「金融機関向けIFRSニュース 2021年11月」(2021年12月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2021年11月」(2021年12月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2021年11月」
デロイトが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、「金融機関向けIFRSニュース2021年11月」(右PDF)内のページ末尾の<凡例>をご参照ください(※1)。
<今月のハイライト>
◆金融商品
- 欧州銀行監督機構(EBA)がIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動から得られた知見をまとめたレポートを公表
欧州銀行監督機構(EBA)は、2018年12月の最終報告書以降のIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動から得られた知見をまとめ、レポートを公表しました。EBAは、本レポートを通してEUの金融機関がIFRS第9号の実施と適用に当たって多大な努力を行った点を強調する一方で、IFRS第9号に組み込まれた判断のレベルは幅広く、様々な実務が適用される可能性があることから、COVID-19下でさらにその多様性が増している点に注意すべきと報告しています。たとえば、COVID-19によりオーバーレイの使用が助長された結果ECL計上額が多様化していること、及びシナリオの基礎となる仮定が金融機関によって大きく異なっていることなどに言及されています。
◆サステナビリティ
- IFRS財団が新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表
IFRS財団は、国際会計基準審議会(IASB)とは別に、投資者の情報ニーズを満たす高品質なサステナビリティ開示基準の包括的な国際基準を策定する新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を創設し、ISSBが開発する基準が「IFRSサステナビリティ開示基準」とされることが発表されました。併せて、技術的準備ワーキンググループ(Technical Readiness Working Group:TRWG)によって提案された「サステナビリティ関連の財務情報開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ」及び「気候関連開示に関するプロトタイプ」が公表されました。
<今月の記事一覧>
※1 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2021年11月」(右上PDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
※2 <今月のハイライト>で個別に取り上げた記事を緑ハイライトしています。
<記事本文>
金融商品
【EFRAG】
- EFRAGは、IASBのIFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の適用後レビューに関する情報要請に対するコメント・レター案を公表しました。
EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)は、IASBが9月に公表したIFRS第9号「金融商品」の分類及び測定の適用後レビューの情報要請(Request For Information:RFI)に対し、コメント・レター案(全38ページ)を公表し、2022年1月14日まで意見募集しています。
【EBA】
- 欧州銀行監督機構(EBA)は、IFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動から得られた知見をまとめたレポートを公表しました。
欧州銀行監督機構(EBA)は、2018年12月の最終報告書以降のEBAのIFRS第9号「金融商品」の適用に係るモニタリング活動から得られた知見をまとめ、レポートを公表しました。
【EBI】
- 欧州域内銀行のCOVID-19に関する財務諸表の開示をまとめたワーキング・ペーパーが公表されました。
欧州銀行協会(European Banking Institute:EBI)は、欧州の銀行規制と監督に関して研究を進め、ワーキング・ペーパーを公表しています。ワーキング・ペーパー・シリーズの一環として、本ペーパーでは、欧州域内銀行の2020年度期末及び中間のCOVID-19に関する財務諸表の開示をまとめています。
サステナビリティ
【DTT】
- 『Purpose-driven Business Reporting in Focus - IFRS財団は、グローバルなサステナビリティ基準を設定するための新しい審議会を創設する』の日本語訳が掲載されました。
当ニュースレター(全9ページ)は、デロイトが作成した記事の日本語訳であり、2021年11月3日にIFRS財団が発表した国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設や、プロトタイプの公表、Technical Readiness Working Group(TRWG)の作業計画について解説しています。
【IFRS Foundation】
- IFRS財団が新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表しました。
IFRS財団は、投資者の情報ニーズを満たす高品質なサステナビリティ開示基準の包括的な国際基準を策定する新しい国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の創設を発表しました。
- IFRS財団がサステナビリティ関連の財務情報開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプを公表しました。
IFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の一般的な表示基準に関して、技術的準備ワーキンググループ(Technical Readiness Working Group:TRWG)によって提案された「サステナビリティ関連の財務情報開示に関する一般的な要求事項のプロトタイプ」(全30ページ)を公表しました。 - IFRS財団が気候関連開示のプロトタイプを公表しました。
IFRS財団は、ISSBの最初のテーマ基準に関して、技術的準備ワーキンググループ(TRWG)によって提案された「気候関連開示に関するプロトタイプ」(全39ページ)及び当該プロトタイプの補足文書であり、気候関連の指標に関する業界別の要求事項を示した「開示要件に関する補足的なテクニカル・プロトコル」(全581ページ)を公表しました。
【G20】
- G20はIFRS財団のサステナビリティ基準設定を支持しました。
G20首脳宣言において、グリーンで持続可能な経済及び多様性ある社会への移行促進の重要性が強調されるとともに、強固なガバナンス及び公的監視の下でのサステナビリティに係る国際的な報告基準の基礎を策定するためのIFRS財団の作業プログラムが歓迎されました。
保険契約
【DTT】
- 保険ウェブキャスト『再保険契約に関する契約の境界線の評価』が掲載されました。
当ウェブキャスト(約26分)では、IASBの保険プロジェクトに関する最近の動向について報告し、主に次の内容について説明しています。
【EU】
- EUは、IFRS第17号「保険契約」(年次コホートの要求事項の免除を含む)を承認する委員会規則を公表しました。
EUは、IASBによる同じ発効日(2023年1月1日)のIFRS第17号「保険契約」及びIFRS第17号の修正(2020年6月)を採択する欧州委員会規則を公表しました。
会議
【IASB】
- 2021年11月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2021年11月15日、16日及び19日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。
- 動的リスク管理
- のれん及び減損
- 基本財務諸表
- IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビュー
- ワーク・プラン
- 2021年10月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2021年10月25日から28日にかけて開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。- のれん及び減損
- 基本財務諸表
- IFRS第17号「保険契約」の修正
- IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビュー
ワーク・プラン
【IASB】
- IASBがワーク・プランを更新しました ─ 変更点の分析(2021年11月の会議)
2021年11月のIASB会議の結果を受けて、ワーク・プランが変更されました。
- IASBがワーク・プランを更新しました ─ 変更点の分析(2021年10月の会議)
2021年10月のIASB会議の結果を受けて、ワーク・プランが変更されました。