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ASBJが改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等を公表
月刊誌『会計情報』2020年5月号
『会計情報』編集部
企業会計基準委員会(ASBJ)は、2020年3月31日に、改正企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」等を公表した。
ASBJは、2018年3月30日に、我が国における収益認識に関する包括的な会計基準として、以下の企業会計基準及びその適用指針を公表した。
- 企業会計基準第29号
「収益認識に関する会計基準」(以下「2018年会計基準」という。) - 企業会計基準適用指針第30号
「収益認識に関する会計基準の適用指針」
2018年会計基準においては、注記について、2018年会計基準を早期適用する場合の必要最低限の注記(企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点))のみ定め、2018年会計基準が適用される時(2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首)までに、注記事項の定めを検討することとされていた。
また、収益認識の表示に関する次の事項についても同様に、2018年会計基準が適用される時までに検討することとされていた。
(1)収益の表示科目
(2)収益と金融要素の影響(受取利息又は支払利息)の区分表示の要否
(3)契約資産と債権の区分表示の要否上記の経緯を踏まえ、ASBJにおいて審議が行われ、今般、2020年3月27日開催の第428回企業会計基準委員会において、以下の企業会計基準及びその適用指針(以下合わせて「本会計基準等」という。)の公表が承認されたことを受け、公表することとしたものとされている。
- 改正企業会計基準第29号
「収益認識に関する会計基準」(以下「改正会計基準」という。) - 改正企業会計基準適用指針第30号
「収益認識に関する会計基準の適用指針」(以下「改正適用指針」という。) - 改正企業会計基準第12号
「四半期財務諸表に関する会計基準」(以下「改正四半期会計基準」という。) - 改正企業会計基準適用指針第14号
「四半期財務諸表に関する会計基準の適用指針」 - 改正企業会計基準適用指針第19号
「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」
492KB, PDF ※PDFダウンロード時には「本記事に関する留意事項」をご確認ください。
<本会計基準等の概要>
■表示
- (顧客との契約から生じる収益の区分表示又は注記及び表示科目(改正会計基準第78-2項、第155項及び第156項並びに改正適用指針第104-2項))
- (契約資産と顧客との契約から生じた債権及び契約負債の区分表示又は注記の要否(改正会計基準第79項及び第159項))
- (貸借対照表上の表示科目(改正会計基準第79項及び改正適用指針第104-3項))
- (顧客との契約に重要な金融要素が含まれる場合の取扱い(改正会計基準第78-3項及び第157項))
- (顧客との契約から生じた債権又は契約資産について認識した減損損失の開示(改正会計基準第158項))
■注記事項
●注記事項の開発にあたっての基本的な方針(改正会計基準第101-2項から第101-6項)
●重要な会計方針の注記(改正会計基準第80-2項、第80-3項及び第160項から第165項)
●収益認識に関する注記
- (開示目的(改正会計基準第80-4項から第80-6項、第166項から第168項及び第171項))
- (収益認識に関する注記の記載方法等(改正会計基準第80-7項から第80-9項、第169項、第170項、第172項及び第173項))
- (収益の分解情報(改正会計基準第80-10項、第80-11項及び第174項から第178項並びに改正適用指針第106-3項から第106-5項、第190項及び第191項))
- (収益を理解するための基礎となる情報(改正会計基準第80-12項から第80-19項及び第179項から第191項並びに改正適用指針第106-6項及び第106-7項))
- (当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報)
- (工事契約等から損失が見込まれる場合(改正適用指針第106-9項及び106-10項及び第193項))
- (連結財務諸表を作成している場合の個別財務諸表における注記(改正会計基準第80-25項から第80-27項、第206項及び第207項))
■範囲及び会計処理
●適用範囲の見直しを行ったもの
- (暗号資産及び電子記録移転権利に関連する取引(改正会計基準第3項(7)及び第108-2項))
●会計処理の見直しを行ったもの
- (契約資産の性質(改正会計基準第77項及び第150-3項))
●用語の見直しを行ったもの
- (契約の識別(改正会計基準第21項、第80-22項(1)、第80-24項(1)、第119項、第119-2項等))
- (契約の解約時の取扱い(改正適用指針第11項及び第122-2項))
■適用時期及び経過措置(改正会計基準第81項から第89-4項及び第208項から第216項)
■設例及び開示例
- (追加した設例及び開示例(改正適用指針[設例27]及び[設例28]並びに[開示例1]から[開示例3]))
- (見直した設例(改正適用指針[設例12]及び[設例13]))
■四半期財務諸表における注記(改正四半期会計基準第19項(7-2)、第25項(5-3)及び第58-4項から第58-9項)
■その他
詳細については、ASBJのウェブページ(https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2020/2020-0331-01.html)を参照いただきたい。
以 上
本記事に関する留意事項
本記事は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり、その性質上、特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません。また、本記事の作成または発行後に、関連する制度その他の適用の前提となる状況について、変動を生じる可能性もあります。個別の事案に適用するためには、当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき、本記事の記載のみに依拠して意思決定・行動をされることなく、適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください。