「金融機関向けIFRSニュース 2022年3月」(2022年4月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2022年3月」(2022年4月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2022年3月」
デロイトが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、「金融機関向けIFRSニュース2022年3月」(右PDF)内のページ末尾の<凡例>をご参照ください(※1)。
<今月のハイライト>
◆全般
■ ロシア・ウクライナ戦争に関する財務報告上の考慮すべき重要な影響についての解説
2022年2月24日以降、東欧の地政学的情勢が緊迫し、ロシア・ウクライナ戦争が継続される中で、マクロ経済に広範な影響があることから企業にとっても財務報告上の影響について考慮する必要があります。DTTによる『IFRS in Focus-ロシア・ウクライナ戦争に関する財務報告の検討事項』では、これらを解説するとともに、金融機関の投資先が受ける影響についても触れています。
◆サステナビリティ
□ 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)によるサステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項及び気候関連開示に関する公開草案の公表
ISSBは、公開草案IFRSサステナビリティ開示基準IFRS第S1号「サステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項」(全52ページ)及びIFRS第S2号「気候関連開示」(全60ページ)を公表しました(コメント期限:2022年7月29日)。これらの公開草案は、2021年11月に技術的準備ワーキンググループ(Technical Readiness Working Group:TRWG)によって提案されIFRS財団から公表されたプロトタイプに基づいて作成されたものです。
<今月の記事一覧>
※1 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2022年3月」(右上PDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
※2 <今月のハイライト>で個別に取り上げた記事を■で、1つのテーマで紹介した複数記事を□で示しています。
<記事本文>
サステナビリティ
【ISSB】
- 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)はサステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項の公開草案を公表しました。
ISSBは、公開草案IFRSサステナビリティ開示基準IFRS第S1号「サステナビリティ関連財務情報開示に関する全般的要求事項」(全52ページ)を公表しました(コメント期限:2022年7月29日)。 - 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は気候関連開示に関する公開草案を公表しました。
ISSBは、公開草案IFRSサステナビリティ開示基準IFRS第S2号「気候関連開示」(全60ページ)を公表しました(コメント期限:2022年7月29日)。
保険契約
【DTT】
- 『オーストラリアにおける保険ソルベンシー規制とIFRS17の調和に向けた取り組み』が掲載されました。
トーマツによる当記事(全14ページ)では、オーストラリアの保険会社に対するソルベンシー規制とAASB17(IFRS第17号「保険契約」に相当する会計基準)とを可能な範囲で調和させる取り組みについて、オーストラリアの保険監督当局である健全性規制庁(Australian Prudential Regulation Authority:APRA)及び業界それぞれの見解を紹介するとともに、日本へのインプリケーションを議論しています。加えて、欧州におけるソルベンシー規制(ソルベンシーII)とIFRS第17号との関係にかかる検討も踏まえ、金融庁が開発中の経済価値ベースのソルベンシー規制と保険会計との関係や主要な経営指標(KPIs)のあり方なども考察しています。
暗号資産
【ASBJ】
- 「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」の公表
ASBJは、3月15日に「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」を公表しました。本論点整理は、金融商品取引法上の電子記録移転権利又は「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号。以下「資金決済法」という。)における暗号資産に該当するICOトークンの発行及び保有に係る取引に関する会計基準を整備していく一環として、関連する論点を示し、基準開発の時期及び基準開発を行う場合に取り扱うべき会計上の論点について関係者からの意見を募集することを目的としています(コメント期限6月8日)。
- 実務対応報告公開草案第63号「電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」の公表
ASBJは、3月15日に「電子記録移転有価証券表示権利等の発行及び保有の会計処理及び開示に関する取扱い(案)」を公表しました。本公開草案は、金商業等府令第1条第4項第17号に規定される「電子記録移転有価証券表示権利等」を発行又は保有する場合の会計処理及び開示を対象としています(コメント期限6月8日)。
無形資産
【AASB】
- 「無形資産:開示の改善による財務諸表情報ギャップの削減」が公表されました。
オーストラリア会計基準審議会(AASB)は、無形資産に係る財務報告の有用性についての議論を促進することを目的として、スタッフ・ペーパー「無形資産:開示の改善による財務諸表情報ギャップの削減」(全105ページ)を公表しました。
全般
【DTT】
- 『IFRS in Focus-ロシア・ウクライナ戦争に関する財務報告の検討事項』が掲載されました。
デロイトが発行した当ニュースレター(全26ページ)は、財務報告に対するロシア・ウクライナ戦争の主要な影響のうち、企業が考慮すべき重要な影響を説明しています。マクロ経済へのより広範な影響のために、世界的に多くの企業が特定の会計及び財務報告事項に対する戦争の影響を考慮する必要があると考えられ、その範囲には金融機関の投資先が受ける影響が含まれます。
会議
【IASB】
- 2022年3月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2022年3月22日から24日にかけて開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。- 資本の特徴を有する金融商品
- IFRS第9号の適用後レビュー
- 基本財務諸表
- 共通支配下の企業結合
- 第3次アジェンダ協議
【IFRS IC】
- 2022年3月のIFRS解釈指針委員会会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2022年3月15日から16日にかけて開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました(詳細はIFRIC Updateをご覧ください)。- 年金契約グループに基づく保険カバーの移転(IFRS第17号「保険契約」)
- 貸手のリース料免除(IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第16号「リース」)
- 特別買収目的会社(SPAC):公開株式の金融負債又は資本への分類(IAS第32号「金融商品:表示」)
- 特別買収目的会社(SPAC):取得時のワラントの会計処理(IAS第32号「金融商品:表示」)
- 第三者との契約から生じた用途制限のある要求払預金(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」)
コンバージェンス
【ASBJ】
- 現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました。
ASBJは、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。 - 第44回基準諮問会議の議事概要が公表されました。
ASBJは、3月2日に開催された第44回基準諮問会議の議事概要を公表しました。
その他
【ASBJ】
- 改正実務対応報告第40号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」が公表されました。
ASBJは、2020年9月29日に公表した実務対応報告第40号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」について、金利指標置換後の会計処理に関する適用期間の延長等を含む内容が含まれた改正実務対応報告を公表しました。