「金融機関向けIFRSニュース 2020年10月」(2020年11月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2020年10月」(2020年11月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
デロイトが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2020年10月」
デロイトが発信するIAS Plus(外部サイト)の情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約しております(※1)。
<今月のハイライト>
- 『IFRS in Focus - 新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項』の和訳の更新:
新型コロナウイルス感染症により生じ得るIFRS会計上の重要な考慮事項について解説した、当ニュースレターの和訳が更新されました(「継続企業の前提」及び「流動性リスク管理」に係る開示の明確化、「配当及び資本管理」及び「コモディティ売買契約」に関する新規サブセクション、「政府援助」及び「コベナンツ違反」に関する明確化等を反映)。
- 新型コロナウイルス感染症がIFRSの適用に与え得る影響に関するIASBの記事の公表:
IASB理事のMary Tokar氏及びテクニカル・スタッフのSid Kumar氏は、新型コロナウイルス感染症に関連する財務報告上の主な検討事項に関する記事を公表しました。当記事は、不確実性の高い時代に財務諸表を作成する上で仮定を置く際、何を検討する必要があるか、また、用いた仮定についてどのような情報を開示すべきかに焦点を当てた、IFRS財団バーチャル会議のパネルディスカッションに基づいています。
- 不確実性の時代における財務報告に関する英国財務報告評議会(FRC)のガイダンスの公表:
FRCは、2020年における財務報告の重点分野に関する2つのガイダンス(「新型コロナウイルス感染症:資源、行動、未来 - 将来への展望」及び「新型コロナウイルス感染症:継続企業の前提、リスク、持続可能性 - 将来への展望」)を公表しました。当ガイダンスでは実務における事例等が紹介されています。
- 『IFRSに基づくモデル財務諸表(2020年)』の掲載:
当モデル財務諸表は、2020年12月31日に終了する会計年度におけるIFRS基準に基づく表示及び開示の要求事項について説明しており、特に新型コロナウイルス感染症及び気候変動の影響を受ける開示については、該当箇所にそれぞれアイコンを付し、Appendix 1に該当箇所の一覧表を掲載しています。
- 『目的に基づく事業報告 in Focus - 包括的なグローバル基準に向けた機運の高まり』(サステナビリティ関連を含む)の掲載:
当ニュースレターは、デロイトの『IFRS in Focus』のパートナー出版物であり、サステナビリティ(持続可能性)基準に向けた進展を含む、企業報告に影響を及ぼす目的に基づくビジネス慣行に関する最新動向を提供します。今回は、IFRS財団の評議員会によるサステナビリティ基準策定に関する協議文書及びEUの非財務報告基準の策定に向けた準備作業を行うためのEFRAGタスクフォースの作業計画について説明しています。
<今月の記事一覧>
※1 公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。なお、時制は、各記事の掲載時点のものとなります。
※2 発信元の正式名称は、「金融機関向けIFRSニュース 2020年10月」(右上のPDF)内のページ末尾にある凡例をご参照ください。
<記事本文>
新型コロナウイルス感染症
【トーマツ】
- 『IFRS in Focus - 新型コロナウイルス感染症に関連する会計上の検討事項』の和訳が更新されました。
当ニュースレター(全40ページ)は、IFRS基準を適用した財務諸表を作成する際に、企業が検討すべき主要な新型コロナウイルス感染症に関連する論点を解説しています。
【DTT】
- 『新型コロナウイルス感染症とIFRS第9号「金融商品」:ステージ判定に伴う困難』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、2020年8月に健全性監督機構(PRA)及び金融行為規制機構(FCA)が新型コロナウイルス感染症に関連した住宅ローンの支払猶予に係るガイダンスを公表したことを受け、IFRS第9号における当該支払猶予に関するステージ判定について説明しています。
【IASB】
- 新型コロナウイルス感染症がIFRSの適用に与え得る影響に関する記事が公表されました。
