ナレッジ

化学企業のポートフォリオ転換 ~価値創造と持続可能な長期的成長~

化学企業の事業ポートフォリオ構築の重要性

化学企業は市場変化を受けて、事業ポートフォリオの選択、すなわち「自社はどの市場で戦うべきか」について事業戦略の再検討が求められています。(化学業界向けNewsletter「扉」Vol30)

化学企業のポートフォリオ転換 ~価値創造と持続可能な長期的成長~

脱炭素社会/5G化/CASEトレンドなど、化学企業を取りまく経営環境は昨今大きく変容しております。化学企業は、様々な市場への製品/部材/素材を提供する事業特性のため、自社事業が直面する多彩な環境変化を広い視野でとらえ、事業ポートフォリオを最適化していくことが重要となります。

本レポートでは、グローバル化学企業のポートフォリオ転換について、定量/定性の両面から有効性を分析し、長期的に価値をもたらす強固なポートフォリオ構築について考察いたしました。

 

尚、本レポートは、Deloitte Development LLCが発行した「Portfolio transformation in chemicals ~Creating value and sustainable long-term growth~」を和訳したものです。

原著は以下リンクよりご確認いただけます。https://www2.deloitte.com/xe/en/insights/industry/oil-and-gas/portfolio-management-in-the-chemical-industry.html

(プロセスユニットニュースレター「扉」Vol.30 2021年12月発行)

 

【目次】

1.化学企業に求められる“ドラスティックな市場変化への対応”

化学企業を取り巻く事業環境は、急激に進むカーボンニュートラルへの対応やエネルギー源の構造変化などにより、昨今特に大きな変化を見せている。こうした市場変化が加速化する中、複数市場に多用な製品を提供する化学企業は、より広い視野で変化を把握し適応していく必要がある。

 

2.化学企業にとっての事業ポートフォリオ転換

化学企業の経営層はこうした変化を受けて、事業ポートフォリオの選択、すなわち「自社はどの市場で戦うべきか」についてますます盛んに議論を行っている。化学産業の欧米系リーディングカンパニーの多くは、会社分割や事業ポートフォリオの再編を通し、株主価値の最大化に貢献できる中核事業に注力する戦略を取っている。
事業ポートフォリオの再編を積極的に検討・実行していくことが企業のパフォーマンスにどう影響しているかを把握すべく、デロイトは、2020年中に10億米ドル以上の売上高を持つ化学企業217社を対象とした調査を実施した。

 

3.変化の羅針盤:事業ポートフォリオ変換による影響

事業ポートフォリオの選択は、事業がうまくいっている時には重要視されないが、行き詰っている時には大きな重みを持つことがある。どのような判断が事業ポートフォリオを成功に導く可能性が高いかを、実際の事業ポートフォリオ転換に取り組んだ企業の実例と共に考察する。

 

4.事業ポートフォリオ検討:選択とトレードオフ

事業ポートフォリオ戦略を検討する際、企業には通常、次の3つの戦略オプションが考えられる。

(1)中核事業のセグメントの製品/サービスラインを拡大する
(2)中核事業を中心とした周辺事業へ拡大する
(3)完全新規事業に参入する

これらの選択にあたって、製品/サービスのタイプや成長性に関わる重要なトレードオフを考慮することの重要性を論じる。

 

5.持続可能な長期的成長に向けた事業ポートフォリオの構築

事業ポートフォリオ戦略の基本は、何に投資し、何を維持し、何を売却するか、についての戦略的意思決定を行うことである。化学企業はどのようなステップで長期的な価値をもたらす強固な事業ポートフォリオ構築を、検討/実行していけばよいだろうか。デロイトが推奨する5段階のプロセスを紹介する。

 

6.成功する事業ポートフォリオの構築と管理
7.訳者による後書き

※同業企業・学生の方のお申込みはご遠慮いただいております

お役に立ちましたか?