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よくわかる「IASB概念フレームワーク」シリーズ(4) 第4回 認識及び認識の中止

(月刊誌『会計情報』2019年1月号)

今回は、2018年版フレームワークの第5章「認識及び認識の中止」の内容について説明します。

著者: 公認会計士 藤原 由紀

1.はじめに

国際会計基準審議会(IASB)は、2018年3月29日に「財務報告に関する概念フレームワーク」の改訂版(2018年版フレームワーク)を公表した。よくわかる「IASB概念フレームワーク」シリーズでは、概念フレームワークの内容及び今回の改訂における主要な変更点について、IASBで客員研究員として概念フレームワークプロジェクトの最終段階に実際にかかわった筆者がわかりやすく解説する。シリーズ第4回目の今回は、2018年版フレームワークの第5章「認識及び認識の中止」の内容について説明する。

2.認識(recognition)

(1) 認識プロセス

それでは早速認識の定義から始めよう。認識とは財政状態計算書又は財務業績計算書への記載のために、構成要素の定義を満たす項目を補捉するプロセスである。これだけではよくわからないと思われる方のために、もう少しわかりやすく説明を試みたい。シリーズ第3回をお読みいただいた方はご記憶かと思うが、「構成要素の定義を満たす項目」とは、資産、負債、持分、収益又は費用のいずれかの定義を満たす項目のことである。たとえば資産の定義は「企業が過去の事象の結果として支配している現在の経済的資源」であった。そこで、企業が購入してきたある機械がこの定義を満たす場合を考えてみよう。

※続きは添付ファイルをご覧ください。

(595KB, PDF)
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