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調査レポート
グローバル企業4,000社超の開示から導出されたDXによる企業価値向上への要諦
「デジタル戦略」、「戦略に即したテクノロジー」、「デジタル変革能力」の3つの取り組みと意図ある開示
デロイトはデジタルトランスフォーメーションに関する取り組みが企業価値の向上に資するものと企業価値を損ねかねないものを明らかにするために、グローバル企業4,000社以上の10年におよぶ財務開示を分析した。
日本企業が学ぶべき視点
「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は今や一般用語になり、何らかの形で関ったことがある方が大半になったのではないか。国内企業においても2周目、3周目の取組ステージに差し掛かっており、多くの事例やハウツーも容易に手に入るようになった。しかし、DXの取組みが真に成果に結びつき企業価値の向上に繋がった事例を見たことがあるだろうか?
こうした視点で世にあふれる事例・取組みを見てみると、結局どのような効果があったのか、ひいては企業価値向上に繋がったのかどうか言及があるものがほとんどないことに気付く。特定業務の効果効率が改善した、顧客数が増加した、売上が向上した、という言及はあるかもしれないが、この取組みに対する投資も加味した当該企業体における総合的なインパクトを分析した考察は見当たらない。DXの要諦は“トランスフォーメーション”にあるはずなので、企業全体に何らかのインパクトを与えるべきであり、DX取組みの成否を問うならばやはり企業価値向上で見るべきであろう。
調査レポート「デジタルトランスフォーメーションの真の価値を引き出す:その進むべき道と落とし穴」からの気付き
2023年はGenerative AI元年と言えるかもしれない。多くの方がChatGPTに触れ、その威力や有用性、AIの進化に感嘆したものと思う。このような表現が本レポートの新規性や有用性を説明するに今や分かりやすいかもしれない。ニューヨーク証券取引所に上場している4,651社(2022年4月現在)のSEC(米国証券取引委員会)に提出している10-K年次報告書18,039件、約300万ページを学習し「DX取組みのうち企業価値にポジティブ・ネガティブにインパクトを与える要諦は何か?」と問うた際に導出された示唆である。示唆導出には経験を積んだデロイトのコンサルタントがデータソースを明確にし、得られた示唆の確からしさやその意味の検証を行っている。
本レポートでは国内DX取組みに対して以下の気付きを与えてくれる:
- 既にDXに取り組んでいる企業は、個別施策の紹介に留まるのではなく、それが企業価値に具体的にどのように、どれだけ貢献したのかまで言及し開示すべきである
- DXは継続的な取り組みであるため今後のDX取組みに対しては、最終的に企業価値にどのように、どれだけ貢献させるつもりか言及すべきである
- その際に、到達地点を示すDX戦略について語るのは当然だが、加えて具体的にどのテクノロジーにどれだけ投資するか、変革能力をどのように具備し発揮するか、の2点にも必ず言及すべきである
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