調査レポート
警察向け「「児童福祉」がわかるハンドブック(仮称)」作成に係る調査研究報告書
警察官・警察職員のための「児童福祉が分かる」ハンドブック(概要版)を公開
デロイト トーマツ グループは、厚生労働省令和3年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業の採択を受け「警察向け「「児童福祉」がわかるハンドブック(仮称)」作成に係る調査研究」を実施しました。この事業では、アンケート調査等の活動や有識者による委員会での検討を経て、「警察官・警察職員のための『児童福祉が分かる』ハンドブック」を作成しました。
調査研究事業の背景・目的
これまでに、先行研究の中で、児童福祉に携わる者を対象とした、警察の組織、体制、考え方、児童虐待事案への対応等が分かる資料(ハンドブック)が作成され、活用されているところではありますが、「警察」向けに作成された「児童相談所等の対応をはじめとする児童福祉分野が分かる資料」はない現状がありました。
当調査研究事業では、このような背景に鑑み、警察と児童相談所等との間で、より一層相互理解を進め、連携して行う取組の推進に資することを目的として、警察に向けた「「児童福祉」がわかるハンドブック(仮称)」を作成し、全国の都道府県警察、児童相談所等に配備することになりました。
調査研究事業の内容
当調査研究事業で行った具体的な活動としては1.検討委員会の設置・開催、2.都道府県警察本部を対象としたアンケート調査、3.警察官・警察職員のための「児童福祉が分かる」ハンドブックの作成の3つです。
なお、上記3.の活動においては、ハンドブック素案の内容が現場の声や感覚と乖離がないかを確認するため、児童相談所及び市区町村を対象としたアンケートも実施しました。
ハンドブック作成にあたっては、警察向けに、児童虐待事案への対応を中心とした児童福祉についての理解を深めてもらうための、また、警察のみならず児童相談所や市区町村といった、連携して児童虐待事案への対応を行う関係者間の相互理解を深めてもらうためのハンドブックづくりを目指しました。
警察側において普段疑問に思うことや質問したいと感じることの実態にできるかぎり則したものにするため、まず、警察側へのアンケート調査を実施し、児童虐待を中心とした児童福祉に関する質問項目を収集しました。
このアンケート調査には、すべての都道府県警察本部から回答があり、整理した結果として1,000以上の質問項目が寄せられました。
当該アンケート調査結果をもとに検討委員会での議論を重ねる中で、マニュアルにQ&A形式で掲載する項目として45項目を絞り込み、それ以外にも、基礎編及び用語集にて、児童虐待を含め広く児童福祉に関する基礎的情報や用語の解説をとりまとめました。この過程の中で、警察、児童相談所、市区町村それぞれにおける児童虐待への対応のフローを示すこと、また、警察側からは見えにくい、児童相談所と市区町村の役割分担を示すことが有意義であると考えられ、ハンドブックにおいて記載しています。
まとめ
本事業で作成したハンドブックが、警察と児童相談所等との間でより一層相互理解を深め、連携した取組を推進していくことの一助となれば幸いです。
なお、このハンドブックは警察と児童相談所、市区町村が、互いの理解を深め、児童虐待事案について連携して取り組むことを支援するために作成したものであり、双方の対応について機密性の高い情報を含んでいることから、ハンドブックの全編は非公開とし、ハンドブックを要約することにより作成した「公開用概要版」を一般公開することになりました。
警察官や警察職員の皆様は勿論のこと、広く児童福祉に関わる方や児童福祉に関心を持つ方も是非ご参照ください。
執筆
有限責任監査法人トーマツ
リスクアドバイザリー事業本部 ヘルスケア
※上記の部署・内容は、掲載日時点のものとなります。2022/4
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