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2020年薬価制度改正と今後の論点

2020年改正内容(主に新薬創出等加算、長期収載品薬価)と今後の論点

2016年12月に政府が策定した「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」 の考え方を踏襲し、2020年薬価制度改正においても、新薬創出等加算や長期収載品の薬価算定等のルールが大きく見直された。本稿では、2020年の改正内容を分かりやすく説明し、今後の薬価制度改正における論点を紹介する。

2020年薬価制度改正と今後の論点

オプジーボ等の高額薬剤問題に端を発し、政府は、2016年12月に、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」を両立し、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」を実現する観点から、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」 を策定し、2018年薬価制度改正 において、新薬創出等加算 や長期収載品 の薬価算定等のルールが抜本的見直された。なお、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の内容については、2017年4月に紹介しているので、こちらを参照されたい 。

2020年2月に公表された2020年薬価制度改正 においても、引き続き、「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」の考え方を踏襲し、新薬創出等加算や長期収載品の薬価算定ルールの更なる見直しに加え、気管支喘息に係るバイオ医薬品(ゾレア)が花粉症治療薬に転用可能となったことを契機とし、再算定ルールの見直しも盛り込まれた。

本稿では、今回の薬価制度改正のうち、上記の新薬創出等加算、長期収載品の薬価算定及び再算定の3点について、筆者の厚生労働省在籍時に培った薬事業務経験を活かしつつ、改正内容を分かりやすく紹介する。また、今後の薬価制度改正の論点についても併せて触れていくこととする。

 

2020年薬価制度改正と今後の論点(PDF,1.2MB)
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