「金融機関向けIFRSニュース 2023年8月」(2023年9月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2023年8月」(2023年9月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2023年8月」
デロイトが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約し、金融機関等の皆様に向けて週次でニュース配信しております。以下は、配信した週次ニュースを月次単位(記事日付の属する月基準)で集約した記事一覧・概要(一部抜粋)となります。実際の詳細な週次ニュース配信のご要望等ございましたら、右上のお問合せからお問合せください。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、リンク先の<凡例(PDF))>をご参照ください。
<今月のハイライト>
◆コンバージェンス
■ 金融資産の減損に関する会計基準の開発において、ステップ2を採用する金融機関の開示の審議
2023年8月24日に開催された第508回企業会計基準委員会において、金融資産の減損に関する会計基準の開発についてステップ2を採用する金融機関における開示が審議され、金融商品の区分別等の信用リスク・エクスポージャーの開示の取扱い、及び財務諸表以外の開示への参照の取扱いが審議されました。なお、信用リスクに関する注記事項の基準体系及び開示目的の取扱い、並びにステップ2を採用する金融機関における金融商品のクラス別の期首残高から期末残高への調整表の開示も含められています。
<今月の配信記事一覧>
<記事概要>
サステナビリティ
【SSBJ】
- (2023年8月3日)
「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」が改訂されました。
SSBJは、開発中(開発予定を含む)のサステナビリティ開示基準の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。
<主な更新事項>- Ⅰ.本開発計画の策定における基本的な考え方※
- 1.当委員会における基準開発プロジェクト
- Ⅱ.基準開発プロジェクト※
- 1.日本版S1プロジェクト
- 2.日本版S2プロジェクト
※日本版S1プロジェクトの記載について、IFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」(以下「IFRS S1号」という。)に相当する基準(日本版S1基準)の開発、日本版S2プロジェクトの記載について、IFRS S2号「気候関連開示」(以下「IFRS S2号」という。)に相当する基準(日本版S2基準)の開発に記載が変更され、確定基準に対応する記載に変更となりました。
- Ⅲ.当委員会が開発する基準の公表時期及び適用時期
- IFRS S1号及びIFRS S2号では、企業の規模等に応じた段階的な適用を容認する救済措置に関する提案、いわゆる「スケーラビリティ」を考慮した適用時期が「議論されているところである」から「定められている」に記載が変更されました。
- 注記6おいて、IFRS S1号及びIFRS S2号では企業がIFRS S1号及びIFRS S2号を適用する最初の年次報告期間において救済措置を「利用可能とすることを暫定決定した」から「認めている」と記載が変更されました。また、「②サステナビリティ関連のリスク及び機会全般に関する情報ではなく、気候関連リスク及び機会に関する情報のみを開示することを認める救済措置」の記載が追加されました。
- 日本版S1プロジェクトの論点リスト(2023年8月3日時点)別紙1
- IFRS S1号の確定後にサステナビリティ基準委員会において審議した項目が更新されています。
- Ⅰ.本開発計画の策定における基本的な考え方※
会議
【IASB】
- (2023年8月30日)
2023年8月のIASB臨時会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2023年8月23日に開催された当会議では、以下を含むトピックを議論しました。- IFRS for SMEs基準の修正 – 国際的な税制改革 – 第2の柱モデルルール
(暫定決定事項あり)- IASBは、公開草案「国際的な税制改革 – 第2の柱モデルルール」に対して寄せられたフィードバックについて議論し、公開草案の提案に修正を加えて最終決定することを暫定決定しました。
- IFRS for SMEs基準の修正 – 国際的な税制改革 – 第2の柱モデルルール
コンバージェンス
【ASBJ】
- (2023年8月2日)
第507回企業会計基準委員会の概要が公表されました。
ASBJは、2023年8月2日に開催された第507回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、一部の審議は動画(YouTube)公開されました。- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- 信用リスクに関する注記事項の基準体系及び開示目的
- 金融商品のクラス別の期首残高から期末残高への調整表の開示(IFRS第7号「金融商品:開示」第35H項等)
- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- (2023年8月3日)
現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました。
ASBJが、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。
