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【保険ERM】保険監督者国際機構(IAIS)の動き

グローバル、ローカルで規制・監督がシンクロナイズ(2017.01)

元受保険事業の特徴は、各国市場に根差した活動にあります。規制・監督も基本的には、ローカルベースとなっていますが、保険会社の活動自体が国際的になってきていることから、国際的に活動する保険グループをいかに監督するかという現実的な課題が生じてきました。 このような課題を保険監督者が国際的に論議し、効果的でグローバルに整合的な監督を促進するための基準設定主体として設立されたのが、IAISです。現在、保険事業の特徴から、保険規制・監督は、グローバル、ローカルの論議がシンクロナイズする形で改革が進行中です。

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IAISは基本的に保険監督者の国際機構です。保険の利害関係者(ステークホルダー)からの意見を聞き、情報交換をおこなう場として、グローバルセミナーを毎年開催しています。そして、Deloitte USが2016年夏、ブダペストで開催されたグローバルセミナーの概要を報告し、そこで取り上げられている事項はいずれもグローバルで見た現在の保険業界の課題を反映しています。
特徴点を整理すると次の通りです。

 

IAISの機能

改めてその機能が次の通り確認されています。
「IAISは立法者や監督者ではなく基準設定主体であり、その機能はベスト・プラクティスを推奨することにある」

ICSの進捗

グローバルセミナーにて、ICSの検討状況が報告されています。現在、ICSの検討は2段階(バージョン1.0,2.0)に分けたプロセスで進められています。また、保険会社のバランスシートの評価として、米国が志向する会計数値を修正するGAAPプラスと欧州が志向する市場調整評価(MAV)の二つのアプローチが併存しています。この点について、
「望ましい最終結果は、既存のどれか1つの基準ではなく共通のゴールへの収束であるとした上で、バージョン1.0には市場調整評価(MAV)とGAAPプラスの両方が含まれる」としています。

G-SII評価手法

G-SII評価手法に関する市中協議に対する意見を踏まえ、従来の指定のためのレビューサイクルの一部を変更し、定量的判断に加え定性的判断のプロセスを追加し、IAISの評価に対し、指定された保険会社からの応答フェーズを明確化しました。また、指標の感応度、システミック・リスクとの関連性を精緻化するため、指標の一部を変更しています。

サイバーリスク

サイバーリスクに対する保険引受可能性に対する主な障害として、データ不足や、変化のリスク、蓄積リスク、潜在的なモラル・ハザードの問題が指摘されました。そして、サイバー保険を支援するために、匿名化されたデータプールの開発や、再保険プール、現在の保険契約の分析、新たな保険契約の開発などについて意見が交わされました。

なお、詳細はDeloitte USのレポートを参照ください。
原題:IAIS update: Summer 2016(PDF)

保険ERM態勢の高度化支援サービス

デロイト トーマツ グループでは、保険ERM態勢に関し、基礎的な情報提供から、各社固有の問題解決まで幅広く関わり、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(DTTL)のグローバルネットワークを駆使し、最新の情報と豊富なアドバイザリーサービスを提供します。

保険ERM態勢高度化支援サービス
(ブロシュア、PDF、384KB)

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(ブロシュア、PDF、212KB)

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