「金融機関向けIFRSニュース 2021年4月」(2021年5月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2021年4月」(2021年5月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2021年4月」
デロイトが発信するIAS Plus(外部サイト)の情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております(※1)。
<今月のハイライト>
◆金利指標改革
- デロイトによる『LIBORの移行 - フォールバック条項の運用』の掲載
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、2021年3月5日に金融行為規制機構(FCA)が主要なLIBOR通貨の公表を2021年12月31日をもって停止する旨を公表したことを受けて、フォールバック条項の運用に際し検討すべき事項について概説しています。
- デロイトによる『金利指標改革:データ及びアナリティクス』の掲載
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、代替的な指標金利への移行を成功させるために不可欠となる適切なデータ及び分析ツールについて、その開発に係る経験の一部を紹介しています。
◆サステナビリティ
- バーゼル銀行監督委員会(BCBS)による気候関連の金融リスクに関する分析報告書の公表等
バーゼル銀行監督委員会は、気候関連の金融リスクについて2つの報告書を公表しました。
1.「気候関連のリスク要因及びその波及経路」
気候関連のリスク要因がどのように生じ、ミクロ経済及びマクロ経済の波及経路を通じてどのように銀行及び銀行システムの双方に影響を及ぼすのかを検証。
2. 「気候関連の金融リスク - 測定方法」
気候関連の金融リスクの測定及び技法に関連する概念的な論点の概要、並びに銀行及び銀行監督当局による実務における適用状況の紹介。気候関連の金融リスクの特徴として、きめ細かく将来予測的な測定方法、及びこれまでの短期的で信用リスクに主眼を置いた測定に加え、より長期的な視点や他のリスクの検討等も求められることに触れている。
合わせて今月は、IFRS財団評議員会が(国際サステナビリティ基準審議会の設立を可能とする)定款の変更案を公表し、欧州委員会が企業サステナビリティ報告指令案を公表するといった動きがありました。
◆暗号資産
- EFRAGによる暗号資産(負債)に関する調査の開始
EFRAGは、ディスカッション・ペーパー「暗号資産(負債)の会計処理:保有者及び発行者の視点」に関する調査を開始しました。
<今月の記事一覧>
※1 公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。なお、時制は、各記事の掲載時点のものとなります。
※2 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2021年4月」(右上のPDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
※3 <今月のハイライト>で取り上げた記事をハイライトしています。
<記事本文>
新型コロナウイルス感染症
【IASB】
- IASBが、ニュースレター『Investor Update』(新型コロナウイルス感染症に関連した企業分析に係るアナリストの考察を含む)を公表しました。
当ニュースレター(約18ページ相当)は、最近の会計トピック、及び、財務報告関連トピックを、投資家向けに簡潔にまとめています。
金利指標改革
【DTT】
- 『LIBORの移行 - フォールバック条項の運用』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、2021年3月5日に金融行為規制機構(FCA)が主要なLIBOR通貨の公表を2021年12月31日をもって停止する旨を公表したことを受けて、フォールバック条項の運用に際し検討すべき事項について概説しています。
- 『金利指標改革:データ及びアナリティクス』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、代替的な指標金利への移行を成功させるために不可欠となる適切なデータ及び分析ツールについて、その開発に係る経験の一部を紹介しています。
サステナビリティ
【IFRS Foundation】
- IFRS財団評議員会が(国際サステナビリティ基準審議会の設立を可能とする)定款の変更案を公表しました。
IFRS財団評議員会は、財団のガバナンスの下で国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設置することを可能にするため、財団の定款の修正案(全42ページ)を公表しました。
【BCBS】
- バーゼル銀行監督委員会(BCBS)が気候関連の金融リスクに関する分析報告書を公表しました。
バーゼル銀行監督委員会は、気候関連の金融リスクについて2つの報告書を公表しました。- 「気候関連のリスク要因及びその波及経路」(全45ページ)
- 「気候関連の金融リスク - 測定技法」(全56ページ)
【EC】
- 欧州委員会(EC)が企業サステナビリティ報告指令案を公表しました。
欧州委員会は、非財務情報開示指令(Non-Financial Reporting Directive:NFRD)の改訂作業の一環で、企業サステナビリティ報告指令(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)案(全66ページ)を公表しました。
【DTT】
