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Trade Compass導入で実現したサービスの差別化と業務高度化
ケイライン ロジスティックス 株式会社様 インタビュー
デロイト トーマツ税理士法人でサービス提供しているFTA活用支援ソリューション「Trade Compass」、輸出入を行う企業がどのように活用しているのか、ソリューションの使い勝手含め、「総合物流企業」として国内外に70箇所を超える拠点を持つケイライン ロジスティックス 株式会社様に、お話を伺いました。
左から:
ケイラインロジスティックス株式会社 営業第二部 課長 苅谷 雅弘 様
ケイラインロジスティックス株式会社 経営企画部 課長代理 天野 浩靖 様
ケイラインロジスティックス株式会社 営業第一部 課長代理 山本 哲也 様
オンラインご参加:
ケイラインロジスティックス株式会社 名古屋支店営業課 内田 英彦 様
(※所属・役職は取材時のものとなります。)
Trade Compassの導入背景と決め手
- 関税率に関する問合せ対応の時間削減と営業時の提案ツールとしての活用可能性から検討開始
- 複数輸出入国・HSコードを一斉に検索できる使いやすさと費用面の優位性が導入の決め手
デロイト トーマツ:Trade Compassを導入していただいたのが2019年ですが、まずは導入の背景をお聞かせください。
(天野)「海外輸入国側での関税率を調査してほしい」というお客様のご希望に応えるために、海外の現地法人に確認を取ったり、HSコードや関税率などを通関部門に確認したりするような業務が非常に多く、お問合せ対応にかなりの時間を取られてしまう課題が前々からありました。
また、そのようなお客様には、FTAを使うとどのぐらい関税を低減できるのか確認したうえで、全体の提案をすることがベストなのですが、そこまで全部できているかというと、できていない部分もある、という状況でした。
デロイト トーマツ:なるほど、御社ご自身ではなく、お客様からの関税に関するお問い合わせ対応と関税低減のご提案のために、弊社のTrade Compassをご検討くださったのですね。最終的に導入の決め手となったのは、どういうところにありましたか?
(天野)Trade Compassでは、複数の輸出国・輸入国・HSコードを設定して一斉に検索できるので、この機能を使えば、競合他社のサービスと差別化できるのではないかと考えました。また、他社のツールと比較してもTrade Compassが一番使いやすく、費用面でも優位だったので導入が決まりました。
Trade Compassの機能・使い勝手
- 日本発着は全部、海外国間も日本が関係するFTA・EPAはほぼ網羅できている
- 最新のFTA・EPA情報がタイムリーに反映されている
- たくさんのFTAの比較が一斉にできる
- HSコードさえわかれば、関税率を一瞬で調べられる
デロイト トーマツ:ありがとうございます!実際にご利用になってみて、役に立つ又は使い勝手が良かった機能はどれでしょうか?
(苅谷)そうですね。HSコードさえわかれば関税率を一瞬で調べることができて、さらに活用できるEPAの情報も入ってくるので、非常に有効活用しています。日本が関係するFTA・EPAはほぼ網羅できていて、また、海外の国同士のFTA・EPAも日系企業が利用する主要なものは入っているので、これらの比較ができるのはとてもありがたいです。
(山本)関税率の情報はネット上でも調べられなくはありませんが、例えば2022年からRCEPが入り、調べる手間がひと手間加わりましたし、ネットでは古い情報のままで更新されていないこともあります。一方、Trade Compassではタイムリーに関税率等の情報が更新され、且つ、外出先でもネットさえつながれば即時にFTA・EPAの最新情報を調べてお客様に提案できる点も、とても使い勝手がいいと感じております。
デロイト トーマツ:ご活用いただきありがとうございます。Trade Compassでは日本が締結しているFTA・EPAは全て網羅できているのですが、日本以外の海外の国同士でのFTA・EPAについては主要なものを厳選して入れています。今のTrade Compassに入っていないFTA・EPAで、これがあったらいいなというものはありますか?
