「金融機関向けIFRSニュース 2024年9月」(2024年10月掲載) ブックマークが追加されました
ナレッジ
「金融機関向けIFRSニュース 2024年9月」(2024年10月掲載)
銀行・証券・保険・リース・クレジットカード
Deloitteが発信する IFRS関連の総合ナレッジサイト「IAS Plus」等より、特に金融機関(銀行、証券、保険やリース・クレジットカード会社等)に関連性の高いグローバルな最新動向を日本語で集約しご紹介しております。
「金融機関向けIFRSニュース 2024年9月」
Deloitteが発信するIAS Plusの情報等のうち、特に金融機関に関連性の高い情報(IFRS関連に加え、日本基準やUSGAAP関連であっても関心が高そうな情報を含む)を日本語で集約し、金融機関等の皆様に向けて週次でニュース配信しております。以下は、配信した週次ニュースを月次単位(記事日付の属する月基準)で集約した記事一覧・概要(一部抜粋)となります。実際の詳細な週次ニュース配信のご要望等ございましたら、右上のお問合せからお問合せください。なお、公式の翻訳ではありませんので、参考情報としてご活用ください。時制は、各記事の掲載時点のものとなります。本文中の団体・組織名の略称については、リンク先の<凡例(PDF))>をご参照ください。
<今月のハイライト>
◆表示及び開示
■ IASBがキャッシュ・フロー計算書及び関連する基準を見直すことを発表
IASBからキャッシュ・フロー計算書及び関連する基準の包括的な見直しが公表されました。これはキャッシュ・フローを営業・投資・財務の各区分へ分類する際の要求事項や株式交換等の非資金取引に関する追加開示など利害関係者からの改善要請に基づくもので、IASBは今後、利害関係者との協議や現行のキャッシュ・フロー計算書で識別されている課題の評価等に関する調査を行った上で、2025年の第1四半期までに最初の調査結果を評価することを予定しています。
◆その他
■ Deloitteが2024年版IFRS財務諸表の例示を公表
Deloitteは、IFRS財務諸表の表示と開示の理解を手助けする2024年版IFRS財務諸表の例示を公表しました。当該モデル財務諸表は2024年5月15日以前に公表され、2024年1月1日に開始する事業年度より強制適用となるIFRS会計基準の修正を反映したものとなります。
■ IASBが「IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の修正」を公表
IASBは、2024年9月19日にIAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」(202X年改訂)の公開草案を公表しました。本修正案は、2011年のアジェンダ協議のフィードバックを基に提案されたものであり、利害関係者の持分法の適用方法に対する懸念(例えば重要な影響力または共同支配を維持している所有持分の変動等が不明確である等)に対応することを目的としており、本修正案に対するコメントを2025年1月20日まで募集しています。
Deloitteでは、ニュースレター「iGAAP in Focus - Financial reporting:IASBが、持分法をどのように適用するかに関する投資家の適用上の質問に回答するため、IAS第28号の修正を提案する」を発行(日本語版はこちら)し、当公開草案の概要を解説しています。
■ IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューが完了
IASBは、IFRS第15号の適用後レビューの完了を公表しました。当該レビューは2022年9月に開始され、2023年6月には基準の要求事項に関する利害関係者からのレビューを求めるための情報要請が発行されておりましたが、IASBは、情報要請に対するフィードバックを検討した後、新たな要求事項は意図した通りに機能しており、致命的な欠陥はないと結論付けました。
なお、適用後レビューにおいて優先度が低いとされた論点等につきましては、次回のアジェンダ協議に含めて検討される予定です。
<今月の配信記事一覧>
<記事概要>
サステナビリティ
【IFRS Foundation】
(2024年9月25日)
IFRS財団はISSB基準を任意適用する企業を支援することを目的としたガイドを公表しました。
IFRS財団は、規制による適用が求められていない中でISSB基準を任意適用する企業を支援するため、「ISSB基準の任意適用:作成者向けガイド」(原題:Voluntarily applying ISSB Standards-A guide for preparers)を発表しました。本ガイドは、企業がIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」及びIFRS S2号「気候関連開示」の適用を開始する際の進捗状況を明確に伝達できるように整備されており、作成者のために適用をサポートするために整備された基準の2つの要素(経過措置及びプロポーショナリティ )に焦点を当てております。
