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【保険ERM】パフォーマンスの原動力となるコンプライアンス

倫理・コンプライアンス・カルチャーの進化と再定義('Compliance to Power Performance")(2017.05)

今コンプライアンスの変革が進行しています。消費者や規制当局が利用可能な情報の量とスピードが加速し続ける中で、コンプライアンスの役割は単なる法令等遵守のための支出から、会社の競争力あるアセットへの戦略投資であると考えられています。

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今何の変化がおこっているのか

レピュテーションリスクの伝播はスピードアップするとともに、リスクは拡張しているという変化に気づく必要がある。
デロイトUSは、2016年の「保険会社倫理・コンプライアンス調査(Insurance Ethics and Compliance Survey)を実施した。この中で、業績指標と保険倫理・コンプライアンスプログラムの成熟度との間に相関があることが確認された。
詳細は、レポートを参照ください。

原題:Compliance to Power Performance(PDF)

NAICの報告書によれば、保険会社は統一未請求資産法(Uniform Unclaimed Property Law: UUPA)によって、未請求の保険金を報告する義務がある。UUPAは、生命保険会社に、保険金が確実に支払われるようにするために被保険者が死亡したかどうかを積極的に確認する義務はないとこれまで考えられてきた。最近、規制当局は、従来行なわれてき業界実務が保険規則に違反すると決定した。これは、過去のコンプライアンス責任の在り方と現在期待されているコンプライアンスに対するマインドセットとの違いを示すものである。

かつて、日本において保険金支払いモレへの対応が求められ、「支払い勧奨」といったコンプライアンス対策が実施され、業界として保険金処理実務を根本的に変える出来事があった。それと同様な事態が米国で起こっているともいえる。
このような現象は、リスクカルチャーやコンダクトリスクへの関心の高まり、顧客本位の業務運営といった動きと連動し、コンプライアンスの概念に変化が生じていることの表れである。

全員が、リスクに対する組織のアプローチを理解し、自らが行うすべてにおいてリスク管理の個人的責任を負い、他の者が自身の模範に従うよう促すことをいう。

コンプライアンスはパフォーマンスのドライバー

支出と投資は同義ではない。過去の事実としての支出とは異なり、少なくとも投資には、企業価値との密接性とフォワードルッキング性が付与されている。この両者の違いを意識することが、法令遵守の旧来のコンプライアンスの概念から、企業業績との相関の強い進化したコンプライアンスへの移行につながる。
デロイトUSは、2016年の「保険会社倫理・コンプライアンス調査(Insurance Ethics and Compliance Survey)において、一定の前提の下で、高成熟度の倫理・コンプライアンスが相対的に高い業績を挙げている相関を示している。

「卓越した」コンプライアンスの概念は、旧来の概念の相違は下図のように整理される。

コンプライアンス投資と企業のパフォーマンスの相関

リスクガバナンス、リスクカルチャーと密接な倫理・コンプライアンスの展望

倫理・コンプライアンス・リスクをERM体系の中に明確に位置付け、戦略推進とリスク管理の統合的管理の枠組みとの連動を図りうるか否かは、規制が量的に拡大し質的に変革する今後の環境変化の中で極めて大きな差異をもたらす。ERMの実効性は、組織構成員の行動に依存している。
リスクカルチャーの醸成」も参照ください。

進化したコンプライアンスのイメージは下図の通りである。

コンプライアンス部門の将来はどのようなものになるか

保険ERM態勢の高度化支援サービス

デロイト トーマツ グループでは、保険ERM態勢に関し、基礎的な情報提供から、各社固有の問題解決まで幅広く関わり、Deloitte Touche Tohmatsu Limited(DTTL)のグローバルネットワークを駆使し、最新の情報と豊富なアドバイザリーサービスを提供します。

保険ERM態勢高度化支援サービス
(ブロシュア、PDF、384KB)

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保険インダストリー関連サービス
(ブロシュア、PDF、212KB)

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