IFRS財団の評議員会は、サステナビリティについてのイニシアチブの戦略的な方向性及び次のステップを発表  

2021年3月2日から4日の会議で、IFRS財団の評議員会は、サステナビリティ報告についての協議ペーパーに対して受け取ったフィードバックの分析及び議論を継続し、将来の戦略的な方向性を結論づけた。
 

2021年2月（デロイトトーマツのWebサイト－※1）に評議員会が議論した最初の3つの質問についての受領したフィードバックは、国際的で広く認められる一連のサステナビリティ報告基準の必要性及びIFRS財団が当該基準の開発において役割を果たすことを、すでに示していた。

さらに2021年2月、証券監督者国際機構（IOSCO）代表理事会は、資本市場のニーズを満たすサステナビリティ報告基準を設定するための新しい審議会を創設する計画を策定するにあたり、IFRS財団と協力するIOSCOの意向を示すプレス・リリース（金融庁のWebサイト－※2）を公表した。

本協議に対するフィードバックについてのさらなる議論及びIOSCOのリリースによる奨励に基づき、評議員会は、戦略的な方向性及びこのイニシアチブにおけるされなるステップについて結論づけた。

設立される新しいサステナビリティ基準審議会（SSB）は、

• 投資者、融資者及び他の債権者の意思決定に重要性がある情報に焦点を当てる。
• 他のESG事項についての投資家の情報ニーズに対しても作業するが、当初、気候関連報告についての取組みに焦点を当てる。
  
• 金融安定理事会（FSB）の気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）の確立された作業とともに、企業価値に焦点を当てたサステナビリティ報告についての主要な基準設定主体の提携による作業に基づいて進める。
  
• 広範なサステナビリティを捕捉する報告の要求事項について調整のために柔軟性も提供するものの、グローバルに整合的で比較可能なサステナビリティ報告のベースラインを提供する基準を公表するために、主要な法域の基準設定主体と作業を行う。
  

評議員会は、気候関連財務開示基準のプロトタイプ（IAS Plus－英語※3）を、新しい審議会が気候関連報告基準を開発する可能性のある基礎として検討することも発表した。

さらなるステップに関して、評議員会は、以下を行う。

• 評議員会は、協議ペーパーに対して受領した回答及びどのようにフィードバックが評議員会の決定に情報を提供したかを要約したフィードバック文書を公表する予定である。
• 評議員会は、その構成を含め、新しい審議会の創設を正式化するために必要なIFRS財団の定款の変更案を、一般のコメントを求めるために公表する。
  
• 変更案に関して、IFRS財団のモニタリング・ボードと引き続き取り組む。

評議員会は、2021年11月の気候変動枠組条約第26回締約国会議（COP26）の前に、新しい審議会についての最終決定を行うことにつき順調であることを強調している。

さらなる情報は、IASBのWebサイトの評議員会のfull announcement（IASBののWebサイト－英語※4）を参照いただきたい。

※1》IFRS財団の評議員会は、グローバルなサステナビリティ基準及び次のステップを議論（デロイトトーマツのWebサイト）

※2》証券監督者国際機構（IOSCO)が国際的なサステナビリティ開示基準の緊急性に係るプレス・リリースを公表（金融庁のWebサイト）

※3》Prototype climate-related financial disclosure standard（IAS Plus－英語）

※4》IFRS Foundation Trustees announce strategic direction and further steps based on feedback to sustainability reporting consultation（IASB－英語）