【TISFD】
(2024年9月23日)
不平等・社会関連財務開示タスクフォース(TISFD)が発足しました。
2024年9月23日に、TISFD(The Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures:不平等・社会関連財務開示タスクフォース)が正式に発足したことが発表されました。TISFDは、気候変動関連のTCFD、生物多様性関連のTNFDに続いて、社会関連の情報開示イニシアティブとして設立されました。TISFDは、企業や金融機関が、不平等を含む社会問題に関連する影響やリスクと機会について、ISSBやGRI、ESRS等の既存の情報開示フレームワークと互換性のあるフレームワークを提供することを目的としています。
(2024年9月20日)
不平等・社会関連財務開示タスクフォース(TISFD)の設立準備組織は、TISFDの設立に関するフィードバック概要を公表しました。
TISFDは、不平等を含む社会問題に関連する影響やリスクと機会について、フレームワークを提供することを目的に9月下旬に設立されました。
2024年5月にTISFDの設立準備組織は、2024年9月のTISFDの正式な発足に向けてウェブサイトを開設し、設立に関する説明資料の公表及び資料に対するフィードバックを募集しました。本レポートは、フィードバックの概要をまとめたもので、タスクフォースが対象とする範囲、権限、ガバナンス構造、及びマテリアリティ・アプローチに関する回答をまとめています。また、フィードバックの回答者は、TISFDに対して、ISSBの人的資本に関する基準設定プロジェクトやその他の基準設定主体と協力することを求めています。
【TIG】
2024年9月19日に開催される当会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。
- 提出された他の質問に関する報告
- サステナビリティ関連のリスクの識別とリスク軽減活動の検討
- 報告企業の一部に対する法域の救済の適用
- IFRS S2号「気候関連開示」で明示的に参照されていない金融活動及び資産クラスに関連するスコープ3カテゴリー15の温室効果ガス排出
- 法域の当局が異なるGWP(地球温暖化係数)の使用を義務付けた場合の最新のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)評価からのGWP値の使用
表示及び開示
【IASB】
(2024年9月17日)
IASBは、キャッシュ・フロー計算書及び関連する基準を見直すことを発表しました。
これはキャッシュ・フローを営業・投資・財務の各区分へ分類する際の要求事項や株式交換等の非資金取引に関する追加開示など利害関係者からの改善要請に基づくもので、IASBは今後、利害関係者との協議や現行のキャッシュ・フロー計算書で識別されている課題の評価等に関する調査を実施の上、2025年の第1四半期までに最初の調査結果を評価することを予定しています。
全般
【Deloitte】
(2024年9月11日)
『iGAAP in Focus —財務報告: Closing out — 報告の重点領域』が掲載されました。
当ニュースレター(全25ページ、2024年9月更新版)では、2024年9月現在の経済的及び地政学的環境を考慮して関連する可能性のある財務報告の問題を明示しています。また、規制の焦点となる分野や会計基準の最近の変更にも焦点を当てており、主に以下のトピックについて言及されています(日本語版はこちら)。
- 不確実性と財務報告
- 財務諸表における気候関連リスク
- サステナビリティ報告の動向
- 通貨と超インフレ
- 新たな会計上の要求事項(2024年1月以降の会計年度より適用の会計方針の開示を含む)
- その他の報告に関する検討事項
- 期中財務報告
【EFRAG】
(2024年9月23日)
EFRAGはIASBの公開草案「財務諸表における気候関連及びその他の不確実性に関する設例案」に対してコメントレター案を公表しました。
EFRAGは、IASBが2024年7月31日に公表した公開草案IASB/ED/2024/6「財務諸表における気候関連及びその他の不確実性に関する設例案」に対して、コメントレター案で以下について言及しています。なお、コメントレター案に対する意見提出期限は2024年11月15日、IASBの公開草案に対する意見提出期限は2024年11月28日です。
<主な内容>
- 設例案は、既存のIASBの教育的資料に加えて、IFRS会計基準を適用するための有用な指針となると考えています。
- 設例案は、利害関係者の期待に応えるための最初のステップとして見るべきとしています。
- コネクティビティに焦点を当てることの重要さと、財務諸表やその他の年次報告書の内外の情報の境界線を明確にするための作業の重要さを繰り返し表明しています。
会議
【IASB】
(2024年9月26日)
2024年9月のIASB会議の議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。
