Posted: 02 Mar. 2022 5 min. read

【LGBT+座談会】「違い」を知り、誰もが働きやすい環境をつくっていくために

2021年11月29日開催

開催レポート

 

LGBT+を切り口に、デロイト トーマツ グループのリーダーとメンバーが想いを語り合う「Rainbow Table(LGBT+座談会)」の第1回を開催(第2回のレポートはこちら)。

淺井 明紀子(有限責任監査法人トーマツ パートナー/トーマツチャレンジド株式会社 代表取締役)、川津 篤子(有限責任監査法人トーマツ パートナー)、佐々木 聡美(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー マネージングディレクター)およびデロイト トーマツ内のAlly(*1)ネットワークである、Deloitte Tohmatsu Rainbow(*2)メンバーと共に、Allyを増やすにはどうしたらよいか、具体的なアクション、理想のインクルーシブな職場、社会とはどのようなものか、というテーマでディスカッションを行いました。

※所属・肩書・氏名などはイベント開催当時のものです。

(*1)Ally(アライ):LGBT+の理解者、支援者

(*2)Deloitte Tohmatsu Rainbow(DTR):デロイト トーマツ グループ内のEmployee Resource Groupの一つ。誰もが自分らしく輝ける世の中を創ることを目指し、LGBT+の活動を支持・支援する、全社的なAllyネットワーク

※画面左上から時計回りに、淺井 明紀子、川津 篤子、佐々木 聡美、Riku、Youngmi、Luca

(以下、ディスカッション概要 ※一部抜粋、敬称略。)

 

「違い」を「価値」とするためのDiversity, Equity, and Inclusion(DEI)推進

淺井:デロイト トーマツでは、「違い」を「価値」とするために、全てのメンバーが働きやすく、やりがいを持って活躍できるよう、DEI施策を推進しています。女性活躍推進のみでなく、LGBT+、International Member、障がいのあるメンバーなど、多様なメンバーのインクルージョンを促進するための活動を様々な観点から実施しています(詳細はこちら)。

- Luca:多様な施策の1つとして、LGBT+関連の施策も推進しています。

取り組みの1つとして推進している「Deloitte Tohmatsu Rainbow(DTR)」というAllyネットワークでは、一人でも多くの人にAllyになってもらいたいという想いのもと、DEIチームと連携してTokyo Rainbow Pride等のイベントへの参加や社内ラジオ・メッセージの発信を行っています。

 

Allyネットワークメンバーの参加、活動への想い-個々の尊重のためにできること

Luca:AllyネットワークであるDTRへの参加のきっかけ、想いについて教えてください。

- Riku:前職でヨーロッパに駐在し、多種多様な人種や民族の方と仕事をする中で、ダイバーシティについて考えるきっかけがありました。同世代のメンバーと話していて一番印象に残っているのは、「世界中には多様なメンバーがいるのに、人間社会に男女2つの区別しかないのはおかしいのでは」、「特定のカテゴリーのメンバーのみ、例えば男性のみがBoard Memberといった重要な役割についている状況はおかしいのでは」という発言でした。日本ではまだ「個性」や「違い」を尊重されている機会が少ないように感じ、DTRで活動をすることでダイバーシティの推進に関与したいと思い、参加しました。

- Youngmi:デロイト トーマツに入社した時に配られたLGBT+のニュースレター(当事者とAllyの声を載せたブロウシュア)を読み、会社でLGBT+活動が積極的に行われていることに驚くとともに、そのような活動がとても格好良く、自分にできることがあれば参加してみたいと思いました。その頃はまだ「Ally」という言葉も知らなかったのですが、少しずつ活動を通じて自分なりに勉強してきました。

私は日本で生まれているのですが、外国籍ということもあり、性別、性的指向、民族、国籍、障がい、等多様なメンバーがお互い尊重し合えるようになるとよいなと考えています。

Luca:理想の社会のベースになる重要な想いですね。「違い」についてまず自分自身がポジティブにとらえられるようになることが重要ですよね。では、リーダーのみなさんはこういったDTRメンバーの想いを聞いてどう感じられますか?

