調査レポート

警察からのいわゆる「面前DV」に係る通告の収集・分析に関する調査研究

有限責任監査法人トーマツは、厚生労働省令和4年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業の採択を受け「警察からのいわゆる「面前DV」に係る通告の収集・分析に関する調査研究」を実施しました。この事業では、アンケート調査及びヒアリング調査等の活動や有識者による委員会での検討を経て事業報告書を作成しました。

調査研究事業の背景・目的

本事業は、児童相談所において受理した警察からの面前DVに係る通告等に関し、その内容や通告等受理後の支援・措置の状況を収集・分析し、有識者による助言・指導を受けながら、当該虐待に内在する要素等を峻別・分類するなどした上で、その後の面前DVへの対応の在り方について検討して取りまとめたものです。

 

調査研究事業の内容

本事業においては、上記目的のもと、①検討委員会の設置・開催、②児童相談所へのアンケート調査、③児童相談所へのヒアリング調査、④報告書の作成といった4つの活動を行いました。

児童相談所へのアンケート調査は、今後の面前DVへの対応のあり方に対する示唆を得るために、児童相談所が警察から通告を受理した面前DV事案に関し、その対応実績や通告受理後の対応状況、具体的なリスク判断の内容等を把握することを目指して全国228所の児童相談所を対象に実施しました。また、児童相談所へのヒアリング調査は、今後の面前DVへの対応のあり方に対する検討に資する詳細な情報を収集するため、面前DVの通告を受理した際に実施するリスク評価の内容や、市区町村への送致の状況、警察との連携の状況等について聴取することを目指して6所の児童相談所を対象に実施しました。

 

まとめ

アンケート調査では、市区町村への送致が適当であると判断した理由について、「リスクが軽度・軽微なケースである」という理由を挙げた回答者が多い結果となりました。このことからも、面前DVのリスク評価が重要であると考えられます。その一方で、リスクの観点以外にも、「市区町村による支援の方が合理的・効率的である」という理由から、面前DV事案を市区町村へ送致するかどうかの判断を行う場合もあることが分かりました。

ヒアリング調査の結果からも、面前DV事案の市区町村送致の基準や考え方はさまざまであることが分かっています。当事業の結果を参考にしつつ、地域の状況に応じて、児童相談所と市区町村とが協議し、その地域に合った、面前DV対応におけるもっとも効果的な市区町村送致の方法を検討していくことが望まれます。

執筆

有限責任監査法人トーマツ
リスクアドバイザリー事業本部  ヘルスケア 

※上記の部署・内容は、掲載日時点のものとなります。2023/04

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