Brexit Newsletter (UK)-vol.9

最新動向/市場予測

Deloitte UK 日系企業サービスグループ 『Brexit Newsletter (UK) - vol.11』

この2か月間のBrexitに関する動きを纏めてご紹介(2016年9月6日)

先週は、日本の「英国EU離脱に関する政府タスクフォース」がEU離脱交渉過程での要望事項を纏めた「英国及びEUへの日本からのメッセージ」を公表した。

Brexitに関する最近の動き ※詳細資料(PDF)より一部抜粋

Brexitに関する国民投票から2か月が経過し、夏も終わりに近づいているが、今週はこの2か月間でのBrexitに関する動きを纏めて紹介する。また、先週は、日本の「英国EU離脱に関する政府タスクフォース」がEU離脱交渉過程での要望事項を纏めた「英国及びEUへの日本からのメッセージ」を公表した。

以下は、Deloitte UKのチーフエコノミストの私見を含む、国民投票後、先週までのBrexitに関する主な動きである。

  •  今年の夏は、6月23日のBrexit国民投票結果に大きな衝撃を受けて始まった。英国のその後の10週間は、恐れていた状況よりはよい状況であったと思われる。
  •  ここまで、Brexitの衝撃はシステミックなものではなかった。経済的な影響は国内にとどまり、国外に悪影響が及ぶ兆候はほとんど見られなかったと思われる。リーマン破綻後の2008年から2009年や、2010年から2011年の欧州債務危機の際には危機的な状況にあった金融部門の各種ストレス指標も低いままである。
  •  Brexitは政治的ターニングポイントであり、その長期的影響は計り知れない。そういった意味では、労働党の勝利(1945年)やThatcher元英首相の圧倒的勝利(1979年)と共通するものがある。しかし、Brexitは世界経済に衝撃を与えるものではなかったと思われる。
  •  国民投票に至るまでの英国経済はまずまずであった。第2四半期のGDPの成長率は、堅調なビジネス投資と個人消費によって上昇した。国民投票の結果、英国株や英ポンドが急落し、2017年の成長見通しは大幅に下落した。

 

Brexitと欧州の政策及び経済に関する先週の主な動きは以下のとおりである。

  • 日本の「英国EU離脱に関する政府タスクフォース」は、欧州進出日系企業や主要経済団体からの意見を踏まえEU離脱交渉過程での要望事項を纏めた「英国及びEUへの日本からのメッセージ」と題する文書を採択し、公表した。
  • 英国の有権者のBrexitに対する反応は、国民投票直後には後悔の感情が見えたものの、その後はそれほど国民感情に変化はなく冷静に受け止めているように見受けられる。8月の第1週にYouGovが行った世論調査によると、回答者の46%がEU離脱の判断は正しかったと答え、誤りだったと答えた人は42%だった。IPSOS MORIの調査では、英国の有権者にとって一番の懸念は依然として難民問題であり、次いでEU問題、国民保健サービス(NHS)問題となっている。それに加えて、住宅に関する懸念が1974年以降では最高の水準まで高まっている。YouGovが先週スコットランドで行った調査では、Brexitの国民投票結果にもかかわらず、独立に関する国民投票の再実施に反対しているスコットランド人は50%に達し、賛成は37%であった。
  • 8月31日に行われたBrexitに関する特別閣議でTheresa May首相は、EUとの「裏口」からの関係継続は有り得ないと述べた。同首相はまた、EU離脱によりEUからの移民に対して新たに制限を加えることはできるが、現行の規則では、それは英国のEU単一市場へのアクセスの確保とは両立しないものだとも述べた。
  • 英国政府は、リスボン条約第50条に基づく通知の時期を2017年まで先送りする可能性も示している。本音では2017年秋まで遅らせたいという思惑があるようにもみえる。これにより、Brexitが来年のフランス大統領選挙、ドイツ議会選挙と重なり混乱することが避けられる。また英国にとっても、交渉準備を整え、Brexitに備えた組織能力を構築するための時間的猶予が与えられる。
(PDF, 397KB)

Brexit Newsletterのバックナンバーはこちらのページからご確認ください。

>>Deloitte UK 日系企業サービスグループ 『Brexit Newsletter (UK) 』バックナンバー

デロイト トーマツ グループのBrexit 関連情報

日本のデロイト トーマツ グループにおけるBrexit関連情報は下記特設サイトにてまとめております。 

>>Brexitに関する特設サイト 

>>オンラインフォームより問い合わせを行う<<

※お問い合わせにつきましては、担当者よりメールにて順次回答しておりますのでお待ちくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

お役に立ちましたか?