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連載【保険ERM基礎講座】≪第23回≫

「ERMの実効性(その1)」

近年、企業経営を取り巻く環境が大きく変化し、リスクが複雑になりつつあります。デロイト トーマツ グループでは、保険毎日新聞に保険会社におけるERMつまり、「保険ERM」を分かり易く解説した連載をスタートしました。(執筆:有限責任監査法人トーマツ ディレクター 後藤 茂之)

出典:保険毎日新聞(9月1日発刊号)

≪第23回≫ ERMの実効性(その1)

1. 適切なオペレーション

ERMは、組織構成員の日々の活動によって実践されている。企業の目的は、社会的使命と活動領域(ドメイン)を明らかにし、顧客、株主、従業員といったステークホルダーのために新たな価値を創造し続けることである。企業は外部環境における脅威と機会の評価、自社の強み弱みの分析を実施し、戦略を策定した上でそれを実行する。

しかし将来は不確実であり、企業が期待するシナリオどおりにはならない。企業の戦略が常に不適切となるリスクや、自らコントロールし得ない自然災害や人災による事故に巻き込まれるリスク、金融資本市場の変化に伴うリスクに晒されている。

2. オペレーショナルリスクとヒューマンエラー

これまでオペレーショナルリスク管理との関係で、ヒューマンエラーの研究が進められてきた。製造業では、「人間は、エラーを犯す動物である」という視点に立ち、人がうっかりミスを起こしても事故に至らないようにする安全設計(フールプルーフ)など、設備の方を利用者である人に合わせるような改良も実施されてきた。また、作業を行う前に、機会や装置を指で指しながら声を出して状況を確認したり、作業後に適切に遂行できたかどうか確認したりする「指差呼称」などの安全活動も展開されてきた。

3. 新たなリスク: コンダクトリスク

IAIS(保険監督者国際機構)においてコンダクトリスクの整理や対策の論議が進めれれている。コンダクトリスクは、「保険者、保険仲介者が業務を遂行する際、顧客を公正に取り扱うことができなかったことによって生ずる顧客・保険者・保険セクター・保険市場へのリスク 」と表現されている。FSB(金融安定理事会)は、リスクアペタイト・ステートメントにおいて、風評リスクやコンダクトリスクなどのように定量化が相対的に難しいリスクも取り上げるべきである 、と指摘している。コンダクトリスクについては、各国で定義の統一やその取組について標準化がなされている状況にはないが、契約者保護や安心を確保する機能を担う保険サービスの本質を考え、今後注目されるリスクと考えられる。

 

つづきは、PDFよりご覧ください。

(PDF、1,670KB)

保険ERM態勢高度化支援サービス

デロイト トーマツ グループでは、保険ERM態勢に関し、基礎的な情報提供から、各社固有の問題解決まで幅広く関わり、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(DTTL)のグローバルネットワークを駆使し、最新の情報と豊富なアドバイザリーサービスを提供します。

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