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Strategy insight for chemical industry 素材・化学メーカーの経営管理変革の方向性
素材・化学メーカーの経営管理変革の課題と将来性
素材・化学メーカーにおける全社的な経営管理改革について論じる (化学業界向けNewsletter「扉」vol.28)
Strategy insight for chemical industry 素材・化学メーカーの経営管理変革の方向性
本号では「Strategy insight for chemical industry 素材・化学メーカーの経営管理変革の方向性」と題し、素材・化学メーカーにおける全社的な経営管理改革について論じております。
グローバリゼーションの揺り戻しや技術革新により、素材・化学業界を取り巻く環境の不確実性を増し、また、中国を筆頭とした新興企業の台頭により高付加価値品市場のコモディティ化が進んでいます。
本稿ではこのような環境下において、化学・素材メーカーに求められる変革点として「グローバルで一元化されたファクトベースの意思決定」「衆知を集めるインテリジェンス機能の高度化」の2点を挙げ、その詳細について論じております。さらにこれらの変革により目指すべき全体像、変革におけるアプローチについてもあわせて論じております。
(Process Sector Newsletter「扉」vol.28 2020年2月発行)
【目次】
・不確実性の高い環境下における機会・リスクの見極めの難しさ
素材・化学業界を取り巻く環境は不確実性を増しており、化学メーカーにおいて機会・リスクを見極めることが今まで以上に難しいという課題がある。例えば、グローバリゼーションの揺り戻し。米中間の貿易摩擦影響のような動きは、一時的かそれとも中長期的に続くのかで、ビジネスに与える影響はまったく異なるため、打ち手の見極めは非常に難しい。
また、中国を筆頭とした新興企業の台頭による、高付加価値製品市場のコモディティ化速度が加速している。
・日系素材・化学メーカーに求められる課題への対応
このような、高い不確実性やコモディティ化の影響の有無・ボリュームと変化のスピードが計り知れない状況の中、事が起こってから対応策を検討しているようでは手遅れになってしまう。
・変革の方向性
今、日系素材・化学メーカーに求められている、①グローバルで一元化されたファクトベースの意思決定、②衆知を集めるインテリジェンス機能の高度化という2つの変革点について論じる。
・あるべき経営管理の全体像
前述の変革により目指す経営管理の全体像である、「中長期的な全社の方向性を決定する将来視点」「現行事業の目標達成に軸を置いた現在視点」という2点について論じる。
・日本企業の現在地
日系素材・化学メーカーにとって、事業・連結軸のP/L、B/S可視化は容易ではないという現状がある。
・変革アプローチ
これまで述べた現状を踏まえて、日系素材・化学メーカーにおける課題への必要なアプローチと、取り組むにあたっての要諦を示す。
・今こそ取り組むべき理由
理由として挙げられる「デジタルツールの充実による実現手段の拡がり」、「実現手段としてのS/4 HANA導入」という2点について論じる。