Posted: 08 Jul. 2021 10 min. read

Trade Searchによる作業効率向上~2日かかった100品目のHSコード検索が1.5時間に短縮~

澁澤倉庫株式会社様 インタビュー

2021年5月26日、クラウドベースのHSコード検索エンジン「Trade Search」の正式リリースから2カ月が経とうとする頃に、澁澤倉庫様にTrade Searchの使用感についてお話を伺いました。

左から:

澁澤倉庫株式会社 国際営業部 部長代理 通関士有資格者  柴﨑 寛宣 様

澁澤倉庫株式会社 国際営業部 国際輸送営業所 所長  小池 賢司 様

※所属・役職は取材時のものとなります。

澁澤倉庫株式会社 概要

1897年、澁澤榮一が現本社所在地で、澁澤家直営事業として創業。現在、総合物流企業として、全国約60拠点、総延床面積約200千坪を有し、海外では中国、香港、ベトナムを始めグローバルに物流業務を展開。創業者の精神を受け継ぎ、正しい道理で追及した利益だけが永続し、社会を豊かにできると考え、物流を越えた新たな価値創造により、持続可能で豊かな社会の実現を支えるため、Challenge挑戦・Create創造・Cooperate共創で、進化を続けています。

https://www.shibusawa.co.jp/

簡単にHSコードや事前教示などを調べられるITツールを探していた

多くのFTA/EPAが発効されることにより、2年ほど前からお客様からそれらの活用について多くお問い合わせをいただくようになりました。しかし、当社にはそのようなノウハウが少なく、ITシステム会社に関税関連情報を取りまとめたシステムを作ることができないのかと打診したところ、そのような情報システムを開発するのはとても難しいとの回答でした。そこで、有効なITツールがないかをインターネットで検索していたところ、デロイト トーマツ税理士法人のオンラインツールであるHSコードの特定をサポートする検索エンジン「Trade Search」と出会いました。

 

■今までHSコードと関税率調査でしてきた多くの苦労

取り扱っている輸出入品が多品種かつ小ロットのため、品目分類のためのお客様への材質・用途等確認事項が多くなり、通関士のHSコードの採番作業の負荷が増加しています。また、お客様から新たに輸入する製品の関税率の問合せも増加傾向にあります。

HSコードの採番作業の依頼がある度に、社内の通関部に照会していました。分類作業が数百件に達することもあり、その場合には通関士への負荷が課題となっていました。そこで、営業部でも問い合わせに対応をできるような仕組みを作りたいと思い、ITツールを探していました。もちろん、HSコードの採番作業のスピードおよび精度も上げたいという思いもありました。

Trade Searchを導入する前は、HSコードを調べる際に主に「輸出統計品目表」や「実行関税率表」を参照し、補助的なツールとして税関ホームページ等で調べるというプロセスでした。この「本」をめくり、確認すべきところに付箋を貼り、更にマーカーで注意点を記録するという煩雑な手作業でHSコードの採番作業を行うのは時間が掛かります。例えば100品目を調査するのに丸2日間を要していました。

営業部は外回りがあるため分厚い「本」を持ち歩くことはできませんので、お客様からいただく関税率や品目分類等に関するお問い合わせにタイムリーに答えられないという苦悩もありました。

また、社内で通関関連のデータやノウハウを何らかの形で蓄積したいという思いが常にありました。なぜなら関税関係の専門用語が分からなければインターネットで調べても適切なHSコードにたどり着くことがかなり難しいためです。

澁澤倉庫様

 

■価格面とアフターサポートの安心感が導入の決め手

Trade Searchの導入の決め手となったのは価格面もそうですが、なんといってもアフターサポートの安心感でした。外資系のツールも検討していましたが、日本に拠点があるデロイト トーマツ税理士法人なら日本語によるスピーディーなサポートに加え、アドバイザリーサービスも支援してもらえるという安心感がありました。

また、実行関税率表および輸出統計品目表が一元管理されており、調べたい内容に素早く到達できることは大変便利だと感じました。

 

■ノウハウの蓄積を実現し、属人化を解消することでHSコードの採番作業を正確かつ効率的に

Trade Searchの導入により、現状では、越境ECの航空貨物の申告について、営業部員がお客様からの情報に基づき、各品目のHSコードを調べ、通関部門が正しく申告できるように必要な情報を提供し、通関部門の通関士が最終チェックをする、という業務プロセスを試してみています。結果として、作業時間を大幅に短縮することができました。また、今まで短納期で対応が難しい品目の多い案件でも対応が可能になりました。具体的に言うと、今まで100品目を調べるのに丸2日かかっていましたが、Trade Searchを使った検索では関連性のあるコードが即座に表示されるため、90分程度で調べられるようになりました。

我々は日中間の輸出入で、海外のHSコードや関税率を調べることもよくありますが、Trade Searchによる検索で、海外各国の関税率等もある程度目安をつけることができ、現地税関に問い合わせる手間もかなり短縮できたと思います。

お客様への説明が難しかったHSコードの採番根拠も、Trade Searchで調べた結果と事前教示回答事例等の資料を提示することが可能になり、Trade Searchにたくさんのデータが集約されているからこそだと切に感じています。

また、今まで税関の専門用語が分からないと正確なHSコードに辿り着けませんでした。例えば、通関用語ではジュースは混合ジュース、酒は清酒となっています。Trade Searchには豊富な類義語が設定されていますので、通関の専門知識が限られている営業担当でも一般用語から簡単にHSコードが検索できます。この点が本当に素晴らしいと感じています。先日も、電子タバコの商品名をTrade Searchに入れて検索してみたら、「加熱式たばこ」と出てきて驚きました。(注:Trade Searchでは10万件の類語を登録/2021年5月時点)

このようにTrade Searchでは一般的な用語からでもHSコードを特定することができますので、通関部内だけではなく、営業部でも教育とノウハウ・データの蓄積が可能になりました。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中、Trade Searchはクラウドベースの検索システムであるため、営業部では在宅勤務の時や外回りの時にも活用することができます。つい最近もお客様との商談中に、お客様からのご質問に回答するために、その場でTrade Searchを使ってHSコードを調べることができました。

 

■Webタリフ検索やCASナンバー検索などの機能も便利

Trade Searchの一番のバリューとして感じているのは、繰り返しになりますが100品目の越境ECに関するHSコードを調べるのに90分でできたということからも言えるように、そのHSコード採番作業のスピードアップを可能にするところです。豊富に類義語を設定しているために一般用語と関税関連法令用語が紐づいている上、webタリフで関税率も検索できることは非常に素晴らしく、さらにCASナンバーからHSコードを調べられる機能も大変便利です。化学物品は同じ成分でも、分類が色々あって、それを調べるのに大変苦労していたため、各種情報が収められていて大変便利だと感じました。(注:CASナンバー登録は約7万件/2021年5月時点)

加えて、「いいね」ボタンをクリックすることにより、当社以外のユーザーが調べた実績も蓄積されて、ただのデータベースではなく、ユーザー参加型のソリューションにより分類の精度がアップしたことを実感しました。

これからの、Trade Searchの機能とデータがますます充実することを期待しています!

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デロイト トーマツ税理士法人

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