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業界展望2022 小売
パンデミックが小売業界にもたらすグレート・リセット
小売業界は新型コロナウイルスによるパンデミック下で新たな課題が生まれ、厳しい状況が続いていたが、一方でこれらの逆風は良い結果をもたらしてもいる。今回のパンデミックはいろいろな意味で、長年の懸案事項であった「小売業界のグレート・リセット」への扉を開き、多くの小売企業がこれまでよりも安定した収益性の高い立ち位置を獲得できる可能性を広げた。
小売業界の将来に関する予測は、ここ2年近く厳しいものであった。2022年に入っても状況が改善しているとは言いがたい。
しかし、これらの逆風はいくつかの前向きな結果をもたらしており、小売企業は、長年にわたり業界を作り上げてきた戦略とレガシーシステムの見直しを迫られている。
2022年には、小売企業が長期的かつ持続可能な効果を実現するためには、パンデミック発生時に開始した改善策を再開する必要がある。
時代遅れになったサプライチェーンの再構築、在庫管理の規模の適正化、価格設定の見直し、プロモーション頻度の見直し、リアル店舗の改革などが期待できる。それらを実現するためには、小売企業には大きな変革を見据えた長期的なコミットメントが必要になると思われるが、これらの取り組みは、今後小売企業におけるビジネスのやり方を大きく変えることになるだろう。
3つの小売業界のトレンドと優先事項
デロイトでは米国小売業界の幹部50人に、今後12カ月間の業界の展望について意見を尋ねた。その結果得られたデータや、デロイトが提供したクライアントサービス、過去の調査等から得られたインサイトを組み合わせることで、小売業界の今後に役立つ戦略や投資計画のスナップショットを提供する。
小売企業は、パンデミック後も続くと思われる大きな課題に直面しているが、同時に将来の混乱に向けた準備となりえる想定外の機会も存在すると考えられる。小売企業は、雇用主として、また消費者ニーズに応えられる企業として、あるいはより良い企業市民として、小売業界の次の時代に立ち向かうために、どのようにリセットすべきかを考える必要がある。また、現在の混乱を受け入れ、将来に軸足を移すことに尽力しなければならない。
本レポートはDeloitte Touche Tohmatsu Limited が発表した内容をもとに、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社が翻訳・加筆したものです。和訳版と原文(英語)に差異が発生した場合には、原文を優先します。
原文(英語)レポートは以下よりご参照頂けます。
2022 Retail Industry Outlook (PDF,664KB)