえた論点整理がなされています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年9月」
(2021年10月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • IASBによるIFRS第9号「金融商品 ─ 分類及び測定」の適用後レビューに関する情報要請の公表

◆コンバージェンス

  • ASBJによる「予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損の検討の進め方」の審議
    ASBJは、2021年9月の第465回及び第466回企業会計基準委員会において、金融資産の減損に関する会計基準の開発に関する検討のステップ1(ECL(IFRS)とCECL(米国会計基準)のどちらのモデルを開発の基礎とするかの選択)の前段階として、金融資産の減損に関するECLモデル(IFRS)及びCECLモデル(米国会計基準)の基本的な考え方及び当初適用による影響の比較、ECLモデルにおける信用リスクの著しい増大の評価に関して議論しています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年8月」
(2021年9月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 ─ 戻入は続く』の掲載

◆コンバージェンス

  • 今月は、ASBJによる「予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損の検討の進め方」の審議がありました。2021年8月の第463回企業会計基準委員会において、予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損の検討の進め方に関する審議を行いました。検討の進め方の提案として、「信用リスクに関するデータの整備がなされている金融機関」、「信用リスクに関するデータの整備がなされていない金融機関」の検討ステップが明記されるなど、基準を適用する企業の実情に応じた基準の開発が計画されています。第464回企業会計基準委員会においては、日本基準・IFRS・米国会計基準の比較や、進め方についての意見を踏まえ、審議が継続されています。

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年7月」
(2021年8月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 - 2021年末に向けて検討すべき7つの領域』の掲載

◆保険契約

  • IASBがIFRS第17号「保険契約」の狭い範囲の修正を提案
  • 会計規制委員会(ARC)がIFRS第17号「保険契約」をEUにおいて採用することを可決
  • GPPCが「IFRS第17号「保険契約」の適用に伴う見積りから生じる重要な虚偽表示リスクに対する監査人の対応」を公表

◆表示及び開示

  • IASBは公開草案「IFRS基準における開示要求 – 試験的アプローチ」に対する意見募集期間を2022年1月12日まで延長することを決定

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年6月」
(2021年7月掲載)

<ハイライト>

◆金融商品保険契約

  • IASBがIFRS第17号「保険契約」の狭い範囲の修正を提案することを決定

◆サステナビリティ

  • 今月も欧州を中心に活発な動きがありました。G7はIFRS財団評議員会のサステナビリティに係る構想を支持し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は2017年に発効した最終的な提言の更新に係るコンサルテーションを公表、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)はEUサステナビリティ報告基準(EU sustainability reporting standards:ESRS)に関してコンサルテーション・ペーパーを公開しています。また、自然関連財務情報タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)が始動しておりデロイトのフィナンシャルサービスブログで概要を説明しています。

◆コンバージェンス

  • ASBJが「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」に金利指標改革を追加

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年5月」
(2021年6月掲載)

<ハイライト>

◆金利指標改革

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 - 2021年第1四半期決算のアップデート:終焉の幕開け?』(損失評価引当金の動向及び今後の見通し)の掲載
  • バーゼル銀行監督委員会による『貸倒引当金の景気循環増幅効果(procyclicality)に関する文献レビュー』の公表

◆サステナビリティ

  • 今月も欧州を中心に活発な動きがありました。国際評価基準委員会(IVSC)が「ESG価値創造を評価するためのフレームワーク」を公表し、国際会計士連盟(IFAC)はサステナビリティ関連情報を報告するためのビルディング・ブロック・アプローチを提示しています。また、デロイト英国事務所からはサプライチェーンにおける新たなリスクに対応するために銀行が果たし得る役割について概説した記事が発行されています。様々な団体からIFRS財団による国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の設立が支持されており(今月は証券監督者国際機構(IOSCO)が支持)、今後もIFRS財団の動きが注目されます。

◆保険契約

  • IASBがIFRS第17号「保険契約」の考え得る狭い範囲の修正を支持

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年4月」
(2021年5月掲載)

<ハイライト>

◆金利指標改革

  • デロイトによる『LIBORの移行 - フォールバック条項の運用』の掲載
  • デロイトによる『金利指標改革:データ及びアナリティクス』の掲載

◆サステナビリティ

  • バーゼル銀行監督委員会(BCBS)による気候関連の金融リスクに関する分析報告書の公表等

◆暗号資産

  • EFRAGによる暗号資産(負債)に関する調査の開始

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年3月」
(2021年4月掲載)

