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【保険ERM】 保険ERMに関するリスク移転の多様化 (2016.07)

明日への保証-再保険市場における保険リンク証券の波及効果

新たな変化は安全を脅かし社会を不安にさせることがあります。またイノベーションは我々に活力とあらたな可能性をもたらします。ERMもまた、イノベーションを取り入れリスク処理能力を拡大することによって進化します。リスク処理技術の発展は、保険会社の引受能力の向上につながると共に社会・経済の発展に資するものとなります。

保険会社にとって、巨大な集積損害を引き起こす可能性がある自然災害リスクの分散は重要です。自社のリスクポートフォリオの偏りを解消するために、再保険が多く利用されています。ただ、巨大な自然災害が発生すると、再保険市場の引受能力が過小ぎみになり、タイトになる現象を過去経験してきました。
1992年に発生したハリケーン・アンドリューは、米国に多大な被害をもたらし再保険市場もハード化しました。これをきっかけにして、資本市場にもキャパシティを求めていく取組が進められてきました。
保険リスクを資本市場で取引する手段としての保険リンク証券は、今日では一定の地保を固めています。保険ERM では、リスク・資本・利益のバランスをとった企業の健全性管理を行い、企業価値の向上を図ることを目標にしています。元受保険会社にとって、利益の変動を抑制するため保険引受リスクを移転・分散する再保険は効果的な手段の一つです。

キャット・ボンドに代表される保険リンク証券は、大規模な自然災害リスクを移転したい保険会社にとって、伝統的再保険市場を補完する追加的なリスク移転手段になっています。また、金融資本市場の投資家の立場から見ると、保険リンク証券は基本的に他の信用リスクとの相関性が低いと前提しうるため、それを投資ポートフォリオに組込むことにより分散効果を高める利点もあります。

保険事業の基礎は安定的な危険集団の形成にあります。保険プールの管理手段が多様化することは、ERMの向上に資することにもなります。伝統的な再保険会社による引受能力に加え、代替的資本の流入することによって、新たな発想が生まれます。各種のイノベーションはビジネスに変革と機会と脅威をもたらします。新たなリスクが次々と現れるリスク社会において、リスク処理のイノベーションの連鎖は、ビジネスモデルの変化や市場の役割の再定義につながる可能性があります。

 

「明日の保証-再保険市場における保険リンク証券の波及効果」
英語原文(PDF): Securing tomorrow-The ripple effect of insurance-linked securities in the reinsurance market

 

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