2024年9月16日から18日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。各トピックの主な暫定決定事項は下記のとおりですが、詳細はASBJによるIASB Updateの日本語訳(こちら(ASBJのウェブサイト))をご参照下さい。
- 動的リスク管理
(暫定決定事項あり)- IASBは、動的リスク管理(DRM)モデルを適用する企業に対して、財務諸表の利用者が理解できる情報を提供するために以下の事項を開示するように求めることを暫定的に決定しました。
- 企業の金利リスク管理戦略とそれが金利変動リスクを管理するためにどのように使用されるか
- 企業の金利リスク管理活動が将来キャッシュ・フローの金額、時期及び不確実性に与える影響
- 企業の金利リスク管理活動が財政状態計算書及び純損益計算書に与える影響
- IASBは、企業がDRMモデルの適用中止することを要件される状況を示す要求事項、及び企業が当該中止を財務諸表においてどのように会計処理するかについて審議し、以下を暫定的に決定しました。
- 企業の金利リスク管理戦略が変化(管理されている金利リスク又は当該リスクをどのように管理するのかに関する変更)する場合には、DRMモデルの適用を中止する。
- 現在の正味オープン・リスク・ポジション(CNOP)に含めている基礎となる項目が引き続き存在する場合又は将来の取引が依然として発生すると見込まれる場合には、DRM調整をリスク管理の対象期間に渡って純損益に認識する。
- 企業がリスク管理戦略を変更する場合を除き、DRMモデルの適用を中止することやCNOPの決定に含めた基礎となる項目が引き続き適格要件を満たす場合にそれらを取り除くこと、及び指定したデリバティブの指定を取り消すことは認めない。
- IASBは、動的リスク管理(DRM)モデルを適用する企業に対して、財務諸表の利用者が理解できる情報を提供するために以下の事項を開示するように求めることを暫定的に決定しました。
- 電力購入契約
(暫定決定事項あり)- IASBは、公開草案(ED)「再生可能エネルギーに係る契約」で提案された修正の範囲を最終決定することを暫定的に決定しました。これは、提案された修正の範囲内の契約を明確にすることを条件としています。
- また、EDに含まれる自己使用の修正について暫定決定しました。この最終決定は、自然に依存する電力を購入する契約へのIFRS第9号2.4項の適用に関する要求事項案とIFRS第9号の2.4項から2.7項の要求事項との関係を明確にするとともに、企業の追加的な考慮事項についても触れています。
【IASB/FASB】
(2024年9月30日)
2024年10月のIASBとFASBの合同教育セッション会議のアジェンダが公表されました。
2024年10月11日に開催される当会議では、以下を含むトピックを議論する予定です。
- 電力購入契約
- デリバティブの定義
- 財務諸表における気候関連リスク及びその他の不確実性
- 収益認識
- リース
- 企業結合 ― 開示、のれん及び減損
- 現在予想信用損失(CECL)に基づく購入金融資産
【ISSB】
(2024年9月24日)
2024年9月のISSB会議の議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。
2024年9月18日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。
- ISSBのワーク・プランに対する投資家の視点
(暫定決定事項なし) - 優先度の高いセクターに対するSASBスタンダードの詳細な検討(暫定決定事項なし)
- SASBスタンダードにおける生物多様性、生態系及び生態系サービス(BEES)並びに人的資本に関するリスクと機会
(暫定決定事項なし)
なお、SSBJによるISSB Updateの日本語訳は、こちら(SSBJのウェブサイト)に掲載されています。
【IFRS IC】
(2024年9月16日)
2024年9月のIFRS解釈指針委員会会議の議事メモ(Deloitte作成)が掲載されました。
2024年9月10日に開催された当会議では、以下を含むトピックが議論されました。
- 他の企業の債務に対して発行される保証契約
(暫定決定事項あり)- IFRS ICは、企業が財務諸表において、特定の事実パターンにおける共同支配企業の債務に対して発行される保証契約に関して、どのように会計処理するかについての要望書を受領しました。スタッフは、提出された事実パターンは非常に特殊であり、特定の事実と状況のわずかな違いによって結論が変わり得るため、委員会が本件について結論を出すことは適切ではないと考えており、その代わりに、企業が発行する保証を会計処理する際に考慮する特定のIFRS会計基準について、暫定的なアジェンダ決定を公表することを提案しました。IFRS ICの全メンバーは、提出された3つの事実パターンの会計処理方法について結論を出さないという決定に同意し、保証契約について企業がどの基準を適用するかを決定するためのフレームワークとフローチャートによるディシジョン・ツリーを提供するというアプローチを支持しました。
