「金融機関向けIFRSニュース 2021年1月」(2021年2月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2021年1月」(2021年2月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2021年1月」
デロイトが発信するIAS Plus(外部サイト)の情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております(※1)。
<今月のハイライト>
- 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)による保険会社向けの気候変動に係るリスクの識別及び開示に関する初のガイダンスの公表:
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)によって招集された大手保険会社及び再保険会社の計22社からなるグループは、気候変動が保険業界の事業に及ぼす影響を識別し、開示するための初の包括的なガイダンス(全107ページ)を公表しました。同グループは、保険会社が将来予測的なシナリオに基づく方法で気候変動関連リスク及び機会の識別、評価及び開示を行う際に利用可能なアプローチの開発に貢献することを目的としています。
- ディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の和訳の公表:
ASBJは、IASBにより2020年11月30日に公表されたディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の和訳(全98ページ)を公表しました。当ディスカッション・ペーパーは、共通支配下の企業結合の会計処理に係る実務上のばらつきの低減を目的としており、共通支配下の企業結合がグループ外の株主に影響を与える場合には公正価値情報を提供すべきであると提案しています。
<今月の記事一覧>
※1 公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。なお、時制は、各記事の掲載時点のものとなります。
※2 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2021年1月」(右上のPDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
<記事本文>
新型コロナウイルス感染症
【IASB】
- IASBが「COVID-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)に関する臨時の会議を開催します。
IASBは、2021年2月4日に臨時のビデオ会議を開催し、「COVID-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号の修正)について、2020年5月のIFRS第16号「リース」の修正において設けられた実務上の救済措置の期間延長を提案するかどうか議論する旨を公表しました。
【DTT】
- 『Heads Up - CARES法及び規制当局の共同声明に基づく不良債権のリストラクチャリング(TDR)に関するFAQ』(USGAAP関連)が更新されました。
当ニュースレター(全23ページ)は2020年4月15日に掲載された同タイトルのニュースレターの更新版です。 - 『Financial Reporting Alert 20-2 - 新型コロナウイルス感染症及び景気低迷に関連する財務報告上の考慮事項』(USGAAP関連)が更新されました。
当ニュースレター(全116ページ)は、2020年3月25日に掲載された同タイトルのニュースレターの更新版です(付録Eに更新箇所の一覧が記載されています)。
【IFRIC】
- 継続企業の前提に関する教育的資料が公表されました。
IFRS解釈指針委員会(IFRIC)は、継続企業の前提でのIFRS財務諸表の作成に関する要求事項の適用を支援する目的で教育的資料「継続企業 - 開示に焦点を当てる」(全4ページ)を公表しました。
【ASBJ】
- 教育的資料「継続企業 - 開示に焦点を当てる」の和訳が公表されました。
ASBJは、IFRS財団が2021年1月13日に公表した教育的資料「継続企業 - 開示に焦点を当てる」の和訳(全5ページ)を公表しました。
【トーマツ】
- 『IFRS in Focus - IFRS財団は、継続企業の評価に関連するIFRS基準の要求事項に関する教育的資料を公表』の和訳が掲載されました。
当ニュースレター(全5ページ)は、IFRS解釈指針委員会(IFRIC)が公表した教育的資料「継続企業 - 開示に焦点を当てる」について説明しています。
保険契約
【ESMA】
- 欧州証券市場監督機構(ESMA)がIFRS第17号「保険契約」を現状のままで採択することを支持しました。
ESMAは、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)のIFRS第17号のエンドースメント・アドバイス案についてコメント・レター(全8ページ)を公表し、以下に触れています。- IFRS第17号に基づく保険契約の会計処理の透明性と一貫性を高める上で重要な役割を果たすのは、新たな測定モデルに不可欠である集約に関する原則であり、年次コホートの要求事項(※)も当該原則に含まれることから、現状のままでの採択を支持する。
- 要求事項について改善可能であるという追加の証拠が得られた場合には、IFRS第17号の適用後レビューの一環としてそれらを検討すべきである。
※ EFRAGは、IFRS第17号に関して肯定的なエンドースメント・アドバイス案を公表したものの、年次コホートがエンドースメントの要件を満たすかについては合意に至っていない(EFRAGの理事のうち9名が賛成、7名が反対)。
サステナビリティ
【UNEP FI】
- 国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)が保険会社向けに気候変動に係るリスクの識別及び開示に関する初のガイダンスを公表しました。
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)によって招集された大手保険会社及び再保険会社の計22社からなるグループは、気候変動が保険業界の事業に及ぼす影響を識別し、開示するための初の包括的なガイダンス(全107ページ)を公表しました。
共通支配下の企業結合
【IASB】
- IASBがディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」に関する英語ウェブセミナーを開催します。
IASBは、2020年11月に公表したディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の概要及びIASBの予備的見解について説明するライブ・ウェブセミナーを2021年1月27日に開催する予定です。
【ASBJ】
- ディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の和訳が公表されました。
ASBJは、IASBにより2020年11月30日に公表されたディスカッション・ペーパー「共通支配下の企業結合」の和訳(全98ページ)を公表しました。
連結
【EFRAG】
- EFRAGがIFRS第10号、第11号及び第12号の適用後レビューに関するサーベイを開始します。
EFRAGは、IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビューに関して、サーベイを開始しました(回答期限:2021年4月16日)。
超インフレ経済
【CAQ】
- 米国監査品質センター(CAQ)が超インフレ経済に関する国際実務タスクフォース(IPTF)のウォッチリストを更新しました。
IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」において、超インフレ経済の定義及び評価に係るガイダンスが示されていますが、IASBは特定の法域の識別を行っていません。IAS 第 29 号に類似する識別要件を有する米国の監査品質センター(CAQ)の国際実務タスクフォース(IPTF)は、2020 年11 月 10 日の会議に関する討議資料(全 10 ページ)を公表し、高インフレ国について見解を示しています。
全般
【UK】
- 英国が独自のIFRS基準及びその修正のエンドースメント手続きを開始しました。
2020年12月31日の移行期間終了後、英国はEU法の適用を停止しました。EUで採択されていたIFRS基準は、英国で採択されたIFRS基準として英国国内法に取り入れられ、英国エンドースメント審議会(UKEB)の設立期間中にIFRS基準を承認・採択する権限を与えられている英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は、以下2つのIFRS基準の修正を採択しました。- 「金利指標改革 - フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号及びIFRS第16号の修正)
- 「IFRS第9号の適用の一時的な免除の延長」(IFRS第4号の修正)
会議
【IASB】
- 2021年1月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2021年1月26日に開催されたビデオ会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。- 基本財務諸表(暫定決定なし)
- ワーク・プランのアップデート(暫定決定なし)
【IFRIC】
- 2021年2月のIFRS解釈指針委員会会議の事前会議要約(DTT作成)が掲載されました。
2021年2月2日に開催される当会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。- 新規論点
- 最終化を予定しているアジェンダ決定
【IFRS Foundation】
- IFRS財団評議員会が2021年2月1日に臨時の会議を開催します。
2021年2月1日に開催される電話会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。- 今後公表される可能性のある第16号「リース」の修正(新型コロナウイルス感染症に関連した賃料減免に係る救済措置の期間延長)に関する公開草案について、通常より短いコメント期間を承認するかどうか
- IFRS財団評議員会のサステナビリティに関するコンサルテーション(世界的なサステナビリティ基準に対する需要及び当該基準の策定において当財団が果たす役割の評価を目的とするもの)に対するフィードバックの初期分析
【ASAF】
- 2020年12月の会計基準アドバイザリー・フォーラム会議の要約(暗号資産に係る基準設定の必要性の議論を含む)が公表されました。
2020年12月10日に開催された当会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。- 暗号資産
- 資本の特徴を有する金融商品
- 動的リスク管理
コンバージェンス
【ASBJ】
- 企業会計基準適用指針公開草案第71号(企業会計基準適用指針第31号の改正案)「時価の算定に関する会計基準の適用指針(案)」が公表されました。
ASBJは2021年1月18日、2019年に公表された企業会計基準適用指針第31号の改正案「時価の算定に関する会計基準の適用指針(案)」(全22ページ)を公表しました(コメント期限:2021年3月18日)。 - 「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」が改訂されました。
ASBJは、日本基準及び修正国際基準(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。 - 第450回企業会計基準委員会の概要(情報要請「IFRS第10号、IFRS第11号及びIFRS第12号の適用後レビュー」への対応を含む)が公表されました。
ASBJは、2021年1月27日に開催された第450回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
- 第449回企業会計基準委員会の概要(「時価の算定に関する会計基準の適用指針(案)」【公表議決】、及びリースに関する会計基準の開発を含む)が公表されました。
ASBJは、2021年1月15日に開催された第449回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。 - 第448回企業会計基準委員会の概要(投資信託の時価の算定に関する取扱いの検討、及びのれん償却の再導入に関して聞かれた意見を含む)が公表されました。
ASBJは、2020年12月24日に開催された第448回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
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