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ナレッジ
米ARRCがLIBOR移行に関するベンダー向けのベスト・プラクティスを公表
ARRC Recommended Best Practices for Vendors on Completing the Transition from LIBOR
米ARRC(FRBが設置した代替参照金利委員会)は、LIBORからSOFR(Secured Overnight Financing Rate)への移行を推進すべく、ベンダーに対するベスト・プラクティス、および各ベンダーの準備状況の調査結果を公表しました。
1. 概要
- ARRCは、2021年末までにLIBORを廃止するため準備を行っているサードパーティベンダーを支援するため、一連の推奨ベストプラクティスを公表した。
- 当該ベスト・プラクティスは、LIBORの終了まで残り20カ月であることを背景として、ベンダーの移行作業を加速させることを目的としている。
- 取るべき短期的な手順について、およびLIBORベースでの新たな活動が実施されるべきではない日付 (Sunset) を含むガイダンスが提示された。
- また、移行準備状況のサーベイの集計結果も公表し、市場参加者の状況把握を促している。
2. ベスト・プラクティスと調査結果
ベスト・プラクティス:
移行に関連するサードパーティのテクノロジーおよび運用ベンダー、特に上流および下流の関連システム (例えば、記帳、評価および会計のためのもの) は、SOFRをサポートするために必要なすべての機能強化を2020年末までに完了する必要があるとし、ARRCは商品ごとの性質の差異を考慮した上で、ベンダーの準備完了日付を以下の通り設定した。
変動利付債:2020年6月30日まで
商業ローン:2020年9月30日まで
消費者ローン:2020年9月30日まで
証券化商品:2020年12月31日まで
調査結果:
- 影響分析
大部分のベンダーが、LIBOR移行の状況をよく認識しており、自社の製品とサービスに対する影響分析は実施済みである。同時に、ほとんどのベンダーが何らかの影響を受けると回答。 - 要件定義の外部依存
大半のベンダーが、変更が必要となる主要機能を特定し十分にその内容を理解している。一方で、要件定義を確定する上で外部での何らかの決定に依存すると回答した先が38%存在した。 - 開発状況
さまざまな段階(業務要件確認、システム要件定義、開発)にあるが、相当数のベンダーが既にリリースを予定している。また、半数強の回答者は、レート移行を自動的に行うため、システム的なフォールバック処理を組み込んでいる。 - スケジュール
ほとんどのベンダーでは後方互換性が考慮されており、移行作業については既にリリーススケジュールに組み込まれている。また、多くの変更はシステムアップグレードにより行われるが見込みであるが、パッチやAPIの変更により行うところもある。なお、回答の7割近くが移行前に追加的な業界ガイダンス(変動利付債の価格設定規則など)が必要との見解を示している。
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