- 川津:17~18年前に入社した時に全社向けに配信されたメールを思い出していました。その当時「Ally」という言葉も「LGBT+」という言葉も広く知られていない状況の中、そのメールの中でデロイトはLGBT+メンバーが活躍できる環境を作っていくというグローバルメッセージを発信していたんです。

DTRの活動にもっと自分自身も参加し、その取り組みをより多くの人に広げていければと思います。社会の関心も高まっているので、何も気にすることなく誰もが活躍できる職場にしていければと思っています。

- 佐々木:メンバーのみなさんが明確な考えを持って活動に参画していますね。一言で「多様性」といっても、LGBT+に限らず、ワークライフバランス、女性活躍、International Memberや障がいのあるメンバー等、様々な分野に様々な方がいらっしゃるので、まずはみなさん一人ひとりが身近な話題から、人々の持つ多様性の大切さについて考えるきっかけが増えればよいと思っています。

- 淺井:私は2年前からDTRの活動に参加していますが、一番大切なのはお互いを思いやる気持ちだと感じています。もっともっとLGBT+や個人がもつ多様性に関して知り、仲間を増やしていきたいという思いで活動に参加しています。

- Luca:LGBT+の取り組みについて、「重要なことは解るものの、『言ってはいけないこと、してはいけないことをしてしまうのでは』と怖くて参加しづらい」、「Allyであると宣言をすることは、とてもハードルが高いのではないか」ということを言われることがあるのですが、<何か特別なことをしなければいけない、もしくは、してはいけない>ということではなく、Allyとしての最も重要な第一歩は、相手のことを「知りたい」「わかりたい」とする気持ちを持つことだと思います。

 

Allyshipを広げていくために、まず会話を始め、広げていくところから始める

佐々木:期首にビジネスの方針として各リーダーが<多様性こそが組織を強くしていく>というメッセージを発信していますが、本日のようなイベントだけでなく、既に全社に展開しているAllyshipに関する知識を含む必須研修も有効だと考えています。このような活動や、多様な人材について、理解すること、知識を持つことが必要だと思います。事例紹介なども行い、今までよりも働きやすい環境づくりをするきっかけとしていければと思っています。

- 川津:安心して気軽に会話できる環境をつくっていくことができるといいなと思い、AllyステッカーをPCに貼ったり、グループ内で販売されていて寄付につながるAllyグッズのネックストラップを身につけたりして、自分がAllyであるということを示しています。「ステッカー貼っているね」、「研修を受講したよ」、「イベントに参加してみたけど良かったよ」、といったような会話をきっかけに、輪を広げていけるのではないかと思っています。

- Luca:Allyshipは目に見えず、当事者からすると誰に相談できるか解らず不安なので、リーダーが理解啓発の重要性を訴えかけることは、取り組みを進める上で大きな後押しになります。

- Riku:今はリモートワークが一般的なので、会議の際のバーチャル背景など、多くの人の目に触れるところにAllyマークがあると良いのではないかと思いました。より多くの人にまずは目に触れる形で、Allyという存在を知ってもらうことが重要だと感じています。

- 淺井:LGBT+に関して、管理職としてリテラシーを持っている必要があるという声が地区事務所からあがり、全社の必須研修とは別で追加のLGBT+研修を実施しました。例えばAB型と同じくらいLGBT+当事者がいると言われていますが、都心部以外の地区事務所ではまだ実感が薄い部分もあります。研修を通じて当事者が身近にいることについての意識が強まり、事務所の雰囲気が変わったと感じており、今後も活動を各地区へ広げていきたいと思っています。

コミュニケーションから気づいていない「違い」に気づき、誰もが働きやすい環境へ向けて

Luca:Allyを増やすことについてお話してきましたが、LGBT+に限ったことではなく、誰もが働きやすい環境を実現していくために、みなさんの考える理想の職場、社会について教えてください。

- Youngmi:誰でも自分本来の姿、考え方を表現できて、それを受け取ってくれる人がいること、「自分らしさ」が自然に発揮できる社会が理想だと思います。LGBT+の取り組みについて会社が推進しているところも多く、社会でも目を向けられるようになってきているとは思いますが、まだまだ不十分と感じています。少しずつでも、活動を重ねていくことが理想につながっていくと思うので、ゴールに共感いただける方と、Allyの方を増やしていく活動ができればと思っています。

- 佐々木:まだ私が気づけていない「多様性」が他にもあると感じています。目に見える、見えないに関わらず、多様性を持つメンバーから組織が成り立っていて、様々な多様性、バックグラウンドや意見を活かしてこそ、今求められている組織、社会になっていくと思います。

リーダーとして発信を強化していくことが必要と感じており、お互いを尊重するカルチャーの醸成を掲げて施策に取り組んでいます。最近はCOVID-19で対面のコミュニケーションが難しくなっていますが、お互いを尊重するためのコミュニケーション施策も合わせて実施していきます。

- Luca:コミュニケーションは相手を知ることであり、相手を知ることは相互に尊重し合うための前提なので、コミュニケーションを促進していくことは重要ですよね。

 

