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大学経営を支援するマネジメントセミナー(2020年度)開催報告

環境が変化する中で、求められる大学経営とは

2020年11月27日、今年も「大学経営を支援するマネジメントセミナー」を開催いたしました。第1部では文部科学省高等教育局私学部参事官(学校法人担当)の大杉氏にご登壇いただき、第2部は当法人のパートナー奥谷が担当しました。

執筆者: 公認会計士 奥谷 恭子

 

【第1部】「私立大学を取り巻く諸課題とこれからの学校法人経営」

第1部は、文部科学省高等教育局私学部参事官(学校法人担当)の大杉住子氏より、新型コロナウィルス感染症のほか、学校法人を取り巻く外部環境の変化の現況等をご紹介いただきつつ、今後の持続的経営に取組めるための各種施策等を解説いただきました。

長期的な視点から「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」のご紹介をいただきつつ、一方で、新型コロナウイルス感染症を踏まえた学校法人の運営についての関係文書(制度)や対応事例をご紹介いただき、実務的にも大変有用な情報をお話しいただきました。私立大学への経営支援や各種施策を取りまとめをされる大杉氏ならではの視点で、このコロナ禍において、「複雑で予測困難な変化」に対する個人や組織のレジリエンスを備えることや、学校や教員の役割の再確認が重要であることを強調されました。

あわせて、学校法人を持続的に経営することに関し、近年の経営環境を紹介しつつ、文部科学省における学校法人に対する経営指導体制や学校法人運営調査の状況を解説いただきました。さらに、地域連携プラットフォーム構築、大学等連携推進法人制度等、最新制度の紹介や今後の学校法人制度改革の動向情報もお話いただきました。

学校法人運営に大変有用なお話を多くいただき、このコロナ禍の今だからこそ、学校の意義を改めて確認できる貴重な場となりました。

 

【参考】講演スライドの一部

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【第2部】「これからの学校法人経営に活かす具体的手法」

第2部は、有限責任監査法人トーマツ パブリックセクター・ヘルスケア事業部パートナーの奥谷が、学校法人経営に係る諸課題解決に長年関わってきた公認会計士の立場から、各大学の環境変化に対応していくための工夫を事例を交えて具体的に解説しました。

学校法人を取り巻く環境変化として「デジタル環境の変化」「社会からの期待の増加への対応」「働き方改革等による事務処理環境の変化」が主なものとして挙げられることを紹介しました。こういった環境変化への対応については長期的に取り組んできた大学が多かったところですが、新型コロナウィルス感染症の影響により、将来ではなく、今「実現すべき事項」となってきました。こうした中で、「IR・データ活用」「情報セキュリティ対応」「ガバナンス強化」「組織再編(合併・統合)」「業務効率化」「DX対応」「中期的な計画・リスクマネジメントの見直し」の7点といった具体的な対応方法につき、それぞれ事例を紹介しつつ解説しました。

諸課題解決に関する具体的な質疑応答もなされ、この新型コロナウィルス感染症による環境下における積極的経営へのヒントを共有する充実した時間となりました。

 

【参考】講演スライドの一部

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