IASB理事のMary Tokar氏及びテクニカル・スタッフのSid Kumar氏は、新型コロナウイルス感染症に関連する財務報告上の主な検討事項に関する記事を公表しました。
【EU】
- EUが新型コロナウイルス感染症に係る賃料減免に関するIFRS第16号「リース」の修正を正式に採択しました。
EUは、「Covid-19に関連した賃料減免(IFRS第16号の修正)」を採択する実施規則を公表しました(発効日はIASBと同じ2020年6月1日)。
【FRC】
- 不確実性の時代における財務報告に関する英国財務報告評議会(FRC)のガイダンスが公表されました。
FRCは、2020年における財務報告の重点分野に関する以下2つのガイダンスを公表しました。
- 「新型コロナウイルス感染症:資源、行動、未来 - 将来への展望」(全24ページ)
- 「新型コロナウイルス感染症:継続企業の前提、リスク、持続可能性 - 将来への展望」(全21ページ)
金利指標改革
【ASBJ】
- 実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」に寄せられたコメントが公表されました。
ASBJは、2020年6月3日公表の実務対応報告公開草案第59号「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い(案)」に寄せられたコメント、及びそれらに対する対応を公表しました。
【JICPA】
- 「業種別監査委員会報告第24号「銀行業における金融商品会計基準適用に関する会計上及び監査上の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」が公表されました。
日本公認会計士協会(業種別委員会)は、業種別監査委員会報告第24号「銀行業における金融商品会計基準適用に関する会計上及び監査上の取扱い」を改正しました。今回の改正に当たって、「6.LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」が新設されています。
- 「業種別監査委員会報告第25号「銀行業における外貨建取引等の会計処理に関する会計上及び監査上の取扱い」の改正について」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」が公表されました。
日本公認会計士協会(業種別委員会)は、業種別監査委員会報告第25号「銀行業における外貨建取引等の会計処理に関する会計上及び監査上の取扱い」を改正しました。今回の改正に当たって、「5.LIBORを参照する外貨建取引等に関するヘッジ会計の取扱い」が新設されています。
金融商品
【DTT】
- 『Accounting Spotlight – 現在予想信用損失 – 導入後の複雑性』(USGAAP関連)が掲載されました。
当ニュースレター(全5ページ)は、新たな現在予想信用損失基準の導入後に直面する複雑性に焦点を当てています。
サステナビリティ
【DTT】
- 『目的に基づく事業報告 in Focus - 包括的なグローバル基準に向けた機運の高まり』(サステナビリティ関連を含む)が掲載されました。
当ニュースレターは、デロイトの『IFRS in Focus』のパートナー出版物であり、サステナビリティ基準に向けた進展を含む、企業報告に影響を及ぼす目的に基づくビジネス慣行に関する最新動向を提供します。
- 『ローン市場におけるサステナビリティ』が掲載されました。
デロイト英国事務所の金融業界の専門家による当記事では、近年欧州のローン市場にて急成長しているサステナビリティ・リンク・ローン(別称:ESGローン)の概要及びグリーンローンとの相違点、並びに、ボンド市場と比べてローン市場ではサステナビリティに関するより具体的な仕組みがある点について概説しています。
【IFRS Foundation】
- IFRS財団評議員会がサステナビリティ報告に関する記事を公表しました。
IFRS財団は、サステナビリティ報告に係る国際的に認知された基準の開発においてIFRS財団が担い得る役割について説明する記事(約5ページ相当)を公表しました。
- IFRS財団評議員会がサステナビリティ報告に係るコンサルテーションについて短いビデオを公表しました。
IFRS財団は、サステナビリティ報告についてコンサルテーションを行う理由及び質問事項について説明するビデオ(約4分)を公表しました。
- IFRS財団評議員会によるサステナビリティのコンサルテーションに関する英語ウェブセミナーが開催されます。
IFRS財団の評議員会は、9月に開始したサステナビリティのコンサルテーションに関する英語のウェブセミナー及び質疑応答(最大60分)を2020年11月17日に開催します。
のれん及び減損
【トーマツ】
- 「IASBディスカッション・ペーパー「企業結合-開示、のれん及び減損」の2回目の日本語ウェブセミナー」(IAS Plusの記事の和訳)が掲載されました。