- 『目的に基づく事業報告 in Focus – 欧州委員会が企業サステナビリティ報告指令案を公表』が掲載されました。
当ニュースレター(全6ページ)は、欧州委員会が公表した企業サステナビリティ報告指令案について説明しています。
保険契約
【DTT】
- 『気候変動及び卸売保険ブローカー業』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、気候変動が保険ブローカーに多くの重要なリスクをもたらす一方、多くのビジネス・チャンスも創出する旨について説明しています。
企業結合
【EFRAG】
- EFRAGが共通支配下の企業結合に関するブリーフィングを公表しました。
EFRAGは、共通支配下の企業結合の会計処理に関するIASBの議論を促進するためのブリーフィング・ペーパー(全21ページ)を公表しました。
暗号資産
【EFRAG】
- EFRAGが暗号資産(負債)に関する調査を開始しました。
EFRAGは、ディスカッション・ペーパー「暗号資産(負債)の会計処理:保有者及び発行者の視点」に関する調査を開始しました。
連結
【IASB】
- グループ会計基準に関する適用後レビューのバーチャル・ワークショップの動画が公表されました。
IASBは、2021年3月26日に欧州会計学会(EAA)及び欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と共同で、バーチャル・リサーチ・ワークショップを開催し、2020年12月に公表されたIFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビューの概要について説明しました。
- IFRS第10号、第11号及び第12号の適用後レビューに関するEAA(欧州会計学会)のワークショップのレポート及びビデオが公表されました。
IASBはEAAと共同でワークショップを開催し、IFRS第10号「連結財務諸表」、IFRS第11号「共同支配の取決め」及びIFRS第12号「他の企業への関与の開示」の適用後レビューに関する情報要請の概要を説明しました。
後発事象
【DTT】
- デロイトが、企業がもはや継続企業ではない場合の財務諸表の作成に関するIFRS解釈指針委員会の暫定的なアジェンダ決定についてコメントしました。
2021年2月のIFRS解釈指針委員会による企業がもはや継続企業ではない場合の財務諸表の作成に関する暫定的なアジェンダ決定について、デロイトがコメント・レター(全1ページ)を公表しました。
外国為替
【DTT】
- 『IFRS in Focus - IASBは、通貨が交換可能である場合および交換可能でない場合に為替レートを決定する方法を特定するIAS第21号の修正を提案する』が掲載されました。
当ニュースレター(全5ページ)は、2021年4月にIASBが公表した公開草案ED/2021/4「交換可能性の欠如」(IAS第21号「外国為替レート変動の影響」の修正案)に示された提案を解説しています。
全般
【ESMA】
- 欧州証券市場監督局(ESMA)が、2020年のEUにおける会計執行機関の活動及び発見事項に関する報告書を公表しました。
当レポート(全79ページ)は、上場企業が提供した財務情報が2020年に適用される財務報告フレームワークに準拠しているかを検証する際にESMA及びEUの会計執行機関が実施した調査活動を概説しています。
【トーマツ】
- 金融庁が「連結財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件」等の一部改正(案)を公表しました(金利指標改革、リース及び保険契約関連)。
金融庁は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件(平成21年金融庁告示第69号)」の一部改正(案)(全1ページ)を公表しました(コメント期限:2021年5月29日(土)17時00分)。
会議
【IASB】
- 2021年4月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2021年4月27日・28日に開催されたビデオ会議では、以下を含むトピックが議論されました。- 動的リスク管理
- のれん及び減損(暫定決定なし)
- 資本の特徴を有する金融商品
【IFRIC】
- 2021年4月のIFRS解釈指針委員会会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2021年4月20日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。
【IFRS Foundation】
- IFRS財団が、IFRS解釈指針委員会によるアジェンダ決定のコンピレーション(第4巻)を公表しました。
IFRS財団は、2020年10月から2021年3月までのIFRS解釈指針委員会によるすべてのアジェンダ決定を含む「アジェンダ決定のコンピレーション – 第4巻」(全16ページ)を公表しました。
コンバージェンス
【ASBJ】
- 第455回企業会計基準委員会の概要(投資信託の時価の算定に関する取扱い、及びリースに関する会計基準の開発を含む)が公表されました。
ASBJは、2021年4月13日に開催された第455回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
- 第454回企業会計基準委員会の概要(リースに関する会計基準の開発を含む)が公表されました。
ASBJは、2021年3月25日に開催された第454回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。
その他の記事
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