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応用地域学会で、デロイトアナリティクス高橋が不動産の分析に関する論文を発表
テキストデータの利活用により、予測精度の改善へ
2020年11月28日/29日に開催された第34回応用地域学会研究発表大会で、有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクス所属の高橋 雅士が「Addressing Appraisal Land Prices Heterogeneity by Appraisers’ Free Writing Remarks - 不動産鑑定士の自由記述を用いて、不動産鑑定価格の異質性に対処する」と題し論文発表を行いました。
不動産は数多くの属性に特徴づけられる著しく差別化された財であり、一般的にその価値の判定は困難です。そのため、日本では不動産市場に精通した専門家である不動産鑑定士による鑑定評価活動が盛んに行われ、また地価公示法に基づいて適正な地価情報の公示が毎年実施されています。
こうした不動産の属性の多くは構造化された数値属性として観測することが困難であり、不動産価格の形成要因を分析する上での主要な課題でした。そのため、不動産に関するテキストデータを補足的に分析に活用する研究・事例が近年注目されています。
本論文では不動産属性と価格の関係を精緻に分析するため、東京都の公示地価を対象に、従来利用されていた数値属性に加えて、新たに不動産鑑定評価書内のテキストで記述された属性を説明変数とした回帰モデルを推計しました。当該テキストデータは不動産の様々な特徴を不動産鑑定士が自由記述の形で記録したものであり、数値属性だけでは観測できない不動産価格の形成要因を明らかにすることが期待されます。今回の主要な分析結果は以下に挙げられます。
- テキストデータを利用することで、利用しないモデルと比較して平均二乗誤差(RMSE)が最大約25%減少するなど、予測精度が向上しました。
- テキストデータを利用することで、一部の従来利用されていた数値属性の説明変数における潜在的な欠落変数バイアスが改善されることが示唆されました。
本論文はテキストデータを用いて、不動産鑑定士の専門的観点を統計的な回帰モデルに組み込みました。なお利用した統計分析やテキストデータの特徴量選択に関する手法は、特定業界に限らず多くの企業の参考となり得るもので、需要予測やアンケート結果の分析にも応用できるものです。
デロイト トーマツ グループにおいてデロイトアナリティクスはデータ分析に関するアドバイザリー業務や、AI利活用などテクノロジー活用に関する支援を行っております。ご関心のある企業のご担当者さまはお問い合わせフォームよりご連絡ください。
■発表者プロフィール
高橋 雅士
有限責任監査法人トーマツ デロイトアナリティクス
2020年に有限責任監査法人トーマツに入社。金融機関におけるデータを活用した法人営業の効率化・高度化支援に従事。修士(経済学)。
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