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リモートワーク実践のポイントと利用ツール
ヒューマンキャピタルにおける取り組み(1)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により急速にリモートワークを導入する企業が増加しています。デロイト トーマツ コンサルティングのヒューマンキャピタルでは、リモートワークにおいても成果を出し続ける場合、ツールの導入だけではなく成果を出すための仕事の進め方の実践が必要であると考えています。本稿では、物理的なロケーションに左右されずにアウトプットを出し続けるための働き方を、ケーススタディとしてご紹介します。
ヒューマンキャピタルにおけるリモートワークの取り組み
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、デロイト トーマツ グループでは2月に在宅勤務指示が出て早2か月以上が経過した。デロイト トーマツ コンサルティングのヒューマンキャピタル所属のコンサルタントは、在宅勤務指示が出る以前よりオンライン会議などを活用したリモートワークを実践しており、その取り組みを本稿にて一例としてご紹介したい。その上で、是非皆様よりご意見を頂戴し、より良いリモートワークの在り方を作り上げていきたいと考えている。
1.予定表の共有
ヒューマンキャピタルの、特に管理職以上のコンサルタントは、複数のクライアントを担当し様々な場所で仕事を行っている。そのため、いつどこで何をしているのかを関係者が相互に把握できるよう、移動時間なども含めた全ての予定を関係者に共有するのが常例であった。この徹底により、部下がコミュニケーションを取りたい場合等にすぐにミーティングをセットできる状態が整っていた。
利用ツール:予定表システム
2.タッチポイントの設定
ヒューマンキャピタルの全てのチームでは、作業の指示や、進捗確認、作業結果のレビューを行う”タッチポイント”ミーティングを、毎日1回~複数回実施している。チームメンバーは、タッチポイントで出された指示に応じて次のタッチポイントまでに作業を進めており、それが作業のマイルストーンにもなっている格好だ。
実施頻度や長さはメンバーのマチュリティや作業の難易度によって調整し、また、必ずしも作業指示やレビューは管理職が行うわけではなく、新入社員等の入社2~3年目のメンバーには入社4~5年目のスタッフが指示やレビューを実施する。
タッチポイントの場では常にメンバーの誰かが画面を共有し、作業内容のメモを取ったり資料の修正をその場で行うことで、ミーティング後に行う作業の負担を減らしている。
利用ツール:オンライン会議(画面共有機能)
3.随時コミュニケーション
タッチポイントのミーティングが設定されているからといって、質問や追加作業指示・レビューを次のタッチポイントまで待っていては非効率的であるため、コミュニケーションの必要が生じた場合はチャットツールで即時にコミュニケーションを取っている。画像が貼り付けられるタイプのチャットであれば、資料のレビュー等もチャットツール上で完結させられる。メールと比較し、チャットは短いやりとりを何往復も行うようなインタラクティブなコミュニケーションに適しているツールである。もちろん、やりとりできる情報量は直接会話した方が多くなるため、会話が込み入る場合は電話も利用する。その際、チャットツールやオンライン会議ツールに付属の画面共有機能で資料を修正しながら会話すると効率的に作業が進められる。
重要なのは、適切なコミュニケーションのツールを、ツールの性質を理解し正しく使い分けることだと言える。
利用ツール:チャットツール、電話、オンライン会議(画面共有機能)
4.チェックインミーティング
目下のプロジェクト業務遂行のコミュニケーションだけでなく、メンバーの成長やワークライフバランス維持のための時間として、チェックインミーティングを週次で実施している。
チェックインミーティングでは、メンバーがプロジェクト開始当初に立てた目標をベースに、1週間の業務で成長できた点、課題の改善に向けてどのようなアクションを取るべきかについて、プロジェクトマネジャーとスタッフがコミュニケーションを行っている。また、休暇予定や残業ができない日等の情報を共有することで、ワークライフバランス実現に向けた業務量調整を行う場でもある。
チェックインで会話した内容は、チェックインアプリWellMeに記録し、次回のチェックインやプロジェクト終了時の振り返りの際に利用している。
利用ツール:チェックインアプリ WellMe、オンライン会議(ビデオ機能)
5.パルスサーベイ
組織に所属する社員の表情が直接確認できない状況下であるからこそ、社員のモチベーションやエンゲージメントの状態のクイックな把握のため、アプリを使ったパルスサーベイを実施している。設問数は5~10 問で、メンバーはパソコン・スマートフォンどちらからも回答が可能であり、負荷はかからない。同じ質問を週次で繰り返し測定することで、組織のコンディションの遷移を把握し、課題に対する打ち手の検討につなげている。
利用ツール:チェックインアプリWellMe
リモートワーク実践の鍵
上述の通り、ヒューマンキャピタルにおけるリモートワークは、プロジェクト業務遂行のみならず、社員のモチベーション維持や人材育成についてもこれまで同様の状態が維持されるように工夫をしている。鍵となるのは、組織運営に必要なコミュニケーションやルールと、最新のIT・デジタルツールをうまく融合した業務デザインを行い、それを実践していくことであると捉えている。
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