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OECDによる新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に関する移転価格執行ガイダンスの公表について
Japan Tax Newsletter:2021年1月12日号
2020年12月18日、OECDは、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に関する移転価格執行ガイダンスを発表した。本ガイダンスは新型コロナウイルス感染症によって生じる論点やその影響でますます難しくなる移転価格の実務上の論点について、独立企業原則とOECD多国籍企業及び税務当局の移転価格ガイドラインをどのように適用するかに焦点を当てている。
本稿のポイントは下記のとおり。
- 本ガイダンスは、COVID-19下の経済環境及び各国政府の対応に関連して、独立企業原則を適用する際に生じる実務的な課題を明確にしている
- 本ガイダンス位置づけは、OECD移転価格ガイドラインの改訂・拡大ではなく、独立企業原則をどう適用するかに主眼を置くものである
- 本ガイダンスは、4つの優先課題に焦点を当てている
①比較可能性分析
②損失及びCOVID-19特有の費用の配分
③政府支援プログラム
④事前確認(APA)
移転価格分析を実施する際は、OECD移転価格ガイドラインを引き続き参照すべきだが、COVID-19の影響を受けた事業年度においては、新たな問題が生じたり既存の論点が複雑化する可能性があると考えられる。合理的な独立企業間価格を算出するために、上記の4つの優先課題は、OECD移転価格ガイドラインの枠組みとともに検討されるべきである。本ガイダンスは、BEPSに関するG20/OECD包括的枠組みに参加する137カ国のコンセンサスを得た見解を表している。
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