(苅谷)正直、実感としてはTrade Compassに入っていないFTA・EPAを意識したことがないくらいの充実さです。(笑)
(内田)今の内容で十分に間に合っているので、この国もぜひとも!というのはありません。
(山本)今までの利用で「なくて困る!」 というものはありませんでした。ただ、今後はニーズとして色々増えてくるかもしれません。例えばメルコスール(南米南部共同市場)や、日本とEPA交渉が始まったバングラデシュなどは、国際輸送や輸出入が増えてきているので、あるとさらに便利になると思います。
デロイト トーマツ:はい、メルコスールは今のところカバーしているのが一部の情報ですが、ご要望があればデータ拡充を検討します。また、日本政府がバングラデシュとEPA交渉を開始したと承知していますので、締結・発効されれば、カバー範囲に含める予定です。
(苅谷)海外の国同士のFTAは日本からではわかりづらいので、日本が絡まないFTA・EPAでも重要視すべきものはあると思います。
デロイト トーマツ:ありがとうございます! いただいたニーズを踏まえ検討させていただきます。
Trade Compassの導入により実現できたこと
- 営業促進ツールとしての活用でサービスの差別化
- 顧客企業へ関税低減のためのベストなFTA活用提案
- 社内関連部門の業務効率化・高度化の実現
デロイト トーマツ:先ほど、導入のご検討時のお話の中で「関税の低減(ベストなFTA活用)を提案するツールとして有用でサービスの差別化ができる」と伺いましたが、導入された後、実際に御社の営業促進ツールとしてどのように活用されているか、もう少し具体的に聞かせていただけますか?
(天野)はい、実は導入検討の最初の段階では、「情報を調べるだけなら、ネットで調べられるでしょう」という意見があったのですが、実際にお客様にFTA活用の提案をできることが競合他社との違いになっています。
(内田)たとえば新規サプライヤーをA国、B国のどちらで探そうか考えているお客様がいらっしゃった時に、Trade Compassを見て、「AとBの関税率を比較するとこうなるから〇国の方が良い」と提案できると、立上げ段階から色々な相談が弊社に入るようになったり、ビジネスが立ち上がった際にそのまま弊社の物流サービスを使ってもらえるようになったりするケースがあります。
デロイト トーマツ:ご提案をされてさらにそれが実現できるのであれば、その実現まで御社でお願いするよ、という形で営業の一環として使われている、いうことですね。
(内田)はい。物流を担当者1人で行っているようなお客様もいらっしゃいますので、そもそもFTAの活用まで発想がなかなかいかないところもあります。
(苅谷)海外の工場を10カ所以上持つお客様が、海外から海外への取引で、どういったFTAがあって一般関税が何%というリストを作成する業務のために、スタッフを採用していたところ、それを私たちがTrade Compassを使って代行作業したら、1/3ぐらいの時間で済ますことができたという例もありました。
デロイト トーマツ:「関税に関するお問合せ対応に時間が取られる」という問題は解決できましたか?
(山本)具体的な数字の算出はしていませんが、肌感としてはかなりの時間削減ができていると思います。
(内田)導入前は、関税を調べるのにインターネット上の無料検索サイトしか考えられるツールがなく、わかりづらかったので、お客様の質問にすぐに答えられず困っていたのが、Trade Compassの導入でタイムリーに検索・展開できるようになりました。
(苅谷)私がアメリカに駐在していた頃は、アメリカやメキシコ、カナダの貿易における関税関連のお問合せが非常に多くて、その時NAFTAの分厚い規則書を読み込んでいました。例えば、アメリカに輸入して、加工してメキシコに輸出した場合はMade in USAと言えるか、メキシコの関税はどうなるか、と言ったような質問に対して都度膨大な時間をかけて調べて対応していた苦労がありましたが、Trade Compassを活用すれば、一瞬で関税率を比較して見せられるので、かなり楽になりました。
(天野)そうですね、調べる時間が削減できた分、本業である物流サービスの営業に時間を割くことができるようになりましたね。またTrade Compassで、営業マンとして必要な知識やノウハウの蓄積もできるようになりました。
デロイト トーマツ:嬉しいお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
ケイライン ロジスティックス 株式会社
<会社概要>
- 川崎汽船グループの一員、航空海上問わず取り扱う国際的な総合物流企業。
- 海外はアジア、米州中心に、国内は主要都市を中心に、国内外に拠点は70以上展開。
(世界22か国69カ所、国内14都府県19カ所) - 低温輸送や半導体装置輸送も取り扱い、通関業も行う。
- 注力産業は自動車、半導体、食品、航空機。
- 多様化するニーズに対応、高品質なサービス提供の実現に努めている。
<今後の展望>
4月からの中期経営計画において、「物流のプロフェッショナルとして、グローバルに最良のサービスを提供する」をキーワードに挙げ、日系企業様を中心に海外のお客様にも高品質・高機能な日本のサービスを届けることを目標としている。ケイラインロジスティックス(株)の強みは顧客密着型の提案であり、定型的でなく細かなニーズにもお応えするサービスを中心に、全世界に業務を拡大していく。また、近年注目されている環境問題にも対応したサービス提供体制について、本年度から本格検討・導入を計画している。
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