「金融機関向けIFRSニュース 2021年10月」(2021年11月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2021年10月」(2021年11月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2021年10月」
デロイトが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、「金融機関向けIFRSニュース2021年10月」(右PDF)内のページ末尾の<凡例>をご参照ください(※1)。
<今月のハイライト>
◆サステナビリティ
- 今月は複数の動きがありました。気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)からステータスレポートが公表され、TCFD提言に対する実務上の開示状況を理解することができます。また、デロイトがまとめた最近のサステナビリティに関連した国際的な動向の中で、日本の財務会計基準機構(FASF)が定款変更を行い、IFRS財団のカウンターパートとして準備を進めている点も紹介されています。
◆コンバージェンス
- ASBJによる「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」の審議開始
ASBJは、2021年10月の第468回企業会計基準委員会において、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」を審議しました。昨年の実務対応報告第40号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」公表から1年後に再度確認することとしていた金利指標置換後の取扱いについて、実務対応報告第40号公表後に生じた事象等も踏まえた論点整理がなされています。
<今月の記事一覧>
※1 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2021年10月」(右上PDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
※2 <今月のハイライト>で個別に取り上げた記事を緑ハイライトしています。
<記事本文>
金融商品
【DTT】
- 『IFRS in Focus - IASBは、IFRS第9号の分類および測定の要求事項の適用後のレビューに関する見解を求める』が掲載されました。
当ニュースレター(全7ページ)は、2021年9月30日にIASBが公表した情報要請「IFRS第9号「金融商品」の適用後レビュー ─ 分類測定」について解説しています。
サステナビリティ
【DTT】
- デロイトがサステナビリティ及び統合レポートに関する最近の動向を掲載しました。
デロイトは、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)、日本の財務会計基準機構(FASF)など主要な組織の最近のサステナビリティに関連する動向をまとめました。例えば、日本のFASFの動向については、IFRS財団が現在設置準備作業を進めている国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が設置された際には、IFRS財団のカウンターパートとしてFASFにおいてもサステナビリティ報告基準へ取り組むことが期待されることから、定款の事業目的にサステナビリティ報告基準に関する事項を加えている点が紹介されています。
【IFRS Foundation】
- Technical Readiness Working Groupに関するウェブキャストが掲載されました。
IFRS財団(IFRS Foundation)は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に関連して、技術的準備ワーキンググループ(Technical Readiness Working Group:TRWG)に関するウェブキャスト(約27分)を掲載しました。当ウェブキャストでは、プログラムの目的と進捗、今後のタイムラインが解説されています。TRWGは10月までディスカッションと成果物の改善を重ね、11月にISSBに推奨事項を提出するとされています。
【TCFD】
- 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が、ステータスレポート等を公表しました。
TCFDは、TCFD提言に対する実際の開示状況をまとめた最新版となる第4版の「2021年ステータスレポート」(全116ページ)を公表しました。企業の財務報告における気候関連情報の開示は、今回の報告対象である2020年が、前年比でこれまでで最も増えており、気候関連の報告を巡る世界的な機運と一致すると述べられています。また、TCFDは、有用な開示情報の作成支援を目的とした「指標、目標及び移行計画に関するガイダンス」(全79ページ)及び2017年に公表した文書の更新文書である「気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言の実施」(全88ページ)を併せて公表しました。
会議
【IASB】
- 2021年10月のIASB会議の事前会議要約(DTT作成)が掲載されました。
2021年10月25日から28日に開催される会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。- のれん及び減損
- 基本財務諸表
- IFRS第17号「保険契約」の修正
コンバージェンス
【ASBJ】
- 第468回企業会計基準委員会の概要(「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」に関する審議を含む)が公表されました。
ASBJは、2021年10月25日に開催された第468回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
【FSA】
- 「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等が公表されました。
IASBが2021年6月30日までに公表したIFRSを、連結財務諸表規則第93条に規定する指定国際会計基準とするため、金融庁は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等を公表し、2021年10月22日付で適用となります。
その他
【DTT】
- デロイトが作成した2021年度IFRSモデル財務諸表が掲載されました。
デロイトが作成した2021年度IFRSモデル財務諸表英語版(全212ページ)が掲載されました。このモデル財務諸表では、2021年8月31日以前に公表され、2021年1月1日に開始する事業年度に強制適用されるIFRSの各基準の修正の適用による影響が例示されています。
2021年度では、「金利指標改革─フェーズ2」(IFRS第9号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第4号「保険契約」びIFRS第16号「リース」の修正)(以下、フェーズ2)や「COVID-19に関連した賃料減免」(IFRS第16号「リース」の修正)の適用が反映されています。
金利指標改革については、2020年度に「金利指標改革─フェーズ1」(IFRS第9号「金融商品」、IAS第39号「金融商品: 認識及び測定」、IFRS第7号「金融商品:開示」の修正)が適用され、2021年度にフェーズ2を強制適用される点にも触れられています。