- IFRS第16号「リース」の適用後レビュー
(暫定決定事項なし)
なお、ASBJによるIFRIC Updateの日本語訳は、こちら(ASBJのウェブサイト)に掲載されています。
ワーク・プラン
【IASB/ISSB】
(2024年9月23日)
IASB及びISSBがワーク・プランを更新しました ─ 変更点の分析(2024年9月の会議等)
2024年9月のIASB会議及びISSB会議の結果を受けて、ワーク・プランが変更されました。
コンバージェンス
【ASBJ】
(2024年9月13日)
現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました(2024年9月13日公表分)。
ASBJは、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。
<主な改訂点>
- リースに関する会計基準
- 2024年9月13日に公表されたことに伴い、開発中の会計基準から削除されました。
- 上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱い
- 以下の内容が新たに追加されました。
- 各論点について検討を行い、2024年9月に公開草案を公表することを目標としている
- 以下の内容が新たに追加されました。
(2024年9月20日)
現在開発中の会計基準に関する今後の計画が改訂されました(2024年9月20日公表分)。
ASBJは、日本基準及び修正国際基準(IFRSと企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計基準)の開発に関する検討状況、及び今後の計画の改訂を公表しました。
<主な改訂点>
- 上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱い
- 2024年9月20日に移管指針公開草案第15号(移管指針第9号の改正案)「金融商品会計に関する実務指針(案)」(コメント期限:2024年11月20日)を公表した旨が追加されました。
(2024年9月5日)
第532回企業会計基準委員会の概要が公表されました。
ASBJは、2024年9月3日に開催された第532回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、審議は動画(YouTube)公開されました。
<審議事項の一部>
- 企業会計基準「リースに関する会計基準」等【公表議決】
- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- 債権単位での信用リスクの著しい増大の判定に関する再提案
- ステップ4を採用することが見込まれる金融機関等の代表者への意見聴取及び質疑応答等で聞かれた意見を踏まえ、取扱いの再提案が行われました。再提案の概要は下記の通りです。
(1)正常先の取扱いについては、①企業の判断によりSICRの判定を行うアプローチ1を採用し、②「SICRが生じているとみなす格付」に分類された債務者に係る債権等について、(ア)債務者単位で前期末において「中間的な格付」に分類されていた場合(イ)債務者単位で前期末において「SICRが生じているとみなす格付」に分類されているもののSICRが生じていないと反証した場合に、SICRが生じていないと反証できるとする。
(2)その他要注意先以下に区分される債務者に係る債権の取扱いについては、以前の提案から変更せず、①その他要注意先に対する債権等は、SICRが生じているとみなしつつ、その他要注意先に区分された後に貸し付けたかどうかによって、債権単位で反証可能とし、②要管理先及び破綻懸念先等に対する債権等については、SICRが生じているものとみなす。
(3)予想信用損失の見積期間については、①会計基準に「1-3年ルール」は取り入れず、②ステップ4では、その他要注意先及び要管理先に対する債権について、それぞれの区分の単位で、リスク特性が類似した金融資産のグループごとに契約の実態に応じた平均残存期間を用いることができることとし、また、状況に大きな変化がないと考えられる場合には一度決定した平均残存期間を見直さないことができるとする。
(4)貸倒実績率をSICRの判定における閾値として活用することについては、事務局からの提案はないが、委員や専門委員、金融機関の代表者からSICRの考え方と整合的な貸倒実績率の利活用に関する具体案が提示された場合には、提案された具体案について検討することが考えられる。一方、引当金の金額の算定に関して、過去の貸倒実績率に将来予想情報等の調整を加えることによって、貸倒実績率を利活用することは可能であると考えられる。
- ステップ4を採用することが見込まれる金融機関等の代表者への意見聴取及び質疑応答等で聞かれた意見を踏まえ、取扱いの再提案が行われました。再提案の概要は下記の通りです。
