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デジタル広告の『買い方改革』の必要性について
広告主意識調査結果から見えるデジタル広告の買い方の違い
内閣官房の「デジタル広告市場の競争評価 最終報告」では、デジタル広告市場の課題の一つとして、デジタル広告の質に係る問題が挙げられています。この問題の解決には、デジタル広告のサプライチェーンのスタート地点となる広告主の意識・行動の改革=『買い⽅改⾰』が重要です。本記事では、経済産業省のデジタル広告相談窓口事務局で行った広告主への意識アンケート調査結果を元に、デジタル広告の買い方改革について解説します。
デジタル広告の質にかかわる広告主の意識
デジタル広告には、ブランドセーフティ(広告掲載先メディアの安全性)、アドフラウド(広告詐欺)、ビューアビリティ(広告の視認性)等の品質上の問題が存在します。これらの問題に対し、広告主は高い関心を持っており、広告出稿の際には品質を気にしている事がうかがえます。
広告主の意識・行動の間にあるギャップ
多くの広告主はデジタル広告の品質を気にする傾向にはありますが、品質を気にしている広告主に限定し、対策方法について聞いた質問では、実際にアドベリフィケーションなどの対策ツールを利用しているのは、わずか16%しか存在していませんでした。
また、デジタル広告の品質の健全化に取り組むべき事業者について聞いた質問では、広告主自身を大きく上回って、広告代理店が取り組むべきと考えており、広告代理店任せになっている現状が窺えます。
この様に広告主においては、デジタル広告の品質の問題についての意識と行動の間に大きなギャップある事が見て取れます。
デジタル広告の「買い方改革」
次の運用型デジタル広告に介在している各事業者の費用配分の把握状況とアドベリフィケーション利用率をクロス集計したグラフで分かる様に、運用型広告の取引実態を把握している感度が高い広告主層では、その約4割超がアドベリフィケーションを利用している状況です。
デジタル広告の品質問題に強い関心を持ち、自ら対策している「買い方改革」を既に実行している広告主も日本でも一定数存在している事がわかります。
この様な「買い方改革」を実践する広告主が今後、国内でも広がっていくことが、デジタル広告の品質の健全化に繋がってゆくものと思われます。
明日からできる「買い方改革」
デジタル広告の質の問題の対策手法としては、デジタルメディアの取捨選択(PMP、純広告、アドネットワークなど)、掲出面の取捨選択(ブロックリスト、セーフリストの活用など)、取引先の取捨選択(JICDAQ認証の確認、対策の有無確認など)、アドベリフィケーションの活用(Postbid、Prebid、モニタリング)などが挙げられます。
しかし、費用や工数がかかることから、上記すべての対策を行うには高いハードルがあるのが現状です。「買い方改革」に向けて、まず明日からでも広告主にできることとしては、デジタル広告の質の問題について関心を持つことです。そのうえで、自社に必要な対策は何かを考えていくこと=当事者意識が重要であると考えます。
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