Deloitte Insights

Tech Trends 2019

Beyond the digital frontier 日本版

Tech Trends 2019の各章はどれも、イノベーションと成長という視点から有望なテクノロジートレンドを紹介する。CIOにとって、戦略的な目標を追求するための道筋になれば幸いである。

日本版全文(PDF)

本レポート最新版「Tech Trends 2019:Beyond the digital frontier」では、不確実な環境からデジタル変革に挑む道程を主題としている。これまで「Tech Trends」レポート発行の都度、永続的に考察すべきテーマが増えており、また市場環境も驚くべき速さで変化している。10年前、当時既知であったトレンドやイノベーションを自社に取り入れることができれば、たいていの企業が競争優位を維持できた。しかし現在では、既に存在するものを採用するだけの受動的なアプローチでは、もはや十分とはいえない。ゲームの勝者となるためには、新たなイノベーションとその可能性を敏感にとらえ、将来の目標とデジタルフロンティアの先へ向かう道筋を見定めなくてはならない。

Tech Trends 2019〔PDF, 14.2MB〕

日本版発行に寄せて

早いもので「Tech Trends」の日本語版発行は今回で5回目になる。1回目から関わってきた中で、技術の移り変わりや活用方法の変化を海外と日本を対比させながら、過去に紹介したトレンドが現在では当たり前のものとなり、時には使い古されているものも散見される状況を見て、デジタルの時代を迎えた企業経営はますますスピードと環境変化への対応が最重要課題になってきたと言えよう。

今回のサブタイトルは「Beyond the digital frontier」。前回の「The symphonic enterprise」が個別技術の組合わせによる企業変革をテーマにしてきたことに対して、今回は企業のデジタルトランスフォーメーション実現に向けた重要テーマが取り上げられている。前回よりもより大きな視点をもって、且つ個別の技術に関してもより具体的な活用の形に言及している。これまで毎回取り上げられてきたアナリティクスやブロックチェーンといった個別テーマがなくなったことからも、複合的な技術の活用による真のデジタルトランスフォーメーション実現がトレンドとなっていることがわかるだろう。

では、現在の日本企業はどのような立ち位置にいるのだろうか。もちろん企業によってその歩みの速度は様々だが、私が日頃目にする多くの日本企業は、前回の「Tech Trends」の日本語版発行時よりもさらにグローバルとの差が開いていると感じている。今回から個別トピックでなくなったブロックチェーンを例にとっても、日本ではまだその技術の検証や活用方法の模索が日々続いているのに対して、海外ではもはやブロックチェーンは基礎技術としてさまざまな面に活用されており、技術そのものを議論することは皆無になっている。多くの日本企業において、既に海外で確立された技術・活用方法等を上手く取り入れ、デジタルトランスフォーメーションを加速させるアプローチが採られていないことの弊害といえよう。スピードが求められるデジタル時代において、昔ながらの自前主義を貫き、同業他社動向を気にする多くの日本企業にとって、変革の時が来ていることを感じ取ってもらいたい。

今回の「Tech Trends」の日本語版を、自社の立ち位置を客観的に測る視点から目を通してもらえると幸いである。常日頃企業を第三者的に見る役割を担う我々のような立場から見るのではなく、自社のこととして危機感を持てるかどうかが非常に重要である。もちろん、自社の取組みが進んでいて感じないのであれば何の問題も無いが、日本企業はこれまでの歴史の中でITに対する課題を多く抱えてきているため、胸を張って問題が無いと言える企業は少数であろう。残念ながら、日本企業のCxOは欧米のCxOに比べてデジタルをはじめとするテクノロジーに対する理解が低いことは、複数のリサーチ機関の調査によって明らかになっている。日本企業のCxOに危機感を伝えることは我々の仕事でもあるが、今一度読者の企業内で「Tech Trends」に対する討議と活用に向けたアクションを起こしてもらいたい。

安井 望
デロイト トーマツ グループ 執行役員 パートナー
Digitalテクノロジー担当 Chief Technology Officer (CTO)

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Tech Trends 2019 ー Beyond the digital frontier

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