- 債権単位での信用リスクの著しい増大の判定に関する再提案
- 上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱い(企業会計基準諮問会議からのテーマ提言を踏まえ、VCファンドに相当する組合等の構成資産である市場価格のない株式を中心とする範囲に限定し、現行の金融商品会計基準等における取扱いの見直しを目的とするプロジェクト)
(2024年9月18日)
第533回企業会計基準委員会の概要が公表されました。
ASBJは、2024年9月18日に開催された第533回企業会計基準委員会の審議資料を公表しました。当委員会では、今回、以下を含む事項が審議されました。また、審議は動画(YouTube)公開されました。
<審議事項の一部>
- 移管指針公開草案「金融商品会計に関する実務指針(案)」【公表議決】(上場企業等が保有するベンチャーキャピタル(VC)ファンドの出資持分に係る会計上の取扱い)
- 金融資産の減損に関する会計基準の開発
- 債権単位での信用リスクの著しい増大の判定に関する再提案
- 複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重
- 補足文書の文案を検討する際に、将来予測シナリオにおける将来予測の考慮方法についてどの程度示すことができるか議論を行う。 - 実効金利法に関連する論点
- 貨幣の時間価値の考慮に関して、ステップ4における追加の対応は不要と考える。 - その他の論点
- ①直接償却の取扱い、②金融保証契約への引当、③ローン・コミットメントへの引当に関して、ステップ4においてステップ2/3と異なる定めを設ける必要はないと考えられる。
- 複数シナリオの考慮を含めた結果の確率加重
- 債権単位での信用リスクの著しい増大の判定に関する再提案
その他
【Deloitte】
(2024年9月18日)
Deloitteは2024年版IFRS財務諸表の例示を公表しました。
Deloitteは、IFRS財務諸表の表示と開示の理解を手助けする2024年度版IFRS財務諸表の例示を公表しました。
(2024年9月24日)
『iGAAP in Focus - Financial reporting:IASBが、持分法をどのように適用するかに関する投資家の適用上の質問に回答するため、IAS第28号の修正を提案する』が掲載されました。
Deloitteから、IASBが2024年9月19日に公表した公開草案『IAS28号「関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資」の修正案の概要のニュースレター(全7ページ)が掲載されました(日本語版はこちら)。
【IASB】
(2024年9月19日)
公開草案「IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」の修正」が公表されました。
IASBは、2024年9月19日にIAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」(202X年改訂)の公開草案を公表しました。本修正案は、2011年のアジェンダ協議のフィードバックを基に提案されたものであり、利害関係者の持分法の適用方法に対する懸念(例えば重要な影響力または共同支配の取得に伴う所有持分の変動時の適用方法)に対応することを目的としています。なお、IASBは、本修正案に対するコメントを2025年1月20日まで募集しています。
<提案されている主な変更点>
- 重要な影響力又は共同支配を獲得する投資者の所有持分の変動
- 重要な影響力又は共同支配を維持している投資者の所有持分の変動
- 関連会社または共同支配企業との取引
なお、ASBJによるプレス・リリースはこちら(ASBJのウェブサイト)に掲載されております。
(2024年9月30日)
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用後レビューが完了しました。
IASBは、IFRS第15号に関する適用後レビューの完了を公表しました。本適用後レビューは、2022年9月に開始され、2023年6月には基準の要求事項に関する利害関係者の意見を求めるための情報要請が公表されていました。また、適用後レビューでは、新たな要求事項の明瞭性と適合性、適用による財務諸表利用者の便益、及び適用と監査するためのコストの観点から評価することとしていました。IASBは、情報要請に対するフィードバックを検討した後、新たな要求事項は意図した通りに機能しており、致命的な欠陥はないと結論付けました。
また、優先度が低いとされた事項については、適用後レビュー以外で他に識別された優先度の低い論点とともに、今後のアジェンダ協議で取り上げるか検討する予定です。これらには、IFRIC第12号「サービス移譲契約」の適用、IFRS第10号「連結財務諸表」及びIFRS第11号「共同支配の取決め」に関する問題が含まれています。さらに、IFRS第16号「リース」の適用後レビューで識別される問題についても検討される予定です。