最新動向/市場予測

Deloitte UK 日系企業サービスグループ 『Brexit Newsletter (UK) - vol.72』

2018年の年央での英国企業の姿勢は、「守り」と「警戒」(2018年7月10日)

Theresa May首相が「ソフトBrexit」色の濃いBrexitの交渉方針案を内閣に承認させたが、離脱派の大臣が相次いで辞任し、後任が直ちに任命されるなど、この2週間で様々な動きがあった。本号は、Deloitte UKが6月7日から14日にかけて英国企業のCFOを対象として実施した「The Deloitte CFO Survey Q2 2018」の結果に触れながら、Brexitの動向について解説する。

Brexitに関する最近の動き ※詳細資料(PDF)より一部抜粋

この2週間の間に、Brexitを巡る様々な動きがあった。Theresa May首相は、「ソフトBrexit」色の濃いBrexitの交渉方針案を内閣に承認させた。しかし、内閣で支持されたこのようなBrexitの交渉方針は、離脱派であったDavid Davis離脱担当相、Boris Johnson外相にとっては受け入れられるものではなかったため、同相らは相次いで辞任し、それぞれ、Dominic Raab住宅担当閣外相、Jeremy Hunt保健・社会福祉相が後任として直ちに任命された。
 

先週までのBrexit、欧州の政治および経済に関する主な動きは以下の通りである。 
  • EUの加盟27か国の首脳陣はTheresa May首相に対し、「ハードBrexit」となる可能性が強まっているとして、英国として交渉に際して譲れない一線を見直すよう促した。
  • Financial Times紙によると、EUは「ハードBrexit」となった場合の経済の混乱を緩和するため、エマージェンシー・プランの整備に今まで以上に取り組んでいる。
  • イングランド銀行のMark Carney総裁は、「ハードBrexit」となった場合、英国には金融の安定性を確保するための万全の備えがあると述べた。

 

本号は、Deloitte UKが6月7日から14日にかけて英国企業のCFOを対象として実施した「The Deloitte CFO Survey Q2 2018」の結果に触れながら、Brexitの動向について解説する。
  • 今月公表された「Deloitte CFO Survey Q2 2018」では、英国のCFOの間でのBrexitに対する懸念の高まりと守りのバランスシート戦略への転換が明確になっている。
  • 3月に実施した前回のサーベイでは、Brexit後の移行期間の設置が公表されたことを受け、CFOの間には景況感の高まりが見られたが長続きしなかった。
  • Brexitが長期的にはビジネス環境にマイナスの影響を及ぼすと予測しているCFOは、全体の4分の3となり、2016年6月末に行われた国民投票以降で最も高い割合となった。その結果、再びBrexitがCFOがビジネス上で直面している主な懸案事項の第1位となり、次いで英国における需要の低迷が第2位となった。世界的にもビジネス環境は厳しさを増し、CFOは保護主義的な動きやユーロ圏の経済活動の鈍化に対する懸念を高めている。
Brexit Newsletter (UK) - vol.72 (PDF, 726KB)

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