Posted: 13 Feb. 2023 2 min. read

三原市佐木島でのワーケーション体験

デロイト トーマツ グループでは、2022年にワーケーション導入に向けたモニターツアーを2回実施しました。私も去年の10月から11月にかけて、ワーケーションのモニターツアーに参加し、三原市に行ってきました。3日間楽しいことだらけでしたが、その中で訪ねた佐木島のことを中心に書いてみたいと思います。

 

佐木島に初めて渡って思ったこと

ワーケーションツアーの中では、2日目の午後から船で佐木島に行くプログラムが組まれていたのを一番楽しみにしていました。日本にはさまざまな島があります。群馬県のような「海なし県」を除けば、日本の都道府県で島が1つもないのは大阪府だけしかありません(埋立地は島に数えません)。行ったことのない、新しい島に渡る時はいつでもわくわくするものです。

佐木島は周囲およそ18㎞の、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。三原港から高速船でたった10分と少しの場所で、便数は1日10往復以上あり、時刻表を見ると数字がびっしり書いてある感じがします。日本の離島には、フェリーが1日1便しか来ないところもあります。一生に限りがあると思うのはそういう島に渡った時です。ここにもう1回来るのは大変だ、生きているうちにまた降り立てるだろうかと思うからです。しかし、佐木島に渡った感覚はそれとは全然違いました。またいつでも来られると思うだけで明るくなれる島でした。

佐木島は、春の桜やトライアスロンなどが有名ですが、島ごと観光地という場所ではありません。竹が密集して、見るからに荒れた場所もあります。竹に経済的な価値はないが、荒れるに任せると土砂崩れの原因になるので、頑張って竹林を整備しているとのことでした(私もノコギリで竹を切ったことがありますが、竹の木を切るのは大変だと思いました)。

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高齢化の進む島では、病院がない(診療所しかない)など不便なことがいろいろあります。島の人が、「そういう場所だと思って暮らしています」と話していたのが印象的でした。離島であってもなくても不便な場所はあると思いますが、ただ観光で行っても地元の人と話す時間は少なく、そういうことは実感できないものです。尊敬する人や職業は1つでも多い方がいいし、好きな場所は1つでもたくさんある方がいいと思いますが、その人や職業を具体的に知ろうとしなければ尊敬するところまでたどり着けないし、そこを訪れなければ好きな場所を増やすことはできません。

 

ワーケーションを通して新しい熱意と友情を見つける

佐木島以外にも楽しかったことはたくさんあります。何より、参加した皆さんと仲良くなれたことが一番よかったです。同じグループ内でも所属も世代も違うメンバーが集まり、普段とは異なる環境で過ごしたワーケーションでしたが、参加メンバーと会うたびに、三原は本当にいいところだった、好きになった、また行きたい、そんなことばかり話しています。あと、ワーケーションですから仕事の話もしなければと思います。海を見ながらパソコンに向かうのは初めてのことでしたが、「来週のセミナーではこんな話し方をしてみよう」みたいなアイデアが、いつもより早く出てきた感じがします。普段と違う場所で働くので、何でもいつもと同じということはありません。例えば、会社の机と椅子ではなくて、瀬戸内海が見えて、ちゃぶ台と座布団のある部屋で仕事をするだけで、新しい発想が出てくるということが起こります。「熱意の形は無数にある。」(『幸福論』バートランド・ラッセル著・安藤貞雄訳(岩波書店))ワーケーションは新しい熱意を探すきっかけになりえるものだと思いました。

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執筆者

デロイト トーマツ税理士法人 高崎事務所 マネジャー 西野 拓

デロイト トーマツ グループのWell-being(ウェルビーイング)