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Deloitte UK 日系企業サービスグループ 『Brexit Newsletter (UK) - vol.74』

英国内ではハードBrexitへの不安が増加(2018年8月7日)

イングランド銀行(BOE)のMark Carney総裁がハードBrexitとなるリスクは不快なほど高いと述べるなど、英国内ではハードBrexitに対する不安が増加しつつある。BOEは政策金利を25ベーシスポイント引き上げ0.75%とし、2009年以降で最も高い水準となった。これは、労働市場の逼迫など経済の余剰能力が非常に限られていることを受け、景気の引き締めを重視した利上げであるとしている。

Brexitに関する最近の動き ※詳細資料(PDF)より一部抜粋

直近のBrexit交渉の経過を受け、英国内ではハードBrexitの現実味が高まっているとの不安が増しつつある。ハードBrexitを回避するために、Theresa May首相およびDominic Raab 新EU離脱担当相その他の英国首脳が、今後のEUとの交渉をどのように進めていくかが注目される。 
 

先週までのBrexit、欧州の政治および経済に関する主な動きは以下の通りである。 
  • 英国のGreg Clarkビジネス・エネルギー・産業戦略相は、ハードBrexitによって国境が閉鎖されることは、保護主義が台頭する中で世界経済にとって「危険信号」になると警告した。
  • Theresa May首相は自身がEUとの交渉を牽引し、新たに就任したDominic Raab EU離脱担当相はその「代役」にすぎないと述べた。また、Raab EU離脱担当相は、英国とEUはアイルランドとの国境問題に関して、現実的なバックストップ・プランを見つけ、EUとの合意に至ることができると確信していると述べた。
  • 英国のMatt Hancock保健・ソーシャルケア相によると、国民保健サービス(NHS)ではハードBrexitとなった場合に備え、医薬品を備蓄しているという。
  • Financial Times紙は、将来の英国‐EU間の関係についての青写真をEUが英国に示すことで、May首相が離脱協定に対する議会の支持を獲得でき、結果としてハードBrexitを回避できるのであれば、EUは喜んでそれを行うと報じている。
Brexit Newsletter (UK) - vol.74 (PDF, 612KB)

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