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調達を一変する商物流改革

M&Aを梃子にしてサプライヤーが支配する調達商物流を見える化し、パーチェサー起点での調達商物流を構築

従来のサプライヤー価格政策にとどまらず、サプライヤーが支配する調達商物流にM&Aを用いてメスを入れ、パーチェサー起点での調達商物流の実現が求められる。

日本の製造業は「乾いた雑巾を絞る」と評されるほど、コスト削減意識が高く、サプライヤーの集約、部品の標準化と部品点数集約、集中契約化・集中購買化といった取組により、サプライヤーに対してバイイングパワーを発揮しコストダウンを獲得してきた。メガサプライヤーも取引先の選別を通じて交渉力の強化を図っており、日本の製造業は次の一手として資本再編を通じた調達改革に着手しはじめている。従来の改革手法とは異なり、旧来の慣行に基づき固定化しているサプライヤーとの取引関係にメスを入れ、資本再編により固定化した調達商物流を改革しようとしている。

昨今、調達商物流に介在する外部商社に係る問題解決が求められている。物流・インコタームズ・倉庫・サイト条件等、調達における諸条件は複雑であり、複雑な調達に統制をかけるために外部商社を活用せざるを得ないのだが、外部商社が調達商物流に介在することで、従前の課題であったコストの増加・外部流失に加え、・情報の流出、取引スピードの低下といった重要な課題も引き起こしており、メーカーの調達部門としては大きな損失を被っている。

そこで有力なアプローチとなるのが、外部商社への出資である。現在取引のある外部商社から一社を選定し出資を行うことでグループ内に取り込み、コントロールの効くパートナー商社とすることで、外部商社が担っていた機能を一元的に肩代わりさせるのだ。複数介在していた外部商社を1社に絞り込むことにより、調達商物流においてメーカーとしてのカバレッジを拡げ、外部商社に搾取されていたコスト・情報を取り込んでいくことができる。本調達商物流改革は以下に挙げるポイントを如何に実現できるかがカギとなる。

  • 自社調達部門の目指す姿を踏まえた適切な外部商社の選定
  • 資本介入される外部商社側のメリット創出
  • 外部商社との適切な役割・責任分担
  • 目的に適った適切な出資比率
  • ベリーレシオ経営
  • 求める条件を死守しつつ、かつスピード感のある契約交渉

 

調達商物流改革のBefore After
※クリックまたはタップして拡大表示できます

 

調達改革において、M&Aを活用して外部商社への出資を含めた商物流改革は、これまでの手法とは一線を画しているが故に予想を超える高い成果を残せる可能性がある。グローバルに事業展開するメーカーにとって、調達商物流の最適化は永遠の課題でもあるが、抜本的な課題解決策となる可能性がある。
 

モニター デロイトは、本調達商物流の要諦として挙げたポイントについて、豊富な事業戦略立案の実績と、当該事業戦略を実現するために必要なM&Aを過去数千件支援した実績、様々な調達部門からのご相談・ソリューション提供を通して獲得した調達部門改革のメソドロジーの3点を以て、日本企業の調達部門改革を一層加速していきたいと考えている。

 

 

著者

植木達也 / Tatsuya Ueki
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 マネジャー

大手電機メーカーを経て現職、製造業を中心に様々な業界に対してM&A・組織再編・提携戦略アドバイザリー等の幅広い経験を持つ。
近年では、知財・調達を中心とした本社機能の効率化・高度化に関するプロジェクトへ多数従事。
 

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