Deloitte Insights

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド 2020

ソーシャル・エンタープライズの実際:パラドックスを超えて

世界119か国の約9,000人におよぶ人事部門責任者、管理職等へのアンケートをもとに、組織の在るべき姿について解説しています。本調査レポートは、グローバルで継続的に実施している人事、人材、リーダーシップに関する調査としては世界最大級のものです。

テクノロジーによって動かされている世界の中で、組織は人間的であり続けることができるのか?

昨年、私たちは企業に「人間中心の組織改革」を提案し、この分野での行動を呼びかけました。しかし、新しい10年を迎えるにあたり、私たちはもう一歩先へ進む必要があると自覚しています。企業が考えるべき問題は、「テクノロジーが溢れかえる職場環境を、どのように人間的にするか」ではなく、「労働を人間的にするために、テクノロジーが創り出す環境をどのように活用すべきか」という問いかけなのです。今年のレポートでは、パーパス(存在意義)、ポテンシャル(可能性)、パースペクティブ(展望)という3つの視点に沿って、「人間とテクノロジーの融合」に向けて企業が準備すべき9の人事・組織トレンドを整理しています。

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グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド 2020【PDF: 4.3MB】

Future of Work(新しい仕事のあり方)を前提とした仕事への復帰

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を通して、私たちは「人間とテクノロジーの融合」の重要性を再確認しました。感染症対策として私たちは働き方の変革を余儀なくされ、多くの組織にとって最大の課題は、導入されたテクノロジーの価値を生かすために、人間の行動を変えることだったのではないかと私たちは考えています。今年は『グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド 2020』のレポートに加え、『Future of Work(新しい仕事の仕方)を前提とした仕事への復帰』において、withコロナ時代の新しい働き方について考察しています。

 

Future of Work(新しい仕事のあり方)を前提とした仕事への復帰【PDF: 1.26MB】

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド 2020が取り上げる9のトレンド 

テクノロジーが形成する世界との協働に基づく、人間とテクノロジーの融合という考え方に関して、今日の組織が抱えるもっとも困難な葛藤を乗り越えるためには、3つの大胆なシフトが必要です。今年のレポートでは、この3つの視点に沿って、企業が準備すべき9の人事・組織トレンドを整理しています。
 

ソーシャルエンタープライズの3つの特性と9つの人事・組織トレンドの図
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パーパス(存在意義): 個性を追求しながら、帰属意識を醸成する

テクノロジーは、ありとあらゆるものがパーソナライズ(個別化)できる世界を作り上げます。一方で、人間はより大きなものに帰属しているという感覚を求めています。一人一人が仕事に見出す「存在意義」を通じてつながり合い、従業員が一人一人の個性を通じて互いに補い合うことで、個人の力を組織の力に変えていくことが可能となります。個性を追求しながら、帰属意識を醸成することができる組織が、企業全体の存在意義も実現することができます。

帰属意識: 「安心」から「一体感」に、そして「貢献」へ 

企業に属している「安心感」を越え、従業員とチームの絆を深め共通の有意義な目標に対する貢献意識を高めることで帰属意識を強化できる組織が、より高いパフォーマンスを生み出すことができます。

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ウェルビーイング実現に向けた仕事のデザイン: 仕事も人生も健やかに 

組織パフォーマンスにつながる貢献実感を生み出すために、組織は仕事のデザインに焦点を当て、「働きやすさ」だけでなく、「働きがい」にも焦点を当てるべきです。そうすることで、従業員は充実感を得るだけでなく、最高のパフォーマンスが発揮できるように仕事を再構築し、組織への帰属意識を高めることができるでしょう。

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世代を超えた労働力: ミレニアル世代からペレニアル人材へ 

従来の組織では従業員の年齢や世代ごとに人材戦略を区分してきましたが、今日の組織においては、一つの属性に頼った見方には限界があります。「ペレニアル(多年生)人材」の概念は、世代というカテゴリーを超えて、より有意義な枠組みで人材を理解することの重要性が高まっていることを示しています。一人一人の特徴を把握することで、従業員は自分たちが組織の中で何を貢献できるかだけでなく、どのように自分らしく貢献できるかを考えるようになり、組織もより強化されます。

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ポテンシャル(可能性): 刷新が求められる世界で安心を創造する

人々は、常にテクノロジーによって自らを刷新することを迫られているにもかかわらず、その一方で安心感も求めます。刷新を脅威としてではなく、変わり続ける現実の中で安心を見つける手段として捉えることのできる組織は、生産性を向上させ、競争で優位に立つことができます。

スーパーチーム: AI をグループに加える 

先進的な組織は、AIをチームに統合する戦略を積極的に推進しています。「スーパーチーム」は、企業が新たな価値と意義を創造するために自らを刷新すると同時に、従業員も自らのキャリアを刷新して、企業の内部および広く人材市場全体における自分の価値を高める可能性をもたらしています。スーパーチームを実現できる組織は、より高度な戦略の策定および実行が可能となるでしょう。