まず自分自身のことを理解し、お互い尊重し合いながら多様性を強みとする組織へ

- 淺井:他者を理解し、尊重するためには、まずは自己への理解を深める必要があるのではないかと思います。「自分の特性とは何か、自分の強みは何か、逆に自分の苦手なことは何か」といったことを考え、自分自身への理解が深まると、同時に「同じように思う人もいるかも」とか、「他の人はこう考えるかも」と、他者へ想像力を働かせることができるようになるのではないかなと。上から目線で「助ける、サポートする、支援する」ということではなく、対等な立場で、自分が知らないところでこう感じる人がいるとか、自分が知らない異なる価値観がある、というような、<知らないことが沢山ある>ということをまず知って、興味を持って自他への理解を深めることが相互の尊重に繋がる大切なポイントだと思いますし、お互いの違いを知って相互尊重に繋げていけるような活動を職場にも広げていきたいと考えています。

- 川津:理想は、自分が感じたことを自由に表現して、属性、偏見にとらわれず、議論がフラットにできる組織、社会です。DEIというように、社会の視点は「平等(Equality)」から「公平(Equity)」が考慮されるようになってきましたが、属性や偏見によってこれまでできなかったことをできるようにサポートしていく仕組みを作り、最終的には属性に関係なく誰もが活躍できるようにしていきたいと考えています。気づいていない属性、偏見、不平等がまだあると思いますので、それを取り除くとともに、最終的には個人として何ができるか、何をしていきたいかというところで、デロイトのShared values(共通の価値観)である「Take care of each other(一人ひとりを尊重し、公平性の確保、互いの成長と幸福追求に向けて配慮し助け合う)」「Foster inclusion(多様性を受け容れ、それを活かし強みとするインクルーシブな組織風土を醸成する)」へつながっていくと思います。

 

LGBT+に関する理解は以前に比べ進んできているものの、まだ社会全体での理解を広げ、誰もが自分自身のまま働きやすく、生きやすい環境づくりを推進していく必要があります。デロイト トーマツ グループでは今後もLGBT+をはじめ、一人ひとりの様々な「違い」について #Equity の概念をベースに様々な取り組みや対話を重ね、真の #Inclusionや #Wellbeingへつなげていきます。

>Rainbow Table(第2回)「個々の持つ『違い』を当たり前に認識できる組織へ」

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する情報はこちら

プロフェッショナル

淺井 明紀子/Akiko Asai

淺井 明紀子/Akiko Asai

有限責任監査法人トーマツ パートナー/トーマツチャレンジド株式会社 代表取締役

1995年有限責任監査法人トーマツ入社後、主として、製造業および小売業に対する監査業務に従事。 2017年から2019年まで日本公認会計士協会 女性活躍促進協議会委員活動に従事し、2019年から2021年まで日本公認会計士協会東海会愛知県会会長を務める。 2019年には監査・保証事業本部のD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)リーダーに就任し、監査法人内のD&Iの施策を推進している。 2020年からトーマツチャレンジド株式会社 代表取締役に就任。

川津 篤子/Atsuko Kawazu

川津 篤子/Atsuko Kawazu

有限責任監査法人トーマツ パートナー

総合電機メーカーにてシステム企画・開発業務の経験を経て、2002年に監査法人トーマツに入社。 大手金融機関やインターネット系金融機関をを中心とした銀行・証券等に対するシステムリスク管理態勢の監査や管理態勢整備にかかるコンサルティング業務、内部監査支援業務、システム更改プロジェクトの監査、法定監査としてのIT評価等を担当。

佐々木 聡美/Satomi Sasaki

佐々木 聡美/Satomi Sasaki

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー マネージングディレクター

エシックス室統括 大手監査法人にて上場会社の監査業務や株式公開支援業務に従事。2008年デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社に参画後、数多くのM&A案件に関与し、買収側財務デューデリジェンス、売却側アドバイザリー、会計ストラクチャーの支援などM&A実行に関わる業務を中心にサービスを提供している。大手証券会社の投資銀行部門に出向し、M&Aに関する会計・税務相談対応、アドバイザリー業務に従事した経験も有する。 公認会計士   関連サービス M&Aアドバイザリー >> オンラインフォームよりお問い合わせ

執筆者

Diversity, Equity & Inclusion チーム

Diversity, Equity & Inclusion チーム

デロイト トーマツ グループ

「Diversity, Equity, & Inclusion(DEI)」を自社と顧客の成長を牽引し、社会変革へつなげていくための重要経営戦略の一つとして位置付けているデロイト トーマツ グループにおいて、ジェンダーやセクシャリティ、人種・民族、宗教や言語を含めた文化の違い、障がいなど、様々な「違い」を強みとするための施策を、経営層と一体となり幅広く立案・実行しているプロフェッショナルチーム。 関連するリンク デロイト トーマツ グループのDiversity, Equity & Inclusion