<主な改訂点>- グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応
- グローバル・ミニマム課税に関する法人税法への改正への対応については、企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」等の会計基準等の改正の要否について「2023年7月より検討を開始している」旨が記載されています。
- グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応
- (2023年8月24日)
第508回企業会計基準委員会の概要が公表されました。
ASBJは、2023年8月24日に開催された第508回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、一部の審議は動画(YouTube)公開されました。- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- 金融商品の区分別等の信用リスク・エクスポージャーの開示(IFRS第7号「金融商品:開示」第35M項等)
- 財務諸表以外の開示への参照(IFRS第7号第35C項)
- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- (2023年8月28日)
現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました。
ASBJが、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。
<主な更新事項>- リースに関する会計基準
- 2023年5月2日に公表した会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」等について、2023年8月4日にコメントを締め切っており、今後、公開草案に寄せられたコメントを検討することを予定している旨が記載されています。
- 資金決済法上の「電子決済手段」の発行・保有等に係る会計上の取扱い
- 2023年5月31日に公表した実務対応報告公開草案第66号「資金決済法における特定の電子決済手段の会計処理及び開示に関する当面の取扱い(案)」等について、2023年8月4日にコメントを締め切っており、今後、公開草案に寄せられたコメントを検討することを予定している旨が記載されています。
- 日本公認会計士協会が公表した実務指針等の移管
- 2023年6月30日に公表した、移管のアプローチ等に関する意見募集について、2023年8月25日にコメントを締め切っており、今後、意見募集に寄せられたコメントを検討することを予定している旨が記載されています。
- リースに関する会計基準
その他
【DTT】
- (2023年8月23日)
『iGAAP in Focus - Financial reporting: IASBはIAS第21号「外国為替レート変動の影響」を修正し、通貨の交換可能性の欠如が存在する場合の為替レートの決定方法を明確にする』が掲載されました。
デロイトから、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」の修正に係るニュースレター(原題:「iGAAP in Focus – Financial reporting IASB amends IAS 21 to clarify when a currency is exchangeable and how to determine the exchange rate when it is not」)が掲載されました。当ニュースレター(全6ページ)は、IAS第21号「外国為替レート変動の影響」の修正の公表について解説しています。本修正は、通貨に交換可能性がある場合を特定し、交換可能性がない場合の為替レートの決定方法、及び開示情報について解説しています。なお、2025年1月1日以後開始する事業年度に本修正を適用することが要求されます。早期適用は認められます。企業は本修正を遡及的に適用することは認められませんが、代わりに本修正に含まれる特定の経過規定を適用することが要求されます。
【IASB】
- (2023年8月15日)
IASBは交換可能性の欠如が存在する場合の会計処理を明確化するIAS第21号「外国為替レート変動の影響」の修正を公表しました。
IASBは、通貨に交換可能性がある場合を特定し、交換可能性がない場合にどのように為替レートを決定するかのガイダンスが含まれる「交換可能性の欠如」(IAS第21号「外国為替レート変動の影響」の修正)を公表しました。なお、2025年1月1日以後開始する事業年度に本修正を適用することが要求されます。早期適用は認められます。企業は本修正を遡及的に適用することは認められませんが、代わりに本修正に含まれる特定の経過規定を適用することが要求されます。
背景として、IAS第21号「外国為替レートの変動」には、直物為替レートが観察可能でない場合に企業が使用する為替レートについての明示的な要求事項が含まれていないため、IFRS解釈委員会(IFRS IC)は、長期に交換可能性が欠如している場合の為替レートの決定に関する要望書を受領しました。解釈指針委員会は、狭い範囲の基準設定の可能性をリサーチし、最善の方法は、IASBがIAS第21号「外国為替レート変動の影響」に対する狭い範囲の修正を開発することを提言することであると結論付け、2019年11月以降、IASBの議論を踏まえ公表されました。IAS第21号の変更点は以下を含みます。- 通貨が他の通貨に交換可能である場合、交換可能でない場合を特定する
- 通貨に交換可能性がない場合に、企業はどのように為替レートを決定するかを特定する
- 通貨に交換可能性がない場合に、追加情報の開示を要求する