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ナレッジマネジメント: コネクテッドな世界におけるコンテキストの形成 

先進的なテクノロジーにより、情報の見出し作成、結合、タグ付けや整理が自動的に実行できるようになりました。これらのツールを活用するために企業は、知識を共有して個人と組織の刷新に貢献し、従業員が自分の価値を高め、安心感を持って働けるような環境を整える必要があります。

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新しいスキルの獲得を超えて: 不確実な未来に対するレジリエンスへの投資 

企業は、従業員と組織のレジリエンス(強靭性)を強化するための戦略として、人材開発のアプローチを見直さなければなりません。すなわち、短期的な対応としてのリスキルに加えて、従業員、ひいては組織に 予想のつかない未来に適応するためのツールと戦略を身につけさせる必要があるのです。

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パースペクティブ(展望): 不確実な時代にこそ思い切った行動をする

人々は、テクノロジーを活用すればどんなことでも変えられると信じている一方で、大きな変化に直面したときに自分を支えてくれる確かなものを求めている側面もあります。不確実性を脅威ではなく可能性の広がりと捉える組織は、誰も見たことのない未来を形作るために一貫した行動をとることができます。

報酬の難問: より人間的なアプローチのための原則

多くの組織は、報酬制度の見直し、改革、導入の終わりのないサイクルに陥っています。不確実性に直面して大胆な行動を起こすためには、データやベンチマークに執着するだけでなく、報酬がただの数値の羅列以上のものであるという事実を踏まえ、人間性の原則に基づいた新たな道筋が必要です。

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人材戦略の手綱を握る: より良い結果を導く、新たな問いかけ

この10年間の人材戦略の進化に対して、 人事に関する指標とガバナンスは追いついていません。企業はヒューマンキャピタルの非常に重要な問題やチャンスにおいて、仕事、 労働力、職場の未来にとって思い切った決定を導く、全く新しい問いかけをし始めるべきです。

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倫理と労働の未来: 「~は可能か?」から「~をどのように行うか?」 へ

Future of Workが急速に進化し、組織が人、 テクノロジー 、代替的労働力、そして新しい働き方を統合するにつれて、リーダーたちが直面する倫理的な課題が増大する中、企業は意識的に思い切った選択を行うべきです。

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関連リンク

新型コロナウイルス感染症状況下におけるワークスタイル・人材マネジメントへの影響

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、従業員のワークスタイルや人材マネジメントに大きな影響を与えています。この特集ページでは、ワークスタイル・企業課題に関する緊急サーベイ結果やスマートワーク/リモートワーク、人材マネジメント等の知見並びに我々コンサルタント自身の工夫をご紹介します。
 

過去のグローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド

2019

本年の調査では、今後、ソーシャル・エンタープライズの社会における役割がより重要になっていくことと、ソーシャル・エンタープライズと財務的な業績の比例関係(ソーシャル・エンタープライズとしての成熟度が高いほど、より高い成長が予測されている)が示されました。

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2018

企業はもはや財務的なパフォーマンスといった伝統的な指標や、製品・サービスの質だけでは評価されません。企業がもたらす社会全体へのインパクトだけでなく、むしろ従業員、顧客、コミュニティとの関係性によって評価されるケースが増えています。すなわち、営利企業からソーシャル・エンタープライズへの転換です。

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2017

私たちは、2017年のレポートに「デジタル時代の新たなルール」という表題をつけました。なぜなら、この時代の特徴は、単なる変化ではなく、ビジネスとHRの新しいルールを創り出す「加速的」変化だからです。組織は、労働力や職場、そして仕事そのものの前提の大きな転換に直面しています。

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2017を読む (PDF: 6.96MB)
 

2016

2016年度のメインテーマ「新たな組織-デザインの転換 The New Organization – Different by Design」には、本調査の主要な結果が反映されています。過去3年の調査では「従業員のエンゲージメントとリテンション」「リーダーシップ」「組織文化」が一貫したトップの課題でしたが、当年度は「組織デザイン」が最優先課題として圧倒的な票を集めました。

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2016を読む (PDF: 5.8MB)
 

2015

人事・人材分野における2015年の課題としてデロイトが捉える「リーダーシップ開発」「グローバルな人材管理の実現」「人材育成」「IT活用」など15のトレンドについて重要度と対応度、対応の緊急性などについて回答を得ています。本報告書では、世界的に重要度の高い10+1のトレンドについて紹介します。

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2015を読む (PDF: 1.05MB)
 

2014

世界が不況から抜け出すにつれ、労働市場はかつてないほど若く、要求が厳しく、そしてダイナミックになっており、企業はこうした新たな人材と向き合う必要に迫られています。本レポートでは、今後、企業が優先して取り組むべき人事関連の諸課題を明らかにする、12の主要なトレンドを提示しています。

グローバル・ヒューマン・キャピタル・トレンド2014を読む (PDF: 1.29MB)

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