IASBは、ディスカッション・ペーパー「企業結合 - 開示、のれん及び減損」に関する第2回目となる日本語のウェブセミナー(約45分)を、2020年11月4日18時(日本時間)より開催します。
【IASB】
- IASB及び欧州会計学会(EAA)がのれんに関するバーチャル・アカデミック・リサーチ・セミナーを開催します。
2020年10月30日、IASB及びEAAは、IASBのディスカッション・ペーパー「企業結合 - 開示、のれん及び減損 」及び関連する学術文献に関するバーチャル・リサーチ・セミナーを開催します。
【AASB & IASB】
- のれん及び減損に関するアジア・オセアニア・バーチャル・アカデミック・リサーチ・セミナーが開催されます。
2020年11月16日に、IASBはオーストラリア会計基準審議会(AASB)と共同で、アジア・オセアニア地域の学界を対象としたバーチャル研究セミナーを開催します。
表示及び開示
【DTT】
- 『IFRSに基づくモデル財務諸表(2020年)』が掲載されました。
デロイトが作成した当モデル財務諸表(全208 ページ)は、2020年12月31日に終了する会計年度におけるIFRS基準に基づく表示及び開示の要求事項について説明しています。
- 『Heads Up - SECが銀行業の登録企業の開示に係る要求事項を更新する最終的な規則を公表』(USGAAP関連)が掲載されました。
当ニュースレター(全9ページ)は、SECが最近公表した、銀行業及び貯蓄貸付業の登録企業の統計情報の開示に係る要求事項を更新及び拡大する最終規則について説明しています。
【ESMA】
- 欧州証券市場監督局(ESMA)が2020年財務諸表に係る監督上の優先事項を公表しました。
ESMAは、上場企業の2020年財務諸表を評価する際、特にフォーカスするトピックとして以下を挙げています。今年は特に新型コロナウイルス感染症関連項目に焦点が当てられています。
・ IAS第1号「財務諸表の表示」の適用:継続企業の前提、重要な判断、見積りの不確実性、新型コロナウイルス感染症関連項目の表示
・ IAS第36号「資産の減損」の適用:のれんの回収可能価額、無形資産及び有形資産が、様々な分野の経済見通しの悪化により影響を受ける可能性がある場合
・IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第7号「金融商品:開示」の適用:金融商品から生じるリスクに関する一般的な検討事項、及び金融機関の予想信用損失の測定におけるIFRS第9号の適用に関する具体的な検討事項
・ IFRS第16号「リース」の適用に関する特定の論点:賃料減免の会計処理に関する救済措置を適用する借手による明示的な開示
訂正一覧
【IASB】
- IASBが訂正一覧を公表しました。
IASBは、IFRS第7号「金融商品:開示」の訂正一覧表(スペルミス、連番や文法上の誤りといった軽微な誤りの訂正表)を公表しました。なお、当訂正により基準書の意味やその適用が変更されることはありません。
会議
【IASB】
- 2020年9月のIASB会議の議事メモ(DTT作成)が掲載されました。
2020年9月22日・23日に開催されたビデオ会議では、以下のトピックが議論されました(一部抜粋)。
・動的リスク管理(口頭でのアップデートのみ)
・ワーク・プランのアップデート
- 第7回IASBリサーチ・フォーラムにて議論予定の学術論文が公表されました(無形資産の会計処理、予想信用損失会計の導入に係る自己資本規制上の経過措置の検討を含む)。
2020年11月2日・3日に開催されるIASBの第7回リサーチ・フォーラム(バーチャル会議)では、以下を含む論文が発表及び議論される予定です。
・ 無形資産の会計処理:推奨される解決策
・ IFRS第9号に基づく予想信用損失モデルへの移行:自己資本規制における経過措置と銀行のシステミック・リスク
【IFRS Foundation】
- IFRS財団がIFRS解釈指針委員会によるアジェンダ決定のコンピレーション(第3巻)を公表しました。
IFRS財団は、2020年4月から2020年9月までのIFRS解釈指針委員会によるすべてのアジェンダ決定(関係者からの質問に対し、現行基準に変更の必要がない場合に、基準の適用方法について解説するものが一般的)を含む「アジェンダ決定のコンピレーション – 第3巻」(全14ページ)を公表しました。
【IFRS AC】
- 2020年11月のIFRS AC会議(IFRS諮問会議)のアジェンダが公表されました。
2020年11月3日・4日に開催される当会議のアジェンダには、以下のトピックが含まれています。(一部抜粋)
・サスティナビリティ
その他の記事
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