<ハイライト>

◆新型コロナウイルス感染症

  • IASBによるCOVID-19に関連する賃料減免に関する実務上の救済措置の延長

◆金利指標改革

  • ICEベンチマーク・アドミニストレーション(IBA)によるLIBORの公表停止に係る市中協議に関するフィードバック・ステートメントの公表
  • デロイトによる『IFRSに基づくモデル財務諸表(2020年) - 付録2 - 金利指標改革フェーズ1及びフェーズ2を適用した際の金融商品の開示』の掲載
  • デロイトによる『LIBORの移行 - 2021年における銀行の主なコンダクトリスクに係る検討事項』及び『LIBORの移行 – 投資顧問会社の重要な検討事項』の掲載

◆金融商品

  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 - 10のチャートでみる2020年12月期決算』の掲載

◆サステナビリティ

  • デロイトによる『銀行のESGに係るリスク開示 – 透明性への道』の掲載
    IFRS財団評議員会によるサステナビリティ・ワーキング・グループの設置

◆表示及び開示

  • IASBによる財務諸表注記におけるコミュニケーションを改善するための道を開く新しいアプローチの提案(IFRS第13号「公正価値測定」の開示要求の修正案を含む)

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年2月」
(2021年3月掲載)

<ハイライト>

  • IASBによる新型コロナウイルス感染症に関連した賃料減免に関する救済措置の期間延長に係る公開草案の公表
  • デロイトによる『IFRS第9号「金融商品」 - 英国の銀行に宛てた健全性監督機構(PRA)の開示に関する最新書簡』の掲載
  • デロイトによる『気候変動について銀行の取締役会が行うべき質問』の掲載

 

「金融機関向けIFRSニュース 2021年1月」
(2021年2月掲載)

<ハイライト>

  • 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)による保険会社向けの気候変動に係るリスクの識別及び開示に関する初のガイダンスの公表
  • ディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の和訳の公表

 

【トピック別情報】

暗号資産

EFRAGディスカッション・ぺーパー 「暗号資産(負債)の会計処理」の要約(2020年7月)

EFRAGは、2020年7月に、暗号資産(負債)の会計処理に関するディスカッション・ペーパーを公表し、2021年7月31日を期限としてコメント募集をしました。
。本ペーパーでは、暗号資産(負債)の会計処理に関する論点の理解に資するよう、DP中に記載の課題や質問項目を軸に質問の前提となる事項と質問事項をまとめています。

詳しくは、PDFをご覧ください。

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「EFRAGディスカッション・ぺーパー」(PDF)
IFRS解釈指針委員会「暗号通貨の保有」の要約(2019年6月)

IFRS解釈指針委員会は、2019年6月の会議で、暗号通貨の保有について議論し、基準設定アジェンダに追加しないことを決定しました。
。本ペーパーでは、当該アジェンダ決定の内容をまとめています

詳しくは、PDFをご覧ください。

 

【トピック別情報】のアーカイブはこちら

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「IFRS解釈指針委員会」(PDF)

 

【出版物】

金融機関の引当金計上に対する考え方

金融財政事情 2020年9月7日号

  • コロナ禍が深まった2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症に対応した貸倒引当金の設定とともにフォワードルッキングな貸倒引当金の見積りを導入する機運が高まっています。こうした金融機関を取り巻く環境を踏まえ、フォワードルッキングな貸倒引当金の見積り及び新型コロナウイルス感染症に対応した貸倒引当金の見積りについて考察します。

フォワードルッキングな貸倒引当金の具体的な考え方

金融財政事情 2020年9月7日号

  • 金融機関を取り巻く外的・内的要因の変化を踏まえ、今後の自己査定から償却・引当に至る信用リスク評価におけるフォワードルッキングな要素の取り込み方について考察します。

IFRS金融商品の減損―償却・引当の基本的な考え方から実務対応まで

  • 本書は国際財務報告基準(IFRS)第9号金融商品の減損についてその基本的な考え方から実務上の諸論点をくまなく学べる一冊になっています。

 

最新IFRS保険契約―理論と仕組みを徹底分析

  • 本書は、IFRS第17号の適用に取り組む実務家を対象に、IFRS第17号の理解を深めることを目的として、各条文の内容について